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  • 平成15年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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(217)−(219)職員の不正行為による損害が生じたもの


(217)−(219)職員の不正行為による損害が生じたもの

部局等の名称 日本放送協会本部、大阪放送局ほか2放送局
不正行為期間 平成9年2月〜13年11月
損害金の種類 受信料、番組制作費、現金及び預金
損害額 51,967,940円

 日本放送協会(以下「協会」という。)本部、大阪放送局ほか2放送局において、関係職員の不正行為による損害が生じたものが3件、損害額で51,967,940円ある。このうち平成16年9月末現在で損害の補てんが終わっていないものが1件、損害額で48,886,600円、損害額のすべてが補てん済みとなっているものが2件、損害額で3,081,340円となっている。
 上記の3件を補てんが終わっていないものと補てん済みとなっているものとに分けて示すと、次のとおりである。

(ア)平成16年9月末現在で損害の補てんが終わっていないもの

部局等の名称 不正行為期間 損害額
年月
(217) 本部 
大阪放送局
9.2から
13.11まで
48,886,600

 本件は、上記の両部局において、放送番組の制作に当たるチーフ・プロデューサー磯野某が、番組制作費の支払決定に関する事務に従事中、知人と共謀し自己の担当する番組において仕事をさせたこととして、知人の銀行口座に88回にわたり振り込ませた番組制作費を領得するなどして、計48,886,600円の損害を与えたものである。
 なお、上記の損害額は、平成16年9月末現在判明している金額である。

(218) 京都放送局 11.2から
13.1まで
2,081,340

 本件は、上記の部局において、営業担当の職員が、受信料収納の事務に従事中、訪問集金で支払を受けた受信料計2,081,340円を領得したものである。
 なお、本件損害額については、平成13年3月に全額が同人から返納されている。

(219) 北九州放送局 9.9 1,000,000

 本件は、上記の部局において、経理担当の職員が、現金及び預金の出納事務に従事中、協会の銀行口座から不正に現金を引き出すなどして、計1,000,000円を領得したものである。
 なお、本件損害額については、平成9年11月に全額が同人から返納されている。

(218)(219) の計 2件 3,081,340
(ア)、(イ)の計 3件 51,967,940

 上記3件のほかに、損害額が少額で補てん済みのものが2件あった。そして、このような会計に関係のある犯罪が発覚したときは、会計検査院法第27条により、日本放送協会会長は直ちにその旨を本院に報告しなければならないこととなっているが、これら5件のうちには、発覚後その報告が著しく遅滞していたものがあった。
 これについて、協会では、今後は、同条に基づく報告を適切に行うとしている。
 また、上記5件の発生原因は、〔1〕職員において適正な会計経理に対する認識が欠如していたこと、〔2〕放送番組制作の業務実態を的確に把握した上での経理審査が行われていなかったことなどにあると認められる。
 これについて、協会では、平成16年9月に「コンプライアンス(法令遵守)推進委員会」を設置し、〔1〕職員の倫理に関する基本理念を定めて、職員研修をはじめ職員啓蒙活動の強化に取り組むこと、〔2〕協会の業務を点検した上で経理処理を適正化するとともに、内部監査に関する体制を強化することなどして、不正行為の再発防止に努めることとしている。
 本院においても、協会における再発防止策の実施状況等について注視していくこととする。