中小企業金融公庫

（４）中小企業金融公庫

　この公庫は、中小企業者の行う事業の振興に必要な長期資金であって、一般の金融機関が供給することを困難とするものを供給すること、又は一般の金融機関による供給を支援するための貸付債権の譲受け、債務の保証等を行うこと並びに中小企業者に対する貸付けに係る債務の保証等についての保険及び信用保証協会に対する資金の貸付けを行うことを目的として設置されているものである。その資本金は１７年度末現在で１兆４７９０億５２１４万余円となっている。
　同公庫の会計は、融資、証券化支援買取業務、証券化支援保証業務、信用保険等業務、機械保険経過業務及び破綻金融機関等関連特別保険等特別の６勘定に区分して経理されている。
　同公庫の１７年度の収入支出決算、損益、借入金等及び主な業務実績は次のとおりである。（注）

（注）

　同公庫の証券化支援買取業務、証券化支援保証業務、信用保険等業務、機械保険経過業務及び破綻金融機関等関連特別保険等特別の５勘定の１６年度は、１６年７月１日から１７年３月３１日までである。

１　収入支出決算

区分	17年度	(16年度)
	千円	千円
(収入)
収入済額	520,674,064	453,944,850
(支出)
支出予算現額	859,726,846	983,455,985
支出済額	644,467,677	587,608,883
不用額	215,259,168	395,847,102

　不用額の主なものは、中小企業信用保険保険金（支出予算現額７２５４億０７６７万余円）の２０００億８３６５万余円、債券発行諸費（同７２億６９１４万余円）の５１億４４７９万余円及び機械保険経過業務保険金（同８８億２５６８万余円）の２５億８７２３万余円である。

２　損益

区分	17年度	(16年度)
	千円	千円
(融資勘定)
経常収益	177,085,739	203,999,701
(うち貸付金利息)	(122,992,981)	(134,278,374)
経常費用	177,041,524	203,957,255
(うち借入金利息)	(12,466,329)	14,722,742)
特別利益	65,894	24,308
特別損失	110,109	66,754
(証券化支援買取業務勘定)
経常収益	353,084	104,471
(うち雑収入)	(239,147)	(100,469)
経常費用	315,745	122,124
(うち債券発行諸費)	(124,231)	(43,332)
当期利益金(△当期損失金)	37,339	△17,653
(利益金又は損失金の処理)
翌年度に繰越欠損金として整理	—	17,653
翌年度に繰越欠損金の補てんに充当	17,653	—
翌年度に積立金として整理	9,843	—
翌年度に国庫へ納付	9,843	—
(証券化支援保証業務勘定)
経常収益	608,573	122,648
(うち保証料)	(584,778)	(121,865)
経常費用	608,573	122,648
(うち事務費)	(93,227)	(91,675）
(信用保険等業務勘定)
経常収益	469,568,746	387,098,891
(うち保険料)	(152,787,704)	(112,474,539)
経常費用	633,128,940	573,612,008
(うち保険金)	(525,324,026)	(456,346,893)
特別利益	23,315	655
特別損失	3,250	3,645
当期損失金	163,540,129	186,516,107
(損失金の処理)
翌年度に準備基金及び融資基金を減額して整理	163,540,129	186,516,107
(機械保険経過業務勘定)
経常収益	18,561,468	24,328,710
(うち保険料)	(26,316)	(28,484)
経常費用	16,360,141	22,875,437
(うち保険金)	(6,238,448)	(6,342,460)
特別利益	114	197
特別損失	737	698
当期利益金	2,200,704	1,452,771
(利益金の処理)
翌年度に積立金として整理	2,200,704	1,452,771
(破綻金融機関等関連特別保険等特別勘定)
経常収益	281,491	197,116
(うち保険料)	(6,943)	(9,839)
経常費用	223,678	197,073
(うち保険金)	(36,195)	(36,049)
特別利益	0	—
特別損失	0	42
当期利益金	57,813	—
(利益金の処理)
翌年度に積立金として整理	28,906	—
翌年度に国庫へ納付	28,906	—

３　借入金等

区分	17年度	(16年度末)
	千円	千円
(融資勘定)
借入金残高(財政融資資金等)	2,655,410,000	2,434,825,000
中小企業債券発行残高	3,954,829,000	4,604,549,000
(証券化支援買取業務勘定)
借入金残高(市中金融機関)	600,000	70,000
中小企業債券発行残高	100,000	—

４　主な業務実績

区分				17年度	(16年度)
(融資勘定)
貸付け等			件数	25,800件	31,286件
			金額	1,295,348,251千円	1,635,284,520千円
貸付金回収等			金額	1,736,972,431千円	1,729,302,848千円
(うち貸付金償却)				(68,397,852千円)	(67,564,103千円)
年度末貸付金等残高			件数	195,475件	196,176件
			金額	7,058,400,312千円	7,500,024,493千円
	上記のうち民間金融機関のリスク管理７債権の開示基準を参考に公庫において開示している債権
		破綻先債権		127,997,139千円	139,750,367千円
		延滞債権		493,963,246千円	489,781,708千円
		3カ月以上延滞債権		—	382,270千円
		貸出条件緩和債権		341,744,823千円	421,311,550千円
		計		963,705,209千円	1,051,225,896千円
	貸倒引当金			6,260,362千円	18,184,582千円
	(貸倒引当金計上率)(注)			(0.8/1000)	(2.4／1000)
	(注) 　貸倒引当金に計上できる金額は、当該事業年度末における貸付金残高(貸付受入金残高を控除)に6/1000を乗じて得た金額の範囲内とされている。
(証券化支援買取業務勘定)
債権買取り及び債権譲渡			件数	1,161件	567件
			金額	27,584,000千円	12,963,000千円
(証券化支援保証業務勘定)
債務保証			件数	584件	1,389件
			金額	11,060,350千円	44,922,500千円
(信用保険等業務勘定)
(1)中小企業信用保険事業
保険関係成立			件数	1,117,570件	886,798件
			保険価額	12,552,411,274千円	9,598,822,722千円
保険金支払			件数	81,675件	71,642件
			金額	525,324,026千円	456,346,893千円
支払保険金等回収			金額	204,901,851千円	162,927,293千円
(2)融資事業
貸付け			件数	319件	299件
			金額	476,392,000千円	472,291,000千円
貸付金回収			金額	472,291,000千円	534,921,000千円
年度末貸付金残高			件数	319件	299件
			金額	476,392,000千円	472,291,000千円
(機械保険経過業務勘定)
保険関係成立			件数	124件	251件
			保険価額	△1,164千円	1,532,439千円
保険金支払			件数	4,990件	4,659件
			金額	6,238,448千円	6,342,460千円
支払保険金等回収			金額	2,659,817千円	2,318,770千円
(破綻金融機関等関連特別保険等特別勘定)
保険関係成立			件数	5件	2件
			保険価額	281,000千円	136,000千円
保険金支払			件数	2件	3件
			金額	36,195千円	36,049千円
支払保険金回収			金額	2,502千円	948千円

　なお、この公庫について検査した結果、「第４章　国会及び内閣に対する報告並びに国会からの検査要請事項に関する報告等」に「財投機関における財政投融資改革後の財務状況と特殊法人等改革に伴う財務処理の状況について」及び「中小企業金融安定化特別保証制度の実施状況について」を掲記した。