会社名 | (1) | 西日本電信電話株式会社 |
(2) | エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 | |
科目 | (1) | 営業費用 |
(2) | 営業費用 | |
部局等の名称 | (1) | 西日本電信電話株式会社本社及び兵庫支店ほか1病院 |
(2) | エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社本社及び関西支店ほか1事業部 | |
契約名 | 食堂物品賃貸借契約 | |
契約の概要 | 社員食堂で使用する厨房機器、調理器具等の物品を賃借するもの | |
契約の相手方 | (1) | 財団法人電気通信共済会 |
(2) | 財団法人電気通信共済会 | |
契約 | (1) | 平成13年4月(基本契約)随意契約 |
(2) | 平成11年7月(基本契約)随意契約 |
平成16年3月末に賃借していた物品の数量 | (1) | 39,934個 | |
(2) | 6,283個 | ||
上記の物品に係る平成15年度の賃借料 | (1) | 2億8233万余円 | |
(2) | 5551万余円 | ||
法定耐用年数経過後も継続して賃借していた物品の数量 | (1) | 12,400個 | |
(2) | 1,782個 | ||
法定耐用年数経過時に買い受けていたとすれば節減できた賃借料 | (1) | 4020万円 | (平成13年度〜15年度) |
(2) | 2200万円 | (平成13年度〜15年度) |
1 賃貸借契約の概要
西日本電信電話株式会社(以下「NTT西日本」という。)及びエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社(以下「NTTコム」という。)では、社員の福利厚生施設として社員食堂(以下「食堂」という。)を多数管理・運営している。そして、両会社では、これらの食堂の運営に関する業務を財団法人電気通信共済会(以下「共済会」という。)に行わせている。
食堂を運営するに当たり、食堂で使用する業務用冷凍冷蔵庫などの厨房機器や大型炊飯器などの調理器具等の物品(以下「食堂物品」という。)については、自ら取得して使用する場合とこれらを賃借して使用する場合がある。両会社では、従来から、共済会が両会社の承認を受けて購入した食堂物品を両会社本社と共済会との間で締結した「食堂物品賃貸借基本契約」(以下「基本契約」という。)に基づき共済会から賃借することとしている。そして、両会社の本社及び各支店等では、この基本契約に基づき、それぞれ共済会との間で「食堂物品賃貸借契約」(以下「個別契約」という。)を締結し、各食堂で使用する食堂物品を共済会から賃借している。
基本契約によると、両会社が共済会から賃借する食堂物品(以下「賃借物品」という。)の月額賃借料は、各賃借物品の法定耐用年数(以下「耐用年数」という。)に基づき、耐用年数別に次の式により算定した額の合計額とすることとされている。
耐用年数別の賃借料=
基本契約によると、賃借物品が耐用年数を経過するときは、原則として、共済会において新規に物品を調達し、新たに賃借することとされている。ただし、耐用年数を経過する賃借物品については、NTT西日本では、平成13年4月に共済会との間で基本契約を更改し、また、NTTコムでは、同年3月に共済会との間で覚書を締結して、13年4月以降、次のような措置を基本契約に追加している。すなわち、耐用年数を経過する賃借物品のうち、両会社と共済会が協議の上、双方が引き続き使用に耐え得ると判断した物品(以下「継続物品」という。)については、両会社が当該物品の購入額の5%に相当する額で共済会から買い受け、継続して使用することができることとされている。そして、継続物品になり得る賃借物品については、耐用年数が満了する日の2箇月前までに共済会から両会社の本社、各支店等に通知することとされている。
2 検査の結果
両会社では、食堂物品を共済会から多数賃借しており、近年、製品の品質向上等により、耐用年数を経過しても継続して使用できる物品が増加してきていることから、耐用年数を経過した賃借物品の取扱いが適切に行われているかなどに着眼して検査した。
16年3月時点で共済会に賃借料を支払っていた賃借物品NTT西日本計39,934個(これらの物品に係る15年度賃借料計2億8233万余円)、NTTコム計6,283個(同計5551万余円)を対象として検査した。
検査したところ、NTT西日本では、本社ほか2支店等(注2)
の食堂計16施設における12,400個の賃借物品について、既に耐用年数が経過しているのにその後も引き続き賃借物品として使用し、耐用年数経過時(前記の基本契約更改時に既に耐用年数を経過していた物品については13年4月)から16年3月までに、賃借料として計4617万余円を支払っていた。
また、NTTコムでは、本社ほか2支店等(注3)
の食堂計8施設における1,782個の賃借物品について、既に耐用年数が経過しているのにその後も引き続き賃借物品として使用し、耐用年数経過時(前記覚書の発効時に既に耐用年数を経過していた物品については13年4月)から16年3月までに、賃借料として計2671万余円を支払っていた。
そして、これらの物品については、耐用年数が満了する日の2箇月前までに行うこととされている共済会から両会社の本社、各支店等への通知は、文書により的確に行われていなかった。
これらの賃借物品については、前記13年の措置の趣旨を踏まえ、文書による通知を受け、両会社において、耐用年数経過時に共済会と協議の上、継続物品として買い受けることにより、賃借料の節減を図る要があると認められた。
NTT西日本における12,400個の賃借物品について、耐用年数経過時(前記の基本契約更改時に既に耐用年数を経過していた物品については13年4月)に継続物品として買い受けることとしていたとすれば、買受けに要する費用593万余円を考慮したとしても、16年3月までに支払った賃借料計4617万余円について、約4020万円節減できたと認められた。
また、NTTコムにおける1,782個の賃借物品について、耐用年数経過時(前記覚書の発効時に既に耐用年数を経過していた物品については13年4月)に継続物品として買い受けることとしていたとすれば、買受けに要する費用462万余円を考慮したとしても、16年3月までに支払った賃借料計2671万余円について、約2200万円節減できたと認められた。
このような事態が生じていたのは、次のことなどによると認められた。
(ア)両会社において、耐用年数を経過する賃借物品の取扱いについて新たに定めた趣旨が各契約担当部門に周知徹底されていなかったこと
(イ)両会社において、継続物品になり得る賃借物品に係る事前の通知方法について、共済会との間で明確に取り決めていなかったこと
(ウ)NTTコムにおいて、耐用年数を経過する賃借物品の取扱いについて、個別契約に定めていなかったこと
3 当局が講じた改善の処置
上記についての本院の指摘に基づき、両会社では、16年9月に、各契約担当部門に対して指示文書を発し、次のような処置を講じた。
(ア)両会社において、耐用年数を既に経過している賃借物品については速やかに買受けの措置を執ることとするとともに、耐用年数を経過する賃借物品の取扱いについて周知徹底した。
(イ)両会社において、継続物品になり得る賃借物品に係る事前の通知については文書により的確に行うよう共済会との間で取り決めることとした。
(ウ)NTTコムにおいて、継続物品の買受けに関する措置を個別契約上も明記することとした。
(注1) | 賦金率 一定期間ごとに一定の金額を支払う月賦等の割賦払いにおいて、毎期の支払額を求める率 |
(注2) | 本社ほか2支店等 本社、兵庫支店、大阪病院 |
(注3) | 本社ほか2支店等 本社、関西支店、ネットワーク事業部 |