会計名及び科目 | 石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計 |
(石油及びエネルギー需給構造高度化勘定) | |
(項)エネルギー需給構造高度化対策費 | |
部局等の名称 | 資源エネルギー庁 |
補助の根拠 | 予算補助 |
補助事業者 (事業主体) |
財団法人省エネルギーセンター |
補助事業 | 省エネルギー設備等導入促進情報公開対策等事業 |
補助事業の概要 | 省エネルギーセンターが総合エネルギー展を開催し省エネルギー・新エネルギー機器・技術等についての情報提供などを行うもの |
上記事業のうち総合エネルギー展の開催に係る国庫補助金交付額 | 4億2990万余円 | (平成15、16両年度) |
低減できた国庫補助金交付額 | 3368万円 |
1 補助事業の概要
資源エネルギー庁では、財団法人省エネルギーセンター(以下「センター」という。)が行う省エネルギー設備等導入促進情報公開対策等事業に対し、新エネルギー・省エネルギー設備導入促進指導事業費補助金(以下「補助金」という。)を交付している。この補助金は、エネルギーの使用合理化のための設備等の導入を促進し、エネルギー資源の有効利用の確保と国民経済の健全な発展に資することを目的として交付されるものである。
センターでは、上記事業の一環として、総合エネルギー展(以下「ENEX」という。)を東京、大阪両会場において開催している。この展示会場は、センターの出展募集に応じて参加した企業等が自社の省エネルギー・新エネルギー機器・技術等を展示して広報及び情報提供を行う出展者コーナーと、センターが中心となり省エネ大賞・新エネ大賞などを受賞した機器、システム、優秀事例等を展示する主催者コーナーから構成されており、双方が一体となって来場者等に対し省エネルギー・新エネルギー機器・技術等についての情報提供などを行っている。
そして、この開催経費に係る補助金の交付額は、平成15年度2億2560万余円、16年度2億0429万余円、計4億2990万余円に上っている。
2 検査の結果
ENEXは毎年度開催されており、上記のとおり交付される補助金も多額に上っている。また、その出展企業等も多数に上っており、省エネルギー・新エネルギーへの取組が重要性を増している中で、ENEXへの注目度もますます高まっている。
そこで、補助金の交付対象となっているENEXの開催経費が適正なものとなっているかなどに着眼して検査した。
検査したところ、次のような事態が見受けられた。
センターでは、補助事業の実績報告書において、ENEXの開催経費として、事業費、人件費、旅費等を計上している。この事業費の中には、出展者コーナー及び主催者コーナーに係る基礎小間(注)
設営費、電気工事費等の会場設営費として、15年度3361万余円、16年度3586万余円、計6947万余円が計上されており、センターではこの額に相当する補助金の交付を受けている。
センターでは、出展者コーナーのうち利用する小間の数に応じて企業等から参加料(以下「小間料」という。)を徴収しており、その徴収額は15年度6803万余円、16年度9449万余円、計1億6253万余円となっている。
この小間料の中には、センターが定めた出展要項によると、出展者コーナーに係る基礎小間設営費、電気工事費等が含まれるとされていて、これは補助対象経費とされている会場設営費と同じものである。
上記のように、センターでは、出展者コーナーに係る会場設営費を含んだ小間料を出展企業等から徴収していて、当該会場設営費に係るセンターの費用負担は生じていないにもかかわらず、出展者コーナーに係る会場設営費をENEXの開催経費に含めて補助金の交付を受けていた。
したがって、出展者コーナーに係る会場設営費を補助対象経費とするのは適切でなく改善の必要があると認められた。
会場設営費に展示会場の面積に対する出展者コーナーの面積の比率を乗じて出展者コーナーに係る会場設営費を算定すると、15年度1409万余円、16年度1959万余円、計3368万余円となり、国庫補助金交付額を同額低減できたと認められた。
このような事態が生じていたのは、センターにおいてENEXの開催経費の適正な取扱いに対する認識が十分でなかったことにもよるが、資源エネルギー庁においてENEXの開催経費のうち会場設営費の取扱いに係る明確な方針を定めるなどの措置を執っていなかったことなどによると認められた。
3 当局が講じた改善の処置
上記についての本院の指摘に基づき、資源エネルギー庁では、17年9月にセンターに対して通知を発し、ENEXの開催経費のうち会場設営費を主催者コーナーと出展者コーナーに区分し、出展者コーナーに係る会場設営費は補助対象外とすることとし、17年度から適用することとする処置を講じた。