これまでに実施された公的資金を原資とした株式等の引受け等により金融機関の資本を増強する(以下「資本増強」という。)措置のうち、過去にりそな銀行の前身である株式会社大和銀行及び株式会社あさひ銀行(以下、両銀行の名称中「株式会社」は記載を省略する。)並びに足利銀行に対して実施された措置には、10年2月に制定された金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律(平成10年法律第5号。以下「金融機能安定化法」という。)に基づく措置及び同年10月に制定された金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律(平成10年法律第143号。以下「金融機能早期健全化法」という。)に基づく措置がある。
金融機能安定化法における資本増強措置の枠組みは、図2のとおりである。
図2 金融機能安定化法による資本増強措置の枠組み
なお、10年10月に金融機能安定化法は廃止され、預金保険機構の金融危機管理勘定に属する資産及び負債は、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律(平成10年法律第132号。以下「金融機能再生法」という。)に基づいて同機構に設置された金融再生勘定に引き継がれた。
イ 金融機能早期健全化法(11年3月から14年3月までに実施された資本増強措置)
金融機能早期健全化法における資本増強措置の枠組みは、図3のとおりである。
図3 金融機能早期健全化法による資本増強措置の枠組み
金融機能早期健全化法では、資本増強措置の申込みを行った金融機関は、経営の合理化のための方策や、株式等について利益をもってする消却等に対応することができる財源を確保するための方策、財務内容の健全性及び業務の健全かつ適切な運営の確保のための方策などを記載した経営健全化計画を提出することとされた。そして、金融再生委員会(13年1月以降は金融庁。)は、同計画及びその履行状況について公表するとされた。
ウ りそな銀行の前身である大和及びあさひ両銀行並びに足利銀行に対して実施された資本増強措置
金融機能安定化法及び金融機能早期健全化法に基づいて大和及びあさひ両銀行並びに足利銀行に対して実施された資本増強措置の実績は表1のとおりである。
実施年月 | 根拠法 | 引受け等の形態 | 金額(億円) | |
10年3月 | 金融機能安定化法 | |||
(大和銀行) | 劣後ローン | 1,000 | ||
(あさひ銀行) | 劣後ローン | 1,000 | ||
計 | 2,000 | |||
11年3月 | 金融機能早期健全化法 | |||
(大和銀行) | 優先株式 | 4,080 | ||
(あさひ銀行) | 優先株式 劣後ローン |
4,000 1,000 |
||
計 | 9,080 | |||
(大和銀行計) |
5,080 6,000 11,080 |
実施年月 | 根拠法 | 引受けの形態 | 金額(億円) |
10年3月 | 金融機能安定化法 | 劣後債 | 300 |
11年9月 11月 |
金融機能早期健全化法 | 優先株式 優先株式 |
750 300 |
計 | 1,050 | ||
合計 | 1,350 |