国の役務等の調達の事務は、会計法(昭和22年法律第35号)、予算決算及び会計令(昭和22年勅令第165号)等に従って執行することとされており、契約を締結する場合には、原則として一般競争に付さなければならないとされている。ただし、契約の性質又は目的により競争に加わるべき者が少数で一般競争に付する必要がない場合、一般競争に付することが不利と認められる場合などにおいては、指名競争に付することとされている。また、契約の性質又は目的が競争を許さない場合、緊急の必要により競争に付することができない場合などは随意契約によることとされている。
そこで、以下では、調査研究事業における契約の競争の状況を分析するとともに、このうち随意契約によっているものについて競争の可能性を検討することとした。
(ア)契約方式の状況
調査対象契約を契約方式別にみると、表6のとおり、一般競争契約及び指名競争契約(以下「競争契約」という。)の割合は、件数で2.4%、金額で1.3%、随意契約の割合は、件数で97.5%、金額で98.6%となっていて、競争契約の割合は極めて低くなっている。
これを契約内容別にみると、競争契約の件数の割合は、「統計調査」では7.6%、「調査」では3.5%となっているのに対し、「研究」では0.9%と特に低くなっている。そして、競争契約の件数は、「調査」における60件が他の契約内容に比べて多くなっているが、その主なものは、「情報システム開発、運用等の調査」、「世論・意識調査」、「動向・実態等の調査」等となっている。
表6 契約内容別の契約方式の分類
(単位:件、百万円、%)
契約方式
\ 契約内容
|
競争契約 | 随意契約 | 合計 | |||||||||
件数 | 割合 | 金額 | 割合 | 件数 | 割合 | 金額 | 割合 | 件数 | 割合 | 金額 | 割合 | |
調査 | 60 | 3.5 | 949 | 1.3 | 1,612 | 96.4 | 70,110 | 98.6 | 1,672 | 100 | 71,060 | 100 |
統計調査 | 5 | 7.6 | 48 | 0.4 | 60 | 92.3 | 10,272 | 99.5 | 65 | 100 | 10,320 | 100 |
研究 | 11 | 0.9 | 2,508 | 1.6 | 1,192 | 99.0 | 151,367 | 98.3 | 1,203 | 100 | 153,876 | 100 |
検討 | 6 | 1.3 | 71 | 0.3 | 454 | 98.6 | 20,347 | 99.6 | 460 | 100 | 20,418 | 100 |
合計 | 82 | 2.4 | 3,578 | 1.3 | 3,318 | 97.5 | 252,097 | 98.6 | 3,400 | 100 | 255,675 | 100 |
確定契約・概算契約別にみると、図4のとおり、確定契約では、競争契約の割合は件数で5.2%、金額で8.6%となっており、概算契約では競争契約は見受けられなかった。
図4 確定契約・概算契約別の契約方式の分類
(イ)契約相手方の状況
契約方式別に総件数に占める契約相手方の割合をみると、図5のとおりとなっている。
競争契約については、民間企業74.3%、公益法人25.6%となっているのに対し、随意契約については、公益法人46.4%、民間企業27.1%、独立行政法人等14.4%などとなっている。このように、競争契約の契約相手方は民間企業が多く、随意契約の契約相手方は公益法人が多くなっている。なお、公益法人が契約相手方となっている競争契約の内容をみると、「調査」17件、「統計調査」3件及び「研究」1件となっていて、このうち「調査」の主なものは、「世論・意識調査」及び「動向・実態調査」となっている。
図5 契約方式別の契約相手方の分類
随意契約を締結している3,318件について、随意契約としている理由をみると、表7のとおり、契約件数の98.2%、契約金額の99.2%が「契約の性質・目的が競争を許さない」ことを理由としているが、その具体的な内容は、契約相手方が高度な知識や専門性を有する唯一の者であるためなどとしている。
表7 随意契約としている理由の分類
(単位:件、百万円、%)
随意契約としている理由 | 件数 | 割合 | 金額 | 割合 |
国の行為を秘密にする | 18 | 0.5 | 708 | 0.2 |
競争に付したが落札者がいない | 6 | 0.1 | 97 | 0.0 |
契約の性質・目的が競争を許さない | 3,260 | 98.2 | 250,268 | 99.2 |
緊急の必要 | 1 | 0.0 | 18 | 0.0 |
競争に付すると不利 | 33 | 0.9 | 1,004 | 0.3 |
合計 | 3,318 | 100 | 252,097 | 100 |
(ウ)落札比率の状況
調査対象契約のうち、契約金額が契約締結時には確定していない概算契約を除く確定契約1,573件について、その契約方式別に契約金額の予定価格に対する割合(以下「落札比率」という。)をみると、表8のとおりとなっている。
調査研究事業における予定価格については、積算体系が確立している工事請負契約等と異なり、その妥当性を十分に検証できない面がある。したがって、一概に平均落札比率の高低をもって競争性を評価することはできないが、平均落札比率は競争契約で80.6%、随意契約で98.1%となっており、競争契約の方が随意契約に比べて平均落札比率が低くなっている。
表8 契約方式別の平均落札比率
(単位:件、%)
契約方式 | 契約件数 | 平均落札比率 |
競争契約 | 82 | 80.6 |
随意契約 | 1,491 | 98.1 |
合計 | 1,573 | 97.2 |
国が発注する調査研究事業について、契約の経済性、効率性及び公正性の確保の観点から競争契約の率を高めることは重要であるが、調査研究の内容によっては、競争契約を実施することが難しいものもあると考えられる。
こうした中で、近年、業者選定の公平性、透明性などの取組の一環として、複数の業者から仕様書案や企画書等を提出させるなどして、これらの内容や業務遂行能力が最も優れた者を選定する手続(以下「企画競争」という。)を経た上で、その者を契約相手方とする随意契約が増えている。
(ア)企画競争の実施状況
調査対象契約のうち随意契約3,318件、2520億余円について、企画競争を経ているものは、表9のとおり、529件、474億余円となっている。このうち、企画競争への参加者を公募により選定しているものは、454件、455億余円、参加者を限定して選定しているものは、75件、19億余円となっている。これを契約内容別にみると、「研究」においては、企画競争を経た随意契約を行っている割合が比較的高くなっているのに対し、「調査」、「統計調査」及び「検討」においては、その割合は低くなっている。
表9 企画競争の実施状況 | |
件数 | (単位:件、%) |
契約内容
\ 企画競争の有無
|
調査 | 統計調査 | 研究 | 検討 | 合計 | ||||||
件数 | 割合 | 件数 | 割合 | 件数 | 割合 | 件数 | 割合 | 件数 | 割合 | ||
随意契約(企画競争を実施していない) | 1,506 | 93.4 | 58 | 96.6 | 774 | 64.9 | 451 | 99.3 | 2,789 | 84.0 | |
随意契約(企画競争を実施している) | 公募している | 65 | 4.0 | − | − | 387 | 32.4 | 2 | 0.4 | 454 | 13.6 |
参加者を限定している | 41 | 2.5 | 2 | 3.3 | 31 | 2.6 | 1 | 0.2 | 75 | 2.2 | |
小計 | 106 | 6.5 | 2 | 3.3 | 418 | 35.0 | 3 | 0.6 | 529 | 15.9 | |
合計 | 1,612 | 100 | 60 | 100 | 1,192 | 100 | 454 | 100 | 3,318 | 100 |
契約内容
\ 企画競争の有無
|
調査 | 統計調査 | 研究 | 検討 | 合計 | ||||||
金額 | 割合 | 金額 | 割合 | 金額 | 割合 | 金額 | 割合 | 金額 | 割合 | ||
随意契約(企画競争を実施していない) | 67,860 | 96.7 | 10,257 | 99.8 | 106,221 | 70.1 | 20,319 | 99.8 | 204,658 | 81.1 | |
随意契約(企画競争を実施している) | 公募している | 1,507 | 2.1 | − | − | 43,992 | 29.0 | 19 | 0.0 | 45,519 | 18.0 |
参加者を限定している | 742 | 1.0 | 14 | 0.1 | 1,154 | 0.7 | 8 | 0.0 | 1,919 | 0.7 | |
小計 | 2,249 | 3.2 | 14 | 0.1 | 45,146 | 29.8 | 27 | 0.1 | 47,438 | 18.8 | |
合計 | 70,110 | 100 | 10,272 | 100 | 151,367 | 100 | 20,347 | 100 | 252,097 | 100 |
そして、前記(2)ア(イ)のとおり、随意契約全体においては、契約相手方は公益法人が多くなっているが、企画競争を経た場合の随意契約の相手方は、図6のとおり、競争契約の場合と同様に、公益法人に比べて民間企業の方が多くなっている。
図6 企画競争における契約相手方の分類
(イ)企画競争の実施方法
複数の業者を参加させた企画競争を実施することは、業者選定の公平性、透明性が高まったり、仕様書や成果物の質を向上させたりすることにつながると考えられる。
一方、企画競争については、調査研究事業の担当課(以下「担当課」という。)において実施されているのが通例であり、また、その実施方法も、担当課が契約ごとに要領等を定めて実施している場合とこれらを定めることなく実施している場合がある。
そこで、企画競争の実施方法及び実施体制についての現状をみると、次のとおりである。
〔1〕 契約担当課との関わり
企画競争における審査内容と契約担当課との関わりについてみると、図7のとおり、契約担当課も審査に参加しているものの割合は17.5%、契約担当課に審査内容・審査結果が書面で報告されているものの割合は33.0%、契約担当課に審査結果のみが書面で報告されているものの割合は45.5%、契約担当課に審査内容・審査結果が書面で報告されていないものの割合は3.7%となっている。
図7 企画競争における審査内容と契約担当課の関わり
〔2〕 審査する者の構成について
仕様書案や企画書等の審査には、専門的な知見が必要となる場合がある。そこで、第三者である外部専門家・外部有識者の専門的な知見を参考にして業者を選定しているかどうかについてみると、表10のとおり、外部専門家等が参加して審査を行っているものの割合は、「調査」では16.0%、「研究」では93.0%となっている。また、担当課及び契約担当課以外の職員が参加して審査を行っているものの割合は、「調査」では32.0%、「研究」では6.6%となっており、担当課の職員のみが審査を行っているものの割合は、「調査」では39.6%、「研究」では4.7%となっている。
表10 企画競争における審査を実施している者
(単位:件、%)
審査実施者
\ 契約内容
|
担当課職員 | 左のうち担当課職員のみ | 契約担当課職員 | 担当課及び契約担当課以外の職員 | 外部専門家・外部有識者 | その他 | 合計 | ||||||
件数 | 割合 | 件数 | 割合 | 件数 | 割合 | 件数 | 割合 | 件数 | 割合 | 件数 | 割合 | 件数 | |
調査 | 93 | 87.7 | 42 | 39.6 | 30 | 28.3 | 34 | 32.0 | 17 | 16.0 | − | − | 106 |
統計調査 | 2 | 100.0 | − | − | 2 | 100.0 | − | − | − | − | − | − | 2 |
研究 | 169 | 40.4 | 20 | 4.7 | 61 | 14.5 | 28 | 6.6 | 389 | 93.0 | 6 | 1.4 | 418 |
検討 | 3 | 100.0 | 3 | 100.0 | − | − | − | − | − | − | − | − | 3 |
合計 | 267 | 50.4 | 65 | 12.2 | 93 | 17.5 | 62 | 11.7 | 406 | 76.7 | 6 | 1.1 | 529 |
〔3〕 評価項目等の開示
仕様書案や企画書等の審査における評価項目及び評価点配分を事前に業者に開示することは、公正な競争のためには必要なことでもあると考えられることから、企画競争を実施する前に、評価項目、評価点配分等の審査事項等を応募者に事前に開示している割合をみると、表11のとおり、「調査」では24.5%、「研究」では44.2%となっている。
表11 評価項目等の開示状況
(単位:件、%)
契約内容 | 企画競争を実施しているもの | 左のうち評価項目等を開示しているもの | 開示率 |
調査 | 106 | 26 | 24.5 |
統計調査 | 2 | − | − |
研究 | 418 | 185 | 44.2 |
検討 | 3 | − | − |
合計 | 529 | 211 | 39.8 |
このように、企画競争については、その実施方法及び実施体制が区々となっているが、国の役務等の調達に当たっては競争契約が原則であることから、担当課が企画競争を実施しようとする場合においても、競争契約にできるかどうかの契約担当課の判断は重要と考えられる。また、企画競争における業者選定は担当課の判断に頼らざるを得ないとしても、契約事務を実際に行う契約担当課の関与により業者選定における透明性を担保することが必要である。
今後、企画競争を実施する場合には、担当課及び契約担当課における透明性及び審査体制の向上が重要な要素になるものと思料される。
国の契約は、原則として競争契約によることとされ、法令上随意契約が認められる場合でも安易に随意契約によることなく、契約金額等に応じて可能な限り競争契約の活用を図ることとされている。したがって、実態として随意契約が大宗を占めている調査研究事業に係る契約は、できる限り競争契約の拡大を図るべきである。また、競争契約が実施できない場合においても、当初から1者に限定することなく、複数の業者を参加させた企画競争を経た随意契約を行うなどして、実質的な競争性の拡大を図るべきものと考えられる。
そこで、調査研究事業に係る契約における競争性の拡大の可能性について検査した。
(ア)「調査」について
「調査」のうち、複数の府省等において、競争契約や企画競争を経た随意契約により実施されている「情報システム開発、運用等の調査」、「世論・意識調査」、「動向・実態等の調査」、「政府開発援助費に関する調査」及び「PFIの導入可能性等に関する調査」についてみると、以下のようになっていた。
〔1〕 情報システム開発、運用等の調査について
情報システム開発、運用等の調査の中には、システムの更新等を検討したり、既存システムの運用等の調査を実施したりするに当たり、安全性の確保を理由として、担当課が業務の遂行において信頼性を有すると判断した既存システムの開発業者などと随意契約を行っているものが見受けられた。
しかし、システムの開発、運用等の調査において、安全性の確保を必要とする場合であっても、他者との比較検討を十分行わないまま随意契約を行うことは、契約の透明性及び公正性に欠けることになるおそれがあるため、仕様書等を安全性が保たれるような内容にしたり、信頼性を有する業者の把握に努めることにより、競争契約を行うことの検討が必要であると思料される。
〔2〕 世論・意識調査について
世論・意識調査についてみると、アンケートなどにより国民等の意識調査を実施しその結果を分析する内容となっているものが多くなっている。そして、これらの調査の中には、仕様書等で調査目的に応じた調査客体の抽出方法、調査方法等を具体的に提示しているため、履行可能な業者が複数になると判断し競争契約を行っているものが見受けられた。
一方、同種の世論・意識調査において随意契約を行っているものも見受けられたが、これらについても、仕様書等で調査客体の抽出方法、調査方法等が具体的に提示されているものはもとより、それがなされていないものに関しても具体的に提示できるよう努めることなどにより、競争契約を行うことの検討が必要であると思料される。
〔3〕 動向・実態等の調査について
動向・実態等の調査についてみると、種々の分野において、現状を把握・分析し今後の施策等のための基礎資料とするものが多くなっている。そして、これらの調査の中には、仕様書等で調査目的に応じた調査項目、調査方法等を具体的に提示することにより、履行可能な業者が複数になると判断し競争契約を行っているものが見受けられた。
一方、同種の動向・実態等の調査において随意契約により実施しているものも見受けられたが、これらについても、仕様書等で調査項目、調査方法等を具体的に提示できるものについては競争契約を行うことの検討が必要であると思料される。
〔4〕 政府開発援助費に関する調査について
政府開発援助費に関する調査についてみると、競争契約を行っているものや、企画競争を経た随意契約を行っているものが見受けられたが、一方では、契約相手方が専門分野において海外事情に精通していること、長年にわたって実績があるため信頼性を有していることなどを理由として企画競争によらない随意契約を行っているものも見受けられた。
しかし、政府開発援助の調査においては、各府省等や援助実施機関から多数発注がなされていて、十分な調査能力を有する業者も多数存在すると考えられることから、特定の者に限定することなく、競争契約を行ったり、企画競争を経た随意契約を行ったりすることの検討が必要であると思料される。
〔5〕 PFIの導入可能性等に関する調査について
PFIの導入可能性等に関する調査についてみると、企画競争を経た随意契約を行っているものが1件見受けられたが、そのほかは企画競争によらない随意契約となっていた。しかし、PFI事業は、民間企業の資金、経営能力及び技術的能力を活用し、その自主性と創意工夫で実施するものであるから、これらの調査についても、競争契約によることができないものについては、民間企業等からの様々な発案を積極的に取り上げるために企画競争を経た随意契約を行うことの検討が必要であると思料される。
(イ)「研究」について
「研究」についてみると、前記(2)イ(ア)のとおり、企画競争を経た随意契約を行っているものが他の契約内容と比べて多いものの、過去の研究実績等に基づき企画競争によらない随意契約を締結しているものも多数見受けられた。「研究」では、「調査」よりも発注者である国が仕様書等の内容等を具体的に提示することが困難な面が多いことから、複数の者から実施計画書等を提出させ、その中から最も優れたものを選定することは、質の高い成果物を取得するためには効果的であると考えられる。したがって、「研究」において、国が仕様書等を具体的に提示できず競争契約によることができないものについては、企画競争を経た随意契約を行うことの検討が必要であると思料される。
(ウ)仕様書等の内容等と競争性の拡大の可能性
(ア)で記述したとおり、競争契約を行うためには、国が仕様書等の内容を具体的に提示するなどして複数の業者が入札に参加できるようにすることが重要な要素と考えられる。
しかし、具体的な仕様書等を作成すると事務量が増加するなどの理由から、その検討を十分に行うことなく、随意契約により発注する場合も考えられるが、府省等の中には、要求する調査目的が達成可能な範囲内で仕様書等の調査内容、調査方法等をできる限り一般的、具体的なものにすることで、競争契約を行っているものも見受けられた。
(エ)継続契約に係る競争性の拡大の可能性
継続契約の中には、毎年度、企画競争によらず、同一の者と随意契約を行っているものが多く見受けられる。
しかし、長期間にわたり、継続して企画競争によらない随意契約を行ってきたものの中に、14年度において一般競争や企画競争を実施したところ、複数の業者が入札又は応募してきたものが見受けられた。このように、継続契約についても、年数の経過とともに他の業者にも知識の蓄積などが行われ、競争契約や企画競争を経た随意契約が可能なものもあると思料される。
(オ)委託契約における競争の可能性
調査研究事業を委託契約により実施する場合に、担当課で把握している業者と過去に契約実績があるという理由から随意契約を行っているものが見受けられる。
しかし、担当課で把握している業者だけでなく、自府省等の他の部署や他府省等における契約実例を調査するなど履行が可能な他の業者の把握に努め、競争性の確保について更に検討が必要であると思料される。
以上のように、国が発注している調査研究事業の競争契約の割合は極めて低いが、競争契約の経済的効果は落札比率の状況からもうかがえる。そのため、発注者側でも仕様書等ができる限り一般的、具体的なものになるように工夫するなどし、競争契約に移行する努力が必要であり、また、競争契約が困難なものについても、成果物の質の向上を図るなどのために企画競争を経た随意契約の可否を検討することが望ましい。