足利銀行において、自己査定に基づく償却・引当額と金融検査の結果に基づく償却・引当額が同銀行の資本の部を上回る規模でかい離している状況が見受けられた。
前記のとおり、自己査定及びそれに基づく償却・引当てが適切に行われない状況では、早期是正措置の発動が適切になされずに結果として公的資金がき損したり、経営健全化計画の履行状況の監督による金融機関の経営の健全化という金融機能早期健全化法が予定している枠組みが機能せず、公的資金による資本増強措置の効果が十分に発現しなかったりするおそれがある。
金融庁においては、監督や金融検査を通じて、資本増強措置を受けている他の金融機関について、自己査定及びそれに基づく償却・引当てが適切に行われるよう対処する必要がある。