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  • 平成16年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第8 厚生労働省|
  • 不当事項|
  • 補助金(45)—(201)

介護保険事業費補助金が過大に交付されているもの


(142)介護保険事業費補助金が過大に交付されているもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)厚生労働本省 (項)介護保険推進費
部局等の名称 厚生労働本省
補助の根拠 予算補助
補助事業者
(事業主体)
社団法人国民健康保険中央会
補助事業 保険者機能強化特別対策事業
補助事業の概要 介護サービスの適正な提供・利用のための指導等を行う市町村等の保険者等に対して介護費用適正化特別対策給付金の交付などを行うもの
上記に対する国庫補助金交付額 9,221,593,000円 (平成15年度)
不当と認める国庫補助金交付額 2,205,000円 (平成15年度)

1 補助金の概要

 介護保険事業費補助金(以下「国庫補助金」という。)は、介護保険制度の円滑な施行に資することを目的として、社団法人国民健康保険中央会(以下「中央会」という。)が行う介護保険事業関係業務に要する費用を国が補助するものである。
 中央会では、介護保険事業関係業務のうち介護サービスの適正な提供・利用のための指導等を行う市町村等の保険者等に対して必要な経費を補助するなどのために、保険者機能強化特別対策事業(以下「特別対策事業」という。)を行っている。この特別対策事業に係る国庫補助金の交付額は、厚生労働大臣が必要と認めた額である基準額と補助対象となっている経費の実支出額とを比較して少ない方の額を選定し、この額と総事業費から寄付金その他の収入額を控除した額とを比較して少ない方の額とすることとなっている。そして、中央会では、平成15年度に特別対策事業を9,221,593,657円で実施したとして、この額と基準額9,221,593,000円を比較するなどして、国から国庫補助金9,221,593,000円の交付を受けている。
 特別対策事業には、市町村等の保険者等が行う介護費用適正化特別対策事業(以下「適正化事業」という。)に対して給付金を交付する介護費用適正化特別対策給付金交付事業があり、この交付額は、1保険者等ごとの基準額(10,000,000円)と当該事業を実施するために必要な経費(以下「給付対象経費」という。)とを比較して少ない方の額を選定することにより算定することとなっている。ただし、給付対象経費が基準額を超える場合は、予算の範囲内で給付対象経費以内の額とすることができることとなっている。
 そして、中央会では、沖縄県糸満市が15年度に適正化事業として実施した介護保険給付適正化対策事業システムの購入経費5,775,000円、その保守経費2,205,000円等の計13,008,000円に対して、同額の給付金を交付している。

2 検査の結果

 検査したところ、同市では、上記システムの保守契約について、その保守期間を16年3月16日から21年3月31日まで(支払対象期間は16年4月から21年3月まで)としていた。
 しかし、本件特別対策事業は15年度の国庫補助事業であることから、上記の保守契約に基づく16年度から20年度までの5年分の保守経費2,205,000円は補助の対象とはならないものである。
 したがって、国庫補助金の交付の対象とするべき適正な給付金の額は10,803,000円となって、これを基に中央会に対する適正な国庫補助金額を算定すると9,219,388,000円となり、交付額9,221,593,000円との差額2,205,000円が過大となっていて、不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、中央会において糸満市から提出された事業実施報告書の審査が十分でなかったことなどによると認められる。