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  • 平成15年度|
  • 第6章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第2節 歳入歳出決算等検査対象別の概要|
  • 第7 政府関係機関及びその他の団体|
  • 2 国が資本金の2分の1以上を出資している法人の決算|
  • [2]独立行政法人の決算

独立行政法人福祉医療機構


(15)独立行政法人福祉医療機構

 この独立行政法人は、次の業務を行うことにより、福祉の増進並びに医療の普及及び向上を図ることを目的として設置されているものである。

(ア)社会福祉事業施設及び病院、診療所等の設置等に必要な資金の融通
(イ)社会福祉事業施設及び病院、診療所等に関する経営指導
(ウ)社会福祉事業に関する必要な助成
(エ)社会福祉施設職員等退職手当共済制度の運営
(オ)心身障害者扶養保険事業の実施
(カ)厚生年金保険、船員保険又は国民年金の年金受給権を担保とした小口資金の貸付け

 その資本金は15事業年度(注1) 末現在で2855億3482万余円(全額国の出資)となっている。
 同法人の会計は、一般、長寿・子育て・障害者基金、共済、保険及び年金担保貸付の勘定に区分して経理されている。
 なお、同法人は、15年10月1日、独立行政法人福祉医療機構法(平成14年法律第166号)附則第2条の規定により国が承継する資産を除き解散した社会福祉・医療事業団(注2) の一切の権利及び義務を承継して設立されたものである。
 同法人の勘定別の15事業年度の貸借対照表、損益計算書及び主な業務実績は次のとおりである。

(注1)  独立行政法人福祉医療機構の15事業年度は、15年10月1日から16年3月31日までである。
(注2)  社会福祉・医療事業団の15年9月30日現在における貸借対照表上の資産は3兆6453億3401万余円、負債は3兆3493億8943万余円及び資本は2959億4458万余円である。

(一般勘定)

 この勘定は、社会福祉事業施設を設置し又は経営する社会福祉法人等に対する社会福祉事業施設の設置、整備又は経営に必要な資金の貸付け、病院、診療所、介護老人保健施設等を開設する個人、医療法人等に対する病院等の設置、整備又は経営に必要な資金の貸付け等の事業に関する経理を行うものである。

1 貸借対照表

区分 15事業年度末
  千円
資産 3,049,233,268
(うち長期貸付金) (3,035,011,479)
(うち貸倒引当金) (△8,738,189)
負債 3,044,305,838
(うち長期借入金) (2,969,919,429)
(うち資産見返負債) (92,833)
資本 4,927,430
(うち資本金) (5,534,827)
(うち資本剰余金) (△163,761)(注3)

(注3) 損益外減価償却累計額分である。

2 損益計算書

区分 15事業年度
  千円
 経常費用 42,212,070
 (うち借入金利息) (37,620,749)
 経常収益 41,768,435
 (うち運営費交付金収益) (2,092,750)
 (うち福祉医療貸付事業収入) (32,233,388)
 当期純損失 443,635
 当期総損失 443,635
(損失の処理)  
 (当期未処理損失)  
  当期総損失 443,635
 (損失処理額) (−)
 (次期繰越欠損金)  
  次期繰越欠損金 443,635

3 主な業務実績

区分 15事業年度
貸付け 件数 1,312件
  金額 226,500,000千円
貸付金回収等 金額 159,206,853千円
(うち貸付金償却)   (1,192,167千円)
事業年度末貸付金残高 件数 23,698件
  金額 3,035,011,479千円
  上記貸付金残高の独立行政法人会計基準による分類  
   一般債権 3,011,443,420千円
   貸倒懸念債権 11,276,296千円
   破産更生債権等 12,291,763千円
貸倒引当金 8,738,189千円
 貸倒引当金は、一般債権については予想損失率等を、貸倒懸念債権及び破産更生債権等については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上している。

(長寿・子育て・障害者基金勘定)

〔この勘定は、社会福祉事業を行う事業者に対する助成等の事業に関する経理を行うものである。〕

1 貸借対照表

区分 15事業年度末
  千円
資産 282,374,665
(うち投資有価証券等) (280,164,905)
負債 407,136
(うち退職給付引当金) (387,772)
資本 281,967,528
(うち資本金) (280,000,000)

2 損益計算書

区分 15事業年度
  千円
 経常費用 2,081,115
 (うち社会福祉事業振興事業費) (1,877,187)
 経常収益 2,161,700
 (うち基金事業運用収入) (2,129,101)
 臨時利益 11,580
 当期純利益 92,165
 当期総利益 92,165
(利益の処分)  
 (当期未処分利益)  
  当期総利益 92,165
 (利益処分額)  
  独立行政法人通則法第44条第3項により主務大臣の承認を受けようとする額  
   助成業務積立金 92,165

3 主な業務実績

区分 15事業年度
社会福祉振興事業の助成 件数 242事業
  金額 1,602,203千円
調査研究等事業の委託 件数 2事業
  金額 85,789千円

(共済勘定)

 この勘定は、社会福祉施設職員等退職手当共済法(昭和36年法律第155号)に基づく退職手当金の支給等の事業に関する経理を行うものである。

1 貸借対照表

区分 15事業年度末
  千円
資産 621,856
負債 5,566,149
(うち短期借入金) (4,944,293)
(うち資産見返負債) (1,034)
資本 △4,944,293

2 損益計算書

区分 15事業年度
  千円
 経常費用 23,594,355
 (うち退職手当給付金) (23,338,072)
 経常収益 9,427,496
 (うち運営費交付金収益) (254,060)
 (うち補助金等収益) (9,076,772)
 臨時損失 96,365
 臨時利益 9,318,931
 当期純損失 4,944,293
 当期総損失 4,944,293
(損失の処理)  
 (当期未処理損失)  
  当期総損失 4,944,293
 (損失処理額) (−)
 (次期繰越欠損金)  
  次期繰越欠損金 4,944,293

3 主な業務実績

区分 15事業年度
退職手当金支給者数 23,756人
退職手当金支給額 23,338,072千円

(保険勘定)

 この勘定は、地方公共団体が心身障害者扶養共済制度の加入者に対して負う共済責任を保険する等の事業に関する経理を行うものである。

1 貸借対照表

区分 15事業年度末
  千円
資産 42,885,986
(うち金銭の信託) (42,883,728)
負債 79,818,971
(うち資産見返負債) (224)
(うち心身障害者扶養保険責任準備金) (79,816,713)
資本 △36,932,985

2 損益計算書

区分 15事業年度
  千円
 経常費用 11,720,437
 (うち心身障害者扶養保険業務費) (11,720,186)
 経常収益 16,344,248
 (うち運営費交付金収益) (38,590)
 (うち心身障害者扶養保険事業収入) (16,305,649)
 臨時損失 6,038,681
 当期純損失 1,414,870
 当期総損失 1,414,870
(損失の処理)  
 (当期未処理損失) (36,932,985)
  当期総損失 1,414,870
  前期繰越欠損金 35,518,114
 (損失処理額) (−)
 (次期繰越欠損金)  
  次期繰越欠損金 36,932,985

3 主な業務実績

区分 15事業年度
新規加入者数 836人
新規年金受給者数 908人
保険対象加入者数 98,576人
年金給付保険金支払対象障害者数 37,854人
死亡・障害保険金額 3,305,000千円
年金給付保険金額 4,577,370千円

(年金担保貸付勘定)

 この勘定は、厚生年金保険、船員保険又は国民年金の年金給付の受給権者に対する、その受給権を担保とした小口の資金の貸付け等の事業に関する経理を行うものである。

1 貸借対照表

区分 15事業年度末
  千円
資産 223,757,752
(うち長期貸付金) (215,862,640)
(うち貸倒引当金) (△222,764)
負債 223,900,174
(うち長期借入金) (178,184,689)
(うち資産見返負債) (15,141)
資本 △142,421
(うち資本剰余金) (△901)(注4)

(注4) 損益外減価償却累計額分である。

2 損益計算書

区分 15事業年度
  千円
 経常費用 1,172,304
 (うち借入金利息) (284,697)
 経常収益 1,130,981
 (うち運営費交付金収益) (99,759)
 (うち年金担保貸付事業収入) (1,029,595)
 当期純損失 41,322
 当期総損失 41,322
(損失の処理)  
 (当期未処理損失) (141,520)
  当期総損失 41,322
  前期繰越欠損金 100,197
 (損失処理額) (−)
 (次期繰越欠損金)  
  次期繰越欠損金 141,520

3 主な業務実績

区分 15事業年度
貸付け 件数 102,862件
  金額 118,206,550千円
貸付金回収等 金額 116,048,937千円
(うち貸付金償却)   (21,879千円)
事業年度末貸付金残高 件数 299,105件
  金額 215,862,640千円
  上記貸付金残高の独立行政法人会計基準による分類  
   一般債権 215,674,312千円
   貸倒懸念債権 45,549千円
   破産更生債権等 142,777千円
貸倒引当金 222,764千円
 貸倒引当金は、一般債権については予想損失率等を、貸倒懸念債権及び破産更生債権等については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上している。

(備考)前記の財務諸表は、平成16年10月29日現在のものである。