会計名及び科目
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一般会計
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(組織)都道府県労働局
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(項)都道府県労働局
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(項)厚生労働統計調査費
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平成11年度以前は、
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(組織)労働保護官署
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(項)労働保護官署
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(項)労働統計調査費
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(組織)職業安定官署
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(項)職業安定官署
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平成12年度は、
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(組織)都道府県労働局
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(項)都道府県労働局
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(項)労働官署
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(項)労働統計調査費
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労働保険特別会計
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(労災勘定)
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(項)業務取扱費
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(項)労働福祉事業費
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(雇用勘定)
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(項)業務取扱費
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(項)施設整備費
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(項)雇用安定等事業費
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(徴収勘定)
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(項)業務取扱費
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部局等の名称
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宮城労働局ほか17労働局(平成11年度以前は県、県労働基準局及び県女性少年室)
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不正に支出された経費等の概要
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(1) 物品の購入等に係る庁費等
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(2) 相談員等に対する謝金等
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不正行為による損害金の種類
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(3) 職員等に対する旅費
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(4) 職員に対する超過勤務手当
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(5) 前渡資金
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不当と認められる金額
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(1) 物品の購入等に係る庁費等の不正支出額
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38,632,961円
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(平成9年度〜15年度)
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(2) 謝金等の不正支払額
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48,552,353円
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(平成11年度〜16年度)
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(3) 旅費の不正支払額
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100,208,665円
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(平成10年度〜16年度)
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(4) 超過勤務手当の不適正支給額
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117,458,706円
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(平成11年度〜16年度)
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(5) 国庫金の領得による損害額
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3,951,227円
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(平成11年度)
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計
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308,803,912円
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都道府県労働局(平成11年度以前は都道府県、都道府県労働基準局及び都道府県女性少年室。以下「労働局」という。)は、労働者の働く環境の整備及び職業の確保を図ることなどを任務としており、その一環として、事業場に対する監督指導、職業紹介、高年齢者の雇用の確保等の業務を行っている。そして、その所掌事務の一部については、管下の公共職業安定所及び労働基準監督署(以下、これらを「安定所等」という。)に行わせている。
労働局では、上記業務の実施に当たり、一般会計並びに労働保険特別会計の労災勘定、雇用勘定及び徴収勘定において毎年度多額の予算を執行している。このうち、業務で使用する物品の購入、印刷物の作成等(以下「物品の購入等」という。)に係る経費については庁費等の予算科目から支出している。また、職業相談員等の非常勤職員(以下「相談員等」という。)に対して支払う謝金・賃金(以下「謝金等」という。)については諸謝金等、職員・相談員等の出張に係る経費については職員旅費等、職員の職員が正規の勤務時間を超えて勤務(以下「超過勤務」という。)した場合に支給される手当については超過勤務手当の予算科目からそれぞれ支出している。また、労働局管下の安定所等では、労働局から前渡資金の交付を受け、この資金から庁費、謝金、旅費等の支払を行っている。
本院では、宮城労働局ほか21労働局(管下の安定所等を含む。)が11年度から16年度までの間に支出するなどした物品の購入等に係る庁費等、謝金等、旅費及び超過勤務手当を対象として検査した。なお、検査の過程において不正な事態等が判明した場合には、可能な範囲において過去の年度まで検査を実施した。
(本件の検査の背景等については別掲特定検査対象に関する検査状況参照 )
上記の22労働局に対し物品の購入等に係る庁費等、謝金等及び旅費については、見積書、請求書、支出決議書、支給調書、旅行命令簿、旅費請求書等により、また、超過勤務手当については、超過勤務等命令簿、勤務時間報告書等のほか、労働局(管下の安定所等を含む。)の庁舎警備を行っている警備会社の機械警備記録により検査した。
検査したところ、宮城労働局ほか17労働局(管下の安定所等を含む。)において、〔1〕物品の購入等に係る庁費等の不正支出、〔2〕謝金等の不正支払、〔3〕旅費の不正支払、〔4〕超過勤務生労手当の不適正支給、〔5〕職員による国庫金の領得の事態が次表のとおり見受けられた。
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(100) |
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(101)
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(102)
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(103)
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(104)
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(105)
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(106)
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(107)
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(108)
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(109)
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(110)
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(111)
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(112)
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(113)
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(114)
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(115)
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(116)
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(117)
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そして、上記18労働局のうち、秋田労働局ほか12労働局(注) (管下の安定所等を含む。)では、物品の購入等に係る庁費等、謝金等及び旅費の不正支出によりねん出した資金等の計162,662,100円を別途に経理し、これを職員の懇親会費等の目的外の用途に使用するなどしていた(ただし、上記の13労働局における別途経理資金の使途等については関係者の申告によるものであり、その裏付けとなる関係資料は既に廃棄されているとのことであるので、その詳細について正確に確認することはできなかった。)。
上記の事態は、会計法令等に違反し、著しく適正を欠いていて不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、次のことなどによると認められる。
ア 厚生労働本省(13年1月5日以前は労働本省。以下「本省」という。)において
(ア)各労働局及び安定所等の予算執行に対する実態把握が不十分であり、また、その適正な執行に十分注意を払っていなかったこと
(イ)会計経理の適正化、公務員倫理の徹底及び綱紀の保持を図るなどの指導監督が著しく欠けていたこと
イ 前記の労働局において
(ア)予算の執行は会計法令等の定めるところに従い適正に行わなければならないとの認識に著しく欠けていたこと
(イ)労働局の内部及び安定所等に対する統制が十分機能していなかったこと
(ウ)超過勤務手当はその支給に関する法令等の定めるところに従い各職員ごとに適正に算定した額を支給しなければならないとの認識に著しく欠けていたこと
上記の不正な事態を労働局ごとに示すと、次のとおりである。
宮城労働局管下の6安定所等(注)
では、12年度から16年度までの間に、職員が超過勤務命令に基づき超過勤務に従事したとして支給された超過勤務手当のうち、超過勤務等命令簿に記録された超過勤務命令時間が各庁舎の機械警備による庁舎警備の開始時刻を超えているものが、計2,238件、1,395時間(計2,607,089円)見受けられた。
これらの超過勤務手当は、機械警備による庁舎警備が開始された後も一部の職員が各庁舎において超過勤務に従事していたとして支給されていたものである。
しかし、各庁舎の機械警備は、当日の最終退庁者により庁舎等の施錠が行われる際に開始されるものであるから、機械警備による庁舎警備が開始された時刻を超えて職員が各庁舎において超過勤務に従事していたとは認められない(以下、このように超過勤務等命令簿に記録された超過勤務命令時間が機械警備による庁舎警備の開始時刻を超えているのに、当該超過時間について職員に超過勤務手当が支給されている事態を「超過勤務等命令簿と機械警備記録の不整合」という。)。
また、上記の事態が見受けられたことから、同労働局等の職員計336人から、各年度を通じて支給された超過勤務手当の額の過不足の有無を聴取するなどして検査した結果(以下「聴取の結果」という。)、同労働局及び仙台公共職業安定所において、延べ10人の職員について、12年度から16年度までの間に、計1,306,817円が過大に支給されていた。
上記2つの事態で重複している分を整理すると、同労働局及び6安定所等では、12年度から16年度までの間に、超過勤務手当計3,860,369円が職員に対し不適正に支給されていた。
ア 旅費の不正支払
秋田労働局及び8安定所(注1)
では、11年度から14年度までの間に、虚偽の内容の旅行命令簿、旅費請求書等を作成するなどし、出張の事実がないのに職員を出張させたこととして、旅費計55件、2,290,512円を不正に支払い、別途に経理していた。
また、同労働局及び6安定所等(注2)
では、11年度から15年度までの間に、出張日程を短縮するなどしていたのに、それに伴う差額の精算が行われないまま、差額分の旅費計43件、438,900円が支給されていた。
上記旅費の不正支払の合計額は、計2,729,412円となっている。
同労働局及び8安定所(注1)
では、上記の不正支払によりねん出した2,290,512円を別途に経理していたほか、3安定所等(注3)
においても、10年度以前に不正支払によりねん出した資金を別途に経理していた。
そして、同労働局及び11安定所等(注4)
では、上記の2,290,512円を10年度以前における別途経理資金の残額1,666,000円と合わせて別途に経理し、この別途経理資金の計3,956,512円のうち3,854,206円を職員の懇親会費、物品の購入費等の目的外の用途に使用し、会計実地検査当時(17年11月)、残額102,306円を現金で保有していた。
(注1) | 8安定所 秋田、男鹿(平成15年4月1日以降は秋田公共職業安定所男鹿出張所。以下同じ。)、能代、大館、大曲、横手、湯沢、鹿角各公共職業安定所
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(注2) | 6安定所等 秋田、大館、横手各公共職業安定所及び秋田、横手、大曲各労働基準監督署
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(注3) | 3安定所等 本荘公共職業安定所及び秋田、横手両労働基準監督署
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(注4) | 11安定所等 秋田、男鹿、能代、大館、大曲、本荘、横手、湯沢、鹿角各公共職業安定所及び秋田、横手両労働基準監督署
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イ 超過勤務手当の不適正支給
同労働局及び5安定所等(注5)
では、12年度から16年度までの間に、超過勤務等命令簿と機械警備記録の不整合が、計1,452件、726時間(計1,501,797円)見受けられた。
また、同労働局等の職員計298人から聴取の結果、同労働局及び12安定所等(注6)
において、延べ111人の職員について、11年度から16年度までの間に、計5,723,830円が過大に支給されていた。
上記2つの事態で重複している分を整理すると、同労働局及び12安定所等では、11年度から16年度までの間に、超過勤務手当計6,865,715円が職員に対し不適正に支給されていた。
(注5) | 5安定所等 大館、鹿角両公共職業安定所及び大館、大曲、本荘各労働基準監督署
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(注6) | 12安定所等 秋田、男鹿、能代、大館、本荘、鹿角各公共職業安定所及び秋田、能代、大館、横手、大曲、本荘各労働基準監督署
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ウ 国庫金の領得及び物品の購入等に係る庁費等の不正支出
ふるさと定住総合雇用対策推進協議会(同労働局職業安定部職員が同協議会事務局職員を兼務。)が本省から委託を受けて実施した委託事業(注7)
について検査したところ、13年3月に同協議会が委託費で購入した郵券計1,511,000円を、当時、同労働局職業安定部職業対策課雇用開発担当官として在任し、同協議会事務局職員を兼務していた畠山某が領得し、換金の上、個人で費消していた事実が判明した。
上記の事態を踏まえ、畠山某による他の不正行為の有無等を調査したところ、同人は、11年度に鹿角公共職業安定所管理課長として在任中の11年12月から12年3月までの間に、国庫金振込明細票の差替えを行うなどの手口により、物品の購入等に係る庁費等計3,951,227円を領得していた。
また、同様の手口により、庁費等290,724円を鹿角公共職業安定所における職員の飲食費に充てるなど目的外の用途に使用していた。
福島労働局では、11年度以降の超過勤務手当等について、関係書類の確認、関係者に対する聴き取り等の調査を実施し、その結果を17年10月に公表した。
これによると、同労働局及び13安定所等(注1)
では、超過勤務実績時間を上回る額の超過勤務手当が支給されていたとされている。そして、これに係る過大な超過勤務手当の支給額計2,673,691円については、17年12月までに全額返還された。
同労働局の調査結果を踏まえ検査したところ、次のような事態が見受けられた。
ア 謝金等の不正支払
同労働局及び10安定所等(注2)
では、11年度から14年度までの間に、虚偽の内容の支給調書等を作成するなどし、相談員等を雇用した事実がないのに雇用したこととして、謝金等計209件、19,841,800円を不正に支払い、源泉所得税相当額374,704円を控除した19,467,096円を別途に経理していた。
また、同労働局管下の相馬労働基準監督署では、11年度に、相談員等が実際には日帰りで出張用務を終了し、翌日は勤務していなかったのに1泊2日の出張をしたこととして、謝金等計3件、18,600円を不正に支給していた。
上記謝金等の不正支払の合計額は、計19,860,400円となっている。
イ 旅費の不正支払
同労働局及び17安定所等(注3)
では、11年度から14年度までの間に、虚偽の内容の旅行命令簿、旅費請求書等を作成するなどし、出張の事実がないのに職員・相談員等を出張させたこととして、旅費計286件、5,700,714円を不正に支払い、別途に経理していた。
また、同労働局及び13安定所等(注4)
では、11年度から16年度までの間に、出張日程を短縮していたのに、それに伴う差額の精算が行われないまま、差額分の旅費計178件、2,046,700円が支給されていた。
上記旅費の不正支払の合計額は、計7,747,414円となっている。
(注3) | 17安定所等 福島、平、会津若松、郡山、白河、須賀川、相馬、二本松、富岡、勿来各公共職業安定所及び福島、郡山、いわき、会津、白河、相馬、富岡各労働基準監督署
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(注4) | 13安定所等 平、会津若松、相馬、喜多方、富岡、勿来各公共職業安定所及び福島、郡山、いわき、会津、白河、相馬、富岡各労働基準監督署
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そして、同労働局及び18安定所等(注5) では、上記ア及びイの不正支払によりねん出した計25,167,810円を、10年度以前における別途経理資金の残額3,171,753円及び預金利息437円と合わせて別途に経理し、この別途経理資金の計28,340,000円のうち26,976,589円を職員の懇親会費、物品の購入費等の目的外の用途に使用し、会計実地検査当時(18年3月)、残額1,363,411円を現金で保有していた。
ウ 超過勤務手当の不適正支給
同労働局が実施した超過勤務手当の支給に関する前記の調査結果(職員542人に対する聴き取り調査)を検証しつつ検査したところ、当該調査結果のとおり、同労働局及び13安定所等(注1) に在籍していた延べ108人について、11年度から16年度までの間に、超過勤務手当計2,673,691円が過大に支給されていたことを確認した。
ア 謝金等の不正支払
栃木労働局管下の7安定所(注1) では、11年度から14年度までの間に、虚偽の内容の支給調書等を作成するなどし、相談員等を雇用した事実がないのに雇用したこととして、謝金等計70件、2,093,440円を不正に支払い、別途に経理していた。
イ 旅費の不正支払
同労働局管下の11安定所(注2) では、11年度から14年度までの間に、虚偽の内容の旅行命令簿、旅費請求書等を作成するなどし、出張の事実がないのに職員を出張させたこととしたり、雇用した事実のない相談員等を出張させたこととしたりして、旅費計192件、1,875,693円を不正に支払い、別途に経理していた。
そして、11安定所では、上記ア及びイの不正支払によりねん出した計3,969,133円を、10年度以前における別途経理資金の残額469,391円と合わせて別途に経理し、この別途経理資金の計4,438,524円のうち4,397,493円を職員の懇親会費、夜食代等の目的外の用途に使用し、会計実地検査当時(18年2月)、残額41,031円を現金で保有していた。
ウ 超過勤務手当の不適正支給
同労働局管下の5安定所等(注3)
では、15、16両年度に、超過勤務等命令簿と機械警備記録の不整合が、計301件、409時間(計664,334円)見受けられた。
また、同労働局等の職員計360人から聴取の結果、2監督署(注4)
において、延べ9人の職員について、14年度から16年度までの間に、計632,335円が過大に支給されていた。
上記2つの事態で重複している分を整理すると、6安定所等(注5)
では、14年度から16年度までの間に、超過勤務手当計704,681円が職員に対し不適正に支給されていた。
(注3) | 5安定所等 栃木、小山、烏山各公共職業安定所及び栃木、今市(平成18年4月1日以降は日光。以下同じ。)両労働基準監督署
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(注4) | 2監督署 佐野、今市両労働基準監督署
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(注5) | 6安定所等 栃木、小山、烏山各公共職業安定所及び栃木、佐野、今市各労働基準監督署
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群馬労働局では、14年度から16年度までの間に、超過勤務等命令簿と機械警備記録の不整合が、計250件、123時間見受けられた。このため、超過勤務手当計256,713円が職員に対し不適正に支給されていた。
ア 物品の購入等に係る庁費等の不正支出
神奈川労働局管下の5安定所(注1) では、事務用品販売業者であるA社に架空の請求書等を提出させ、虚偽の内容の支払決議書を作成するなどして支払い、このうち421,285円を、11、12両年度に、職員に配布するための図書券の購入費に充て目的外の用途に使用していた。
イ 謝金等の不正支払
同労働局管下の2安定所(注2) では、11年度に、虚偽の内容の支給調書等を作成するなどし、相談員等を雇用した事実がないのに雇用したこととして、謝金等計5件、353,600円を不正に支払い、別途に経理していた。
ウ 旅費の不正支払
同労働局及び15安定所(注3)
では、11年度から15年度までの間に、虚偽の内容の旅行命令簿、旅費請求書等を作成するなどし、出張の事実がないのに職員・相談員等を出張させたこととしたり、雇用した事実のない相談員等を出張させたこととしたりなどして、旅費計7,760件、11,355,046円を不正に支払い、別途に経理していた。
また、同労働局管下の川崎公共職業安定所では、11、12両年度に、出張の事実がないのに相談員等を出張させたこととして、旅費計65件、47,394円を不正に支払い、これを相談員等に対し支給していた。
上記旅費の不正支払の合計額は、計11,402,440円となっている。
そして、同労働局及び15安定所では、上記イ及びウの不正支払によりねん出した計11,708,646円を、10年度以前における別途経理資金の残額3,862,175円、委託事業(注4) における不正支払によりねん出した1,757,158円及び預金利息1,695円と合わせて別途に経理し、この別途経理資金の計17,329,674円を職員の懇親会費、物品の購入費等の目的外の用途に使用し、会計実地検査当時(18年2月)までにその全額を費消していた。
エ 超過勤務手当の不適正支給
同労働局管下の13安定所(注5)
では、15、16両年度に、超過勤務等命令簿と機械警備記録の不整合が、計4,611件、3,314時間(計6,001,043円)見受けられた。
また、同労働局等の職員計881人から聴取の結果、15安定所(注6)
において、延べ114人の職員について、11年度から16年度までの間に、計4,613,637円が過大に支給されていた。
上記2つの事態で重複している分を整理すると、15安定所では、11年度から16年度までの間に、超過勤務手当計10,563,043円が職員に対し不適正に支給されていた。
(注5) | 13安定所 横浜、鶴見、戸塚、川崎、横須賀、平塚、小田原、藤沢、相模原、厚木、横浜南、川崎北、港北各公共職業安定所
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(注6) | 15安定所 横浜、鶴見、戸塚、川崎、横須賀、平塚、小田原、藤沢、相模原、厚木、松田、横浜南、川崎北、港北、大和各公共職業安定所
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ア 謝金等の不正支払
新潟労働局では、14年度から16年度までの間に、相談員等の勤務の実態が半日勤務であるのに1日勤務したこととして、謝金等計9件、27,655円を不正に支給していた。
イ 旅費の不正支払
同労働局管下の6安定所(注1) では、11年度から13年度までの間に、出張日程を短縮するなどしていたのに、それに伴う差額の精算が行われないまま、差額分の旅費計12件、127,240円が支給されていた。
ウ 超過勤務手当の不適正支給
同労働局及び24安定所等(注2)
では、13年度から16年度までの間に、超過勤務等命令簿と機械警備記録の不整合が、計14,404件、13,287時間(計24,655,621円)見受けられた。
また、同労働局等の職員計395人から聴取の結果、延べ120人の職員について、13年度から16年度までの間に、計6,394,633円が過大に支給されていた。
上記2つの事態で重複している分を整理すると、同労働局及び24安定所等では、13年度から16年度までの間に、超過勤務手当計28,258,036円が職員に対し不適正に支給されていた。
ア 物品の購入等に係る庁費等の不正支出
石川労働局及び金沢公共職業安定所では、11年度から14年度までの間に、印刷業者であるB社、C社及びD社に架空の請求書等を提出させ、虚偽の内容の支出決議書を作成するなどして支出し、このうち458,146円で一部職員の挨拶状を納品させるなど目的外の用途に使用していた。
イ 謝金等の不正支払
同労働局及び加賀公共職業安定所では、11、12両年度に、虚偽の内容の支給調書等を作成するなどし、相談員等を雇用した事実がないのに雇用したこととしたり、実際には勤務していない日に勤務したこととしたりして、謝金等計33件、1,330,400円を不正に支払い、源泉所得税相当額35,904円を控除した1,294,496円を別途に経理していた。
ウ 旅費の不正支払
同労働局管下の4安定所(注)
では、11、12両年度に、虚偽の内容の旅行命令簿、旅費請求書等を作成するなどし、出張の事実がないのに職員・相談員等を出張させたこととしたり、雇用した事実のない相談員等を出張させたこととしたりして、旅費計773件、1,245,784円を不正に支払い、別途に経理していた。
また、同労働局では、14年度に、出張日程を短縮していたのに、それに伴う差額の精算が行われないまま、差額分の旅費1件、10,400円が支給されていた。
上記旅費の不正支払の合計額は、計1,256,184円となっている。
そして、同労働局及び4安定所では、上記イ及びウの不正支払によりねん出した計2,540,280円を、10年度以前における別途経理資金の残額1,590,777円及び預金利息1,956円と合わせて別途に経理し、この別途経理資金の計4,133,013円のうち3,346,113円を職員の懇親会費や物品の購入費等の目的外の用途に使用し、会計実地検査当時(18年2月)、残額786,900円を現金で保有していた。
エ 超過勤務手当の不適正支給
同労働局及び小松公共職業安定所では、15、16両年度に、超過勤務等命令簿と機械警備記録の不整合等が、計38件、43時間見受けられた。このため、超過勤務手当計95,434円が職員に対し不適正に支給されていた。
ア 謝金等の不正支払
福井労働局管下の敦賀公共職業安定所では、12年度から15年度までの間に、虚偽の内容の支給調書等を作成するなどし、相談員等を雇用した事実がないのに雇用したこととして、謝金等計16件、576,240円を不正に支払い、源泉所得税相当額850円を控除した575,390円を別途に経理していた。
イ 旅費の不正支払
同労働局及び4安定所(注1)
では、11、12両年度に、虚偽の内容の旅行命令簿、旅費請求書等を作成するなどし、出張の事実がないのに職員を出張させたこととしたり、雇用した事実のない相談員等を出張させたこととしたりして、旅費計60件、2,821,972円を不正に支払い、別途に経理していた。
また、同労働局及び6安定所(注2)
では、11年度から13年度までの間に、出張の事実がないのに相談員等を出張させたこととして、旅費計3,547件、6,258,443円を不正に支払い、これを相談員等に対し支給していた。
上記旅費の不正支払の合計額は、計9,080,415円となっている。
(注1) | 4安定所 福井、武生、敦賀、小浜各公共職業安定所
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(注2) | 6安定所 福井、武生、大野、三国、敦賀、小浜各公共職業安定所
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そして、同労働局及び4安定所(注1) では、上記ア及びイの不正支払によりねん出した計3,397,362円を、10年度以前における別途経理資金の残額158,000円と合わせて別途に経理し、この別途経理資金の計3,555,362円を職員の懇親会費、交際費等の目的外の用途に使用し、会計実地検査当時(18年2月)までにその全額を費消していた。
ア 物品の購入等に係る庁費等の不正支出
長野労働局及び篠ノ井公共職業安定所では、10年度から14年度までの間に、印刷業者であるE社及び事務用品販売業者であるF社に架空の請求書等を提出させ、虚偽の内容の支出決議書を作成するなどして支出し、このうち510,720円を不正に返金させ同労働局が主催した会議等に要した飲食費に充てたり、1,422,435円を職員の引越に伴う宿舎の修繕費に充てたりするなど目的外の用途に使用していた。上記庁費等の不正支出の合計額は、計1,933,155円となっている。
イ 旅費の不正支払
同労働局管下の松本公共職業安定所では、11年度に、虚偽の内容の旅行命令簿、旅費請求書等を作成するなどし、出張の事実がないのに職員を出張させたこととして、旅費計11件、497,197円を不正に支払い、別途に経理し、これを地域祭事の参加費用、職員の懇親会費等の目的外の用途に使用し、会計実地検査当時(17年12月)までにその全額を費消していた。
ウ 超過勤務手当の不適正支給
同労働局及び須坂公共職業安定所では、12年度から15年度までの間に、超過勤務等命令簿と機械警備記録の不整合が、計130件、80時間(計130,403円)見受けられた。
また、上記のほか、松本公共職業安定所では、11年度に、一部の職員に対し、超過勤務実績時間を水増しし、超過勤務手当計61,584円を過大に支給していた。
以上のとおり、同労働局及び松本、須坂両公共職業安定所では、11年度から15年度までの間に、超過勤務手当計191,987円が職員に対し不適正に支給されていた。
ア 物品の購入等に係る庁費等の不正支出
静岡労働局では、9年度から11年度までの間に、印刷業者であるG社に水増しした請求書等を提出させ、虚偽の内容の支出決議書を作成するなどして支出し、このうち3,955,090円を不正に返金させ別途に経理していた。
イ 謝金等の不正支払
同労働局管下の11安定所(注1) では、11年度から15年度までの間に、虚偽の内容の支給調書等を作成するなどし、相談員等を雇用した事実がないのに雇用したこととして、謝金等計142件、11,712,590円を不正に支払い、別途に経理していた。
ウ 旅費の不正支払
同労働局管下の11安定所では、11年度から15年度までの間に、虚偽の内容の旅行命令簿、旅費請求書等を作成するなどし、雇用した事実のない相談員等を出張させたこととしたり、出張の事実がないのに職員を出張させたこととしたりして、旅費計589件、1,077,537円を不正に支払い、別途に経理していた。
また、同労働局管下の12安定所(注2)
では、11年度から14年度までの間に、出張の事実がないのに相談員等を出張させたこととして、旅費計16,234件、24,930,425円を不正に支払い、これを当該相談員等に対し支給していた。
上記旅費の不正支払の合計額は、計26,007,962円となっている。
そして、同労働局では、上記アの不正支出によりねん出した3,955,090円を別途に経理し、これを夜食代、職員の懇親会費等の目的外の用途に使用し、会計実地検査当時(17年12月)までにその全額を費消していた。
また、11安定所(注1)
では、上記イ及びウの不正支払によりねん出した計12,790,127円を、10年度以前における別途経理資金の残額1,194,500円と合わせて別途に経理し、この別途経理資金の計13,984,627円を職員の懇親会費、夜食代等の目的外の用途に使用し、会計実地検査当時(17年12月)までにその全額を費消していた。
愛知労働局では、11年度以降の旅費、超過勤務手当等について、関係書類の確認、関係者に対する聴き取り等の調査を実施し、その結果を17年10月に公表した。
これによると、旅費について架空の出張は認められなかったものの、同労働局及び20安定所等(注1)
において、出張日程を短縮していたのに、これに伴う差額の精算が行われていなかったり、11安定所等(注2)
において、超過勤務実績時間を上回る額の超過勤務手当が支給されたりしていたとされている。
そして、上記に係る旅費計467,300円及び超過勤務手当計5,416,712円については、18年1月までに全額返還された。
(注1) | 20安定所等 名古屋中、名古屋南、名古屋東、名古屋北、豊橋、岡崎、半田、瀬戸、豊田、津島、刈谷、犬山、新城、春日井、蒲郡各公共職業安定所及び名古屋北、豊橋、名古屋西、岡崎、刈谷各労働基準監督署
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(注2) | 11安定所等 名古屋中、名古屋南、名古屋東、名古屋北、岡崎、半田、瀬戸、豊田、豊川各公共職業安定所及び豊橋、瀬戸両労働基準監督署
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同労働局の調査結果を踏まえ検査したところ、次のような事態が見受けられた。
ア 謝金等の不正支払
同労働局管下の8安定所(注3) では、11、12両年度に、虚偽の内容の支給調書等を作成するなどし、相談員等を雇用した事実がないのに雇用したこととして、謝金等計44件、5,152,760円を不正に支払い、源泉所得税相当額138,160円を控除した5,014,600円を別途に経理していた。
イ 旅費の不正支払
同労働局及び8安定所(注4)
では、11年度から14年度までの間に、虚偽の内容の旅行命令簿、旅費請求書等を作成するなどし、出張の事実がないのに職員を出張させたこととしたり、雇用した事実のない相談員等を出張させたこととしたりして、旅費計129件、2,617,397円を不正に支払い、別途に経理していた。
また、同労働局管下の17安定所(注5)
では、11年度に、出張の事実がないのに相談員等を出張させたこととして、旅費計10,603件、13,549,346円を不正に支払い、これを当該相談員等に対し支給していた。
さらに、同労働局及び21安定所等(注6)
では、11年度から16年度までの間に、出張日程を短縮していたのに、それに伴う差額の精算が行われないまま、差額分の旅費計41件、480,400円が支給されていた。なお、この480,400円は、同労働局の調査結果(467,300円)よりも13,100円多くなっている。
上記旅費の不正支払の合計額は、計16,647,143円となっている。
(注4) | 8安定所 名古屋中、名古屋南、名古屋東、豊橋、岡崎、西尾、新城、春日井各公共職業安定所
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(注5) | 17安定所 名古屋中、名古屋南、名古屋東、名古屋北、豊橋、岡崎、半田、瀬戸、豊田、津島、刈谷、西尾、犬山、豊川、新城、春日井、蒲郡各公共職業安定所
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(注6) | 21安定所等 名古屋中、名古屋南、名古屋東、名古屋北、豊橋、岡崎、半田、瀬戸、豊田、津島、刈谷、犬山、新城、春日井、蒲郡各公共職業安定所及び名古屋北、豊橋、名古屋西、岡崎、刈谷、江南各労働基準監督署
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そして、同労働局及び11安定所(注7) では、上記ア及びイの不正支払によりねん出した計7,631,997円を、10年度以前における別途経理資金の残額824,842円と合わせて別途に経理し、この別途経理資金の計8,456,839円のうち7,336,839円を物品の購入費、職員の懇親会費等の目的外の用途に使用し、会計実地検査当時(18年2月)、残額1,120,000円を現金で保有していた。
ウ 超過勤務手当の不適正支給
同労働局管下の5安定所(注8)
では、11年度から16年度までの間に、超過勤務等命令簿と機械警備記録の不整合が、計10,661件、9,989時間(計21,990,251円)見受けられた。
また、同労働局が実施した超過勤務手当の支給に関する前記の調査結果(職員1,162人に対する聴き取り調査)を検証しつつ検査したところ、当該調査結果のとおり、管下の11安定所等(注2)
に在籍していた延べ60人について、11年度から16年度までの間に、超過勤務手当計5,416,712円が過大に支給されていたことを確認した。
上記2つの事態で重複している分を整理すると、12安定所等(注9)
では、11年度から16年度までの間に、超過勤務手当計26,955,231円が職員に対し不適正に支給されていた。
(注8) | 5安定所 名古屋中、名古屋東、豊橋、岡崎、半田各公共職業安定所
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(注9) | 12安定所等 名古屋中、名古屋南、名古屋東、名古屋北、豊橋、岡崎、半田、瀬戸、豊田、豊川各公共職業安定所及び豊橋、瀬戸両労働基準監督署
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和歌山労働局では、17年7月に実施された本省による特定監査の結果、不正支出等及びこれによりねん出した資金の別途経理の事実が発覚したことから、11年度以降の行政経費及び委託事業(注1)
に係る委託費について、関係書類の確認、関係者に対する聴き取り等の調査を実施し、その結果を同年12月に公表した。
これによると、同労働局及び8安定所(注2)
において、11年度から15年度までの間に、物品の購入等に係る庁費等8,516,567円、謝金等409,988円、旅費9,331,469円及び委託費12,337,130円の計30,595,154円が不正に支出されるなどし、別途に経理されて目的外の用途に使用されたなどとされている。
(注1) | 委託事業 本省が和歌山県地域雇用開発協議会に委託した雇用安定・創出対策事業等及び緊急地域就職促進プロジェクト
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(注2) | 8安定所 和歌山、新宮、田辺、御坊、湯浅、海南、橋本、串本各公共職業安定所
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同労働局の調査結果を踏まえ検査したところ、次のような事態が見受けられた。
ア 物品の購入等に係る庁費等の不正支出
同労働局及び7安定所(注3)
では、9年度から15年度までの間に、事務用品販売業者であるH社、I社及び印刷業者であるJ社に架空の請求書等を提出させ、虚偽の内容の支出決議書を作成するなどして支出し、このうち18,115,901円を不正に返金させ別途に経理したり、216,300円で他団体に貸与する物品を納入させ目的外の用途に使用したりしていた。
上記のとおり、物品の購入等に係る庁費等の不正支出額は計18,332,201円となっており、同労働局において公表した調査結果の計8,516,567円よりも9,815,634円多くなっている。
イ 謝金等の不正支払
同労働局管下の4安定所(注4)
では、11年度から14年度までの間に、虚偽の内容の支給調書等を作成するなどし、相談員等を雇用した事実がないのに雇用したこととして、謝金等計32件、451,588円を不正に支払い、別途に経理していた。
上記のとおり、謝金等の不正支払額は計451,588円となっており、同労働局において公表した調査結果の計409,988円よりも41,600円多くなっている。
ウ 旅費の不正支払
同労働局及び7安定所(注5)
では、11年度から14年度までの間に、虚偽の内容の旅行命令簿、旅費請求書等を作成するなどし、出張の事実がないのに職員を出張させたこととしたり、雇用した事実のない相談員等を出張させたこととしたりして、旅費計245件、9,345,691円を不正に支払い、別途に経理していた。
また、同労働局管下の和歌山公共職業安定所では、11、12両年度に、出張の事実がないのに相談員等を出張させたこととして、旅費計176件、614,960円を不正に支払い、これを当該相談員等に対し支給していた。
上記のとおり、旅費の不正支払額は計9,960,651円となっており、同労働局において公表した調査結果の計9,331,469円よりも629,182円多くなっている。
上記ア、イ及びウのとおり、同労働局及び8安定所(注2)
では、9年度から15年度までの間に庁費等、謝金等及び旅費計28,744,440円を不正に支出するなどしていた。
そして、同労働局及び8安定所では、11年度以降の不正支出等によりねん出した20,825,928円を、10年度以前における別途経理資金の残額10,024,908円、委託事業における不正支払によりねん出した10,892,813円及び預金利息1,347円と合わせて別途に経理し、この別途経理資金の計41,744,996円のうち27,345,941円を交際費、職員の懇親会費等の目的外の用途に使用し、会計実地検査当時(18年1月)、残額14,399,055円を現金で保有していた。
ア 物品の購入等に係る庁費等の不正支出
鳥取労働局では、10、11両年度に、印刷業者であるK社に水増しした請求書等を提出させ、虚偽の内容の支出決議書を作成するなどして支出し、このうち12,074,160円を不正に返金させ別途に経理していた。
また、同労働局では、11年度に事務用品販売業者であるL社から額面金額1,026,000円の郵券を不正に納品させて換金した923,400円及び10年度に同労働局が賃借していた執務室の移転に伴い返還された敷金142,200円を別途に経理していた。
上記庁費等の不正支出の合計額は、計13,242,360円となっている。
イ 旅費の不正支払
同労働局及び2安定所(注1)
では、10年度から12年度までの間に、虚偽の内容の旅行命令簿、旅費請求書等を作成するなどし、出張の事実がないのに職員・相談員等を出張させたこととして、旅費計142件、1,916,643円を不正に支払い、別途に経理していた。
また、同労働局管下の3安定所(注2)
では、11、12両年度に、出張の事実がないのに相談員等を出張させたこととして、旅費計514件(うち倉吉公共職業安定所に係るものは上記と重複している。)、650,667円を不正に支払い、これを当該相談員等に対し支給していた。
上記旅費の不正支払の合計額は、計2,567,310円となっている。
(注1) | 2安定所 倉吉、境港両公共職業安定所
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(注2) | 3安定所 鳥取、倉吉、郡家各公共職業安定所
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そして、同労働局及び2安定所(注1) では、上記ア及びイの不正支出等によりねん出した計15,056,403円を、9年度以前における別途経理資金の残額2,300,000円、委託事業(注3) における不正支払によりねん出した3,763,615円及び預金利息3,903円と合わせて別途に経理し、この別途経理資金の計21,123,921円のうち18,894,015円を職員の懇親会費、タクシー代等の目的外の用途に使用し、会計実地検査当時(18年1月)、残額2,229,906円(実地検査後に銀行預金の解約をした際に付された預金利息を含む。)を現金又は銀行預金で保有していた。
ウ 超過勤務手当の不適正支給
同労働局及び8安定所等(注4)
では、12年度から16年度までの間に、超過勤務等命令簿と機械警備記録の不整合が、計9,222件、9,654時間(計18,687,116円)見受けられた。
また、同労働局等の職員計177人から聴取の結果、延べ23人の職員について、12年度から16年度までの間に、計2,215,498円が過大に支給されていた。
上記2つの事態で重複している分を整理すると、同労働局及び8安定所等では、12年度から16年度までの間に、超過勤務手当計19,225,676円が職員に対し不適正に支給されていた。
ア 旅費の不正支払
島根労働局管下の7安定所(注) では、11年度に、虚偽の内容の旅行命令簿、旅費請求書等を作成するなどし、出張の事実がないのに相談員等を出張させたこととして、旅費計1,060件、2,056,778円を不正に支払い、これを相談員等に対し支給していた。
イ 超過勤務手当の不適正支給
同労働局管下の木次公共職業安定所では、14年度から16年度までの間に、超過勤務等命令簿と機械警備記録の不整合が、計135件、36時間見受けられた。このため、超過勤務手当計58,424円が職員に対し不適正に支給されていた。
本院では、16年次に実施した広島労働局に対する会計実地検査の結果、物品の購入を偽装して虚偽の内容の関係書類を作成するなどし、庁費等を不正に支出し、これによりねん出した資金を別途に経理して目的外の用途に使用するなどしていた事態を指摘し、平成15年度決算検査報告に不当事項として掲記したところである。
上記及びその後の他の労働局に対する検査の状況を踏まえ改めて検査したところ、次のような事態が見受けられた。
ア 謝金等の不正支払
同労働局管下の10安定所(注1) では、11年度から15年度までの間に、虚偽の内容の支給調書等を作成するなどし、相談員等を雇用した事実がないのに雇用したこととして、謝金等計130件、6,993,680円を不正に支払い、源泉所得税相当額71,010円を控除した6,922,670円を別途に経理していた。
イ 旅費の不正支払
同労働局管下の10安定所では、11年度から15年度までの間に、虚偽の内容の旅行命令簿、旅費請求書等を作成するなどし、出張の事実がないのに相談員等を出張させたこととしたり、雇用した事実のない相談員等を出張させたこととしたりして、旅費計967件、1,420,195円を不正に支払い、別途に経理していた。
また、同労働局管下の9安定所(注2)
では、11年度から13年度までの間に、出張の事実がないのに相談員等を出張させたこととして、旅費計1,106件、1,590,310円を不正に支払い、これを当該相談員等に対し支給していた。
上記旅費の不正支払の合計額は、計3,010,505円となっている。
そして、10安定所(注1) では、上記ア及びイの不正支払によりねん出した計8,342,865円を別途に経理し、これを職員の懇親会費、物品の購入費等の目的外の用途に使用し、会計実地検査当時(18年3月)までにその全額を費消していた。
ア 旅費の不正支払
香川労働局では、11年度から13年度までの間に、虚偽の内容の旅行命令簿、旅費請求書等を作成するなどし、出張の事実がないのに職員を出張させたこととして、旅費計48件、2,735,490円を不正に支出し、別途に経理していた。
また、同労働局管下の高松公共職業安定所では、11年度に、出張の事実がないのに相談員等を出張させたこととして、旅費計193件、240,658円を不正に支払い、これを当該相談員等に対し支給していた。
さらに、同労働局及び8安定所等(注)
では、11年度から15年度までの間に、出張日程を短縮するなどしていたのに、それに伴う差額の精算が行われないまま、差額分の旅費計181件、2,266,173円が支給されていた。
上記旅費の不正支払の合計額は、計5,242,321円となっている。
そして、同労働局では、上記の2,735,490円を10年度以前における別途経理資金の残額67,990円と合わせて別途に経理し、この別途経理資金の計2,803,480円を職員の懇親会費、夜食代等の目的外の用途に使用し、会計実地検査当時(18年3月)までにその全額を費消していた。
イ 超過勤務手当の不適正支給
同労働局及び丸亀公共職業安定所では、12、13、15各年度に、超過勤務等命令簿と機械警備記録の不整合が、計243件、249時間見受けられた。このため、超過勤務手当計640,257円が職員に対し不適正に支給されていた。
高知労働局及び8安定所等(注)
では、14年度から16年度までの間に、超過勤務等命令簿と機械警備記録の不整合が、計6,418件、8,672時間(計16,770,274円)見受けられた。
また、同労働局等の職員計112人から聴取の結果、延べ76人の職員について、14年度から16年度までの間に、計5,546,601円が過大に支給されていた。
上記2つの事態で重複している分を整理すると、同労働局及び8安定所等では、14年度から16年度までの間に、超過勤務手当計17,109,449円が職員に対し不適正に支給されていた。