会計名及び科目 | 一般会計 (組織)海上保安庁 (項)海上保安官署 |
部局等の名称 | 第三管区海上保安本部 |
契約名 | 海上交通情報処理システム装置(東京湾)保守委託 |
契約の概要 | 海上交通情報処理システムを構成する機器の保守作業を行わせるもの |
契約額 | 8,002,260円 |
契約の相手方 | 株式会社沖電気カスタマアドテック |
契約 | 平成16年4月 随意契約 |
割高になっている契約額 | 3,598,560円 |
1 契約の概要
第三管区海上保安本部(以下「本部」という。)では、東京湾における船舶交通の安全を確保するため、東京湾海上交通センターに海上交通情報処理システム(以下「システム」という。)を設置して運用している。
このシステムは、航行船舶の航路、入航予定時刻等を入力して管理する情報管理装置2台、入力したデータを一覧表示するキャラクターディスプレイ装置8台、レーダーで得られた航行船舶の動きをコンピュータ処理するレーダー映像合成装置2台、航行船舶の動きを図形化し表示するグラフィックディスプレイ装置8台等の機器から構成されている。
そして、上記機器のうちグラフィックディスプレイ装置については、平成12年12月に「1974年の海上における人命の安全のための国際条約」(昭和55年条約第16号)が改正され、一定の要件に該当する船舶には14年7月から20年7月までの間に順次船舶自動識別装置の搭載が義務付けられることから、これに対応するため、16年2月から3月までの間に機器の改修工事を実施している。
本部では、16年度に、システムを構成する機器の定期点検、故障時における復旧といった保守作業を、株式会社沖電気カスタマアドテックに契約額8,002,260円で委託して行わせている。
委託に当たっては、グラフィックディスプレイ装置は改修工事を実施した直後であるため定期点検等を行う必要はないと判断して保守作業の対象から除外し、それ以外の情報管理装置、キャラクターディスプレイ装置、レーダー映像合成装置等を保守作業の対象にすることとして仕様書を作成している。そして、この仕様書等を基に保守作業費の予定価格を8,002,260円と積算し、同額で契約している。
2 検査の結果
検査したところ、上記保守作業費の予定価格には、誤って、仕様書において保守作業の対象とされていないグラフィックディスプレイ装置の1台当たりの年間保守単価520,800円に保有台数8台を乗じた保守作業費4,166,400円が計上されていた。
このような事態が生じていたのは、本部において、保守作業費の予定価格の積算に当たり、仕様書の内容と積算内容との照合及び審査が十分でなかったことによると認められる。
上記により、本件保守作業費を修正計算すると、積算過小となっていたキャラクターディスプレイ装置に係る年間保守費739,200円を考慮しても4,403,700円となり、本件契約額8,002,260円はこれに比べて3,598,560円割高になっていて不当と認められる。