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  • 平成17年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第7 厚生労働省|
  • 不当事項|
  • 予算経理

物品の購入等に当たり、契約した物品が納入されていないのに納入されたこととして虚偽の内容の関係書類を作成するなどの不適正な会計経理を行い、庁費等を支出していたもの


(19)—(65)物品の購入等に当たり、契約した物品が納入されていないのに納入されたこととして虚偽の内容の関係書類を作成するなどの不適正な会計経理を行い、庁費等を支出していたもの

会計名及び科目
一般会計
(組織)都道府県労働局
(項)都道府県労働局
(項)都道府県労働局施設費
(項)厚生労働統計調査費
平成11年度以前は、
 
 
(組織)労働保護官署
(項)労働保護官署
(項)労働統計調査費
平成12年度は、
 
 
 
 
(組織)都道府県労働局
(項)都道府県労働局
(項)労働官署
(項)労働官署施設費
(項)労働統計調査費
労働保険特別会計
(労災勘定)
(項)業務取扱費
(項)施設整備費
(項)労働福祉事業費
(雇用勘定)
(項)業務取扱費
(項)施設整備費
(項)雇用安定等事業費
(徴収勘定)
(項)業務取扱費
部局等の名称
北海道労働局ほか46労働局(平成11年度以前は都道府県、都道府県労働基準局及び都道府県女性少年室)
不適正な会計経理により支出された経費の概要
物品の購入等に係る庁費等
不適正な会計経理により支出した金額
2,705,188,073円(平成11年度〜16年度)

1 物品の購入等に係る会計経理の概要

 都道府県労働局(平成11年度以前は都道府県、都道府県労働基準局及び都道府県女性少年室。以下「労働局」という。)は、労働者の働く環境の整備及び職業の確保を図ることなどを任務としており、その一環として、事業場に対する監督指導、職業紹介、高年齢者の雇用の確保等の業務を行っている。そして、その所掌事務の一部については、管下の公共職業安定所及び労働基準監督署(以下、これらを「安定所等」という。)に行わせている。
 労働局では、上記業務の実施に当たり、一般会計並びに労働保険特別会計の労災勘定、雇用勘定及び徴収勘定において毎年度多額の予算を執行している。このうち、業務で使用する消耗品、備品等の物品の購入、パンフレット等の印刷物の作成等(以下「物品の購入等」という。)に係る経費については庁費等の予算科目から支出している。
 労働局の物品の購入等に係る契約、支払等の会計事務手続は、会計法(昭和22年法律第35号)、予算決算及び会計令(昭和22年勅令第165号)等の会計法令等に基づき、総務部総務課又は会計課において、おおむね次のとおり行われることとなっている。
〔1〕 物品管理官(総務課長又は会計課長)は、労働局の各課室から物品の取得要求を受けたときは、在庫を確認し、所要の品目、規格、数量等を明らかにした上、支出負担行為担当官(総務部長)に取得措置請求を行う。
〔2〕 支出負担行為担当官は、競争契約による場合は入札、随意契約による場合は複数の業者から見積書を提出させ見積合わせを行うなどした上、契約業者を決定し、支出負担行為決議を行って契約を締結する。
〔3〕 支出負担行為担当官は、上記の契約が適正に履行されたかを確認するため、自ら又は補助者として委任した検査職員に命じて、納入された物品の品目、規格、数量、納品時期等について、契約書、仕様書等に基づき、必要な検査(以下「検収」という。)を行う。
〔4〕 支出官(労働局長)は、業者から代金の支払請求を受けたときは、上記の検収が適正に行われたことを確認の上、請求書等に基づき支出決議を行い、業者に代金を支払う。
 また、労働局管下の安定所等では、労働局から前渡資金の交付を受け、物品の購入等に係る経費の支払を行っている。

2 検査の結果

(1)検査の対象及び方法

 全国の47労働局(管下の安定所等を含む。以下同じ。)が11年度から16年度までの間に支出した物品の購入等に係る庁費等を対象として、支出等の会計事務手続が会計法令等に基づき適正に行われているかについて、労働局保管の物品取得伺、契約書、見積書・請求書、支出決議書等により検査した。
(本件の検査の背景等については別掲特定検査対象に関する検査状況参照

(2)検査の結果

 検査したところ、47労働局すべてにおいて、契約した物品が納入されていないのに納入されたこととして虚偽の内容の関係書類を作成するなどの不適正な会計経理を行い、庁費等を支出していたものが、計8,464件、2,705,188,073円あった。
 これを態様別に示すと、次のとおりである。

ア 契約した物品とは異なる物品を納入させていたのに、契約した物品が納入されたこととするなどして支出していたもの

39労働局 5,206件 529,090,721円

(ア)業者に架空取引を指示するなどして、契約した物品が納入されていないのに納入されたこととし、虚偽の内容の関係書類を作成するなどして庁費等を支出し、当該支出金を業者に預け金として保有させ、後日これを利用して契約した物品とは異なる物品を納入させるなどしていたもの

(30労働局 2,694件 332,182,472円)

(イ)支出負担行為等の正規の会計処理を行わないまま、随時、業者に物品を納入させた上、後日、納入された物品とは異なる物品の請求書等を提出させ、これらの物品が納入されたこととして虚偽の内容の関係書類を作成するなどし、庁費等から購入代金を一括して支払うなどしていたもの

(30労働局 2,356件 175,674,788円)

(ウ)業者に虚偽の請求書等を提出させ、契約した物品が納入されていないのに納入されたこととし、虚偽の内容の関係書類を作成するなどして庁費等を支出し、契約した物品とは異なる別の物品に差し替えて納入させるなどしていたもの

(20労働局 156件 21,233,461円)

イ 契約した物品が納入される前に、これらが納入されたこととし、関係書類に虚偽の検収日付を記載するなどし、庁費等を支出していたもの

46労働局 3,258件 2,176,097,352円
(うち納入が翌年度以降になったもの  46労働局 2,721件1,814,637,422円)

 上記の事態は、47労働局において、会計法令等に違反し、契約した物品が納入されていないのに納入されたこととして虚偽の内容の関係書類を作成するなどの不適正な会計経理を行い庁費等を支出していたもので、不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、厚生労働本省(13年1月5日以前は労働本省)において、各労働局に対する会計経理の適正化についての指導監督等が著しく欠如していたこと、労働局において、物品の購入等に係る会計処理に当たり、会計法令等に基づき検収を適正に行っていなかったこと及び会計法令等を遵守することの認識が著しく欠如していたことなどによると認められる。
 これを労働局別に示すと、次のとおりである。

 
労働局名
年度
件数
不適正な会計経理により支出した金額
摘要
 
 
 
 
(19)
北海道
11〜16
554
202,198,070
ア(ア)、(イ)、イ
(20)
青森
11〜16
37
22,456,109
ア(ア)、イ
(21)
岩手
11〜16
321
43,137,729
ア(ア)、(イ)、イ
(22)
宮城
11〜16
84
84,425,738
(23)
秋田
11〜15
60
80,056,931
ア(ア)、(イ)、(ウ)、イ
(24)
山形
11〜16
49
42,430,435
ア(イ)、イ
(25)
福島
11〜16
782
88,669,972
ア(ア)、(イ)、(ウ)、イ
(26)
茨城
11〜16
994
150,648,709
ア(ア)、(イ)、イ
(27)
栃木
11〜15
31
36,096,682
ア(イ)、イ
(28)
群馬
11〜16
275
31,177,854
ア(ア)、(イ)、(ウ)、イ
(29)
埼玉
11〜15
197
261,925,664
ア(ア)、(ウ)、イ
(30)
千葉
11〜16
519
144,399,460
ア(ア)、(イ)、イ
(31)
東京
11〜15
74
139,959,847
ア(ウ)、イ
(32)
神奈川
11〜16
335
128,693,877
ア(ア)、(イ)、イ
(33)
新潟
11〜13、15、16
24
29,548,296
(34)
富山
13〜15
38
15,822,870
(35)
石川
11〜16
241
59,416,875
ア(ア)、(イ)、(ウ)、イ
(36)
福井
11〜16
99
14,474,702
ア(ア)、(イ)、イ
(37)
山梨
11〜15
105
56,035,096
ア(ア)、イ
(38)
長野
11〜16
391
184,495,250
ア(ア)、(イ)、(ウ)、イ
(39)
岐阜
12〜16
47
5,551,479
ア(ア)、(イ)、イ
(40)
静岡
11〜16
142
157,680,889
ア(ア)、(イ)、(ウ)、イ
(41)
愛知
11〜16
93
30,550,037
ア(イ)、(ウ)、イ
(42)
三重
11〜16
643
121,099,359
ア(ア)、(イ)、イ
(43)
滋賀
11〜16
46
19,435,926
ア(ア)、(ウ)、イ
(44)
京都
11〜15
55
24,469,448
ア(イ)、イ
(45)
大阪
11〜15
319
25,459,108
ア(イ)
(46)
兵庫
11〜16
128
20,749,606
ア(ア)、(イ)、(ウ)、イ
(47)
奈良
11〜15
33
23,658,659
ア(ウ)、イ
(48)
和歌山
11〜16
321
36,875,051
ア(ア)、(イ)、(ウ)、イ
(49)
鳥取
11〜15
53
21,307,449
ア(ア)、(イ)、イ
(50)
島根
11〜16
181
66,920,527
ア(ア)、(イ)、イ
(51)
岡山
11〜16
317
42,919,799
ア(ア)、(イ)、(ウ)、イ
(52)
広島
14、16
8
125,464
(53)
山口
11〜16
37
22,210,054
ア(ア)、(イ)、(ウ)、イ
(54)
徳島
11〜15
112
32,376,042
ア(ア)、(イ)、(ウ)、イ
(55)
香川
11〜16
139
42,418,063
ア(ア)、(イ)、イ
(56)
愛媛
11〜15
57
22,684,106
(57)
高知
11〜14
10
4,051,355
ア(ウ)、イ
(58)
福岡
12〜14
21
7,407,482
(59)
佐賀
11〜16
246
68,088,913
ア(ア)、(イ)、イ
(60)
長崎
11〜15
28
14,029,003
(61)
熊本
11〜15
48
12,373,547
ア(ア)、(イ)、(ウ)、イ
(62)
大分
12〜14
22
11,895,030
(63)
宮崎
11〜15
86
9,623,971
ア(ア)、(イ)、イ
(64)
鹿児島
12〜15
16
4,201,604
ア(ア)、(ウ)、イ
(65)
沖縄
11〜15
46
40,955,936
ア(ウ)、イ
(19)—(65) の計
8,464
2,705,188,073
 

 件数は重複しているものがある。