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  • 平成18年9月

政府開発援助(ODA)に関する会計検査の結果について


(3) 在外公館における草の根無償の実施状況

ア 検査対象とした在外公館における援助実績

 7箇国10在外公館において13年度から16年度までに実施した草の根無償428件、計30億2234万余円についてみると、在外公館別・年度別の実施状況は、表3―6のとおりとなっている。

表3―6 在外公館別・年度別実施状況
(単位:件、百万円)

年度
在外公館
13
14
15
16
バングラデシュ(大)
件数
13
7
3
6
29
金額
91
45
26
50
213
ブラジル(大)
件数
5
3
2
3
13
金額
29
27
14
21
92
サンパウロ(総)
件数
11
12
5
5
33
金額
56
54
46
45
203
リオデジャネイロ(総)
件数
6
17
8
1
32
金額
38
43
41
9
133
クロアチア(大)
件数
11
8
10
9
38
金額
79
23
47
41
192
エチオピア(大)
件数
17
21
17
18
73
金額
116
161
138
160
576
レバノン(大)
件数
20
26
23
16
85
金額
91
144
157
118
511
東ティモール(大)
件数
11
4
4
5
24
金額
98
19
81
36
236
ベトナム(大)
件数
17
17
18
21
73
金額
140
161
174
187
663
ホーチミン(総)
件数
13
10
2
3
28
金額
80
77
15
24
198
計 7箇国
10在外公館
件数
124
125
92
87
428
金額
821
758
745
696
3,022
注(1)
 在外公館名欄の(大)は日本国大使館、(総)は日本国総領事館を示す。以下、本文中の各表において(大)及び(総)の表記は省略している。
注(2)
 ブラジル連邦共和国ではブラジル(大)、サンパウロ(総)及びリオデジャネイロ(総)の3在外公館において、ベトナム社会主義共和国ではベトナム(大)及びホーチミン(総)の2在外公館において、それぞれ検査を実施した。
注(3)
 東ティモール(大)は平成16年1月に設立され、これ以前は在インドネシア日本国大使館が兼轄していた。本文中の以下の各表において同じである。

イ 在外公館における実施体制

 検査の対象とした10在外公館における草の根無償の業務を実施する16年度の人員配置状況についてみると、表3―7のとおり、在外公館職員は、8在外公館で各1名、1在外公館で2名、1在外公館で3名、計13名となっており、全員が草の根無償以外の業務と兼任している。そして、現地採用職員は、6在外公館で計9名となっており、このうち1在外公館で2名が専任しているが、5在外公館の7名は草の根無償以外の業務と兼任している。また、外部委嘱員は、専門的知識を有する者を活用して草の根無償の業務を行わせることで業務効率の向上を図ることができるとして、現地採用職員からの紹介、人材派遣会社の活用等により6在外公館で計8名を配置している。

表3―7 草の根無償の業務を実施する人員配置状況(平成16年度)
(単位:人)

在外公館
在外公館職員
現地採用職員
外部委嘱員
バングラデシュ
※3
※2
2
7
ブラジル
※1
※1
0
2
サンパウロ
※2
※2
1
5
リオデジャネイロ
※1
※1
0
2
クロアチア
※1
0
2
3
エチオピア
※1
0
1
2
レバノン
※1
※1
1
3
東ティモール
※1
0
0
1
ベトナム
※1
2
0
3
ホーチミン
※1
0
1
2
計 10在外公館
※13
2+※7
8
30
(注)
 ※印は草の根無償業務と草の根無償以外の業務との兼任者を示す。


 10在外公館における外部委嘱員の13年度以降の配置状況についてみると、表3―8のとおり、13年度では3在外公館で3名、16年度では6在外公館で8名の配置となっていた。なお、17年度(18年1月1日現在)には、9在外公館で15名と大幅に増員されていた。

表3―8 外部委嘱員の配置状況
(単位:人)

年度
在外公館
13
14
15
16
17
バングラデシュ
0
2
2
2
2
ブラジル
0
0
0
0
0
サンパウロ
1
1
1
1
1
リオデジャネイロ
0
0
0
0
1
クロアチア
0
0
1
2
2
エチオピア
0
1
1
1
3
レバノン
1
1
1
1
1
東ティモール
0
2
ベトナム
0
0
0
0
1
ホーチミン
1
1
1
1
2
計 10在外公館
3
6
7
8
15

ウ 事前調査の実施状況

 事前調査については、優良な案件を選定し、かつ各案件の実現可能性を確認することを目的として、原則としてすべての案件において行うこととされており、各在外公館では可能な限り案件現場を視察することとされている。
 そして、案件現場の視察による事前調査の実施状況についてみると、表3―9のとおり、前記の428件において、365件(85.3%)が実施されていた。これを在外公館別にみると、2在外公館では100%、6在外公館では80%を超える実施率となっていたが、2在外公館では60%程度となっている。また、年度別にみると、13、14両年度は書類が無く実施の有無が不明なものが4件あり、それぞれ71.8%、79.2%の実施率となっていたが、これに比べて15、16両年度については、緊急な案件であるため現場視察による事前調査が困難であったとしている2件を除くと、10在外公館で100%実施されている状況であった。

表3―9 案件現場の視察による事前調査の実施状況
(単位:件、%)

年度
在外公館
13
14
15
16
バングラデシュ
(84.6)
11
13
(57.1)
4
7
(100.0)
3
3
(100.0)
6
6
(82.8)
24
29
ブラジル
(100.0)
5
5
(100.0)
3
3
(100.0)
2
2
(100.0)
3
3
(100.0)
13
13
サンパウロ
(90.9)
10
11
(91.7)
11
12
(100.0)
5
5
(100.0)
5
5
(93.9)
31
33
リオデジャネイロ
(66.7)
4
[2]
6
(88.2)
15
[2]
17
(100.0)
8
 
8
(100.0)
1
 
1
(87.5)
28
[4]
32
クロアチア
(100.0)
11
11
(100.0)
8
8
(100.0)
10
10
(100.0)
9
9
(100.0)
38
38
エチオピア
(35.3)
6
17
(28.6)
6
21
(94.1)
16
17
(94.4)
17
18
(61.6)
45
73
レバノン
(50.0)
10
20
(100.0)
26
26
(100.0)
23
23
(100.0)
16
16
(88.2)
75
85
東ティモール
(45.5)
5
11
(25.0)
1
4
(100.0)
4
4
(100.0)
5
5
(62.5)
15
24
ベトナム
(88.2)
15
17
(94.1)
16
17
(100.0)
18
18
(100.0)
21
21
(95.9)
70
73
ホーチミン
(92.3)
12
13
(90.0)
9
10
(100.0)
2
2
(100.0)
3
3
(92.9)
26
28
計   10在外公館
(71.8)
89
[2]
124
(79.2)
99
[2]
125
(98.9)
91
 
92
(98.9)
86
 
87
(85.3)
365
[4]
428
注(1)
 中段は案件現場の視察による事前調査を実施した案件数で内数、上段( )書きは実施率である。
注(2)
 [ ]書きは不明なものであり、内数である。
注(3)
 エチオピアにおける平成15年度及び16年度に案件現場の視察による事前調査を実施しなかった2案件は、緊急な案件であるため現場視察による事前調査が困難であったとしているものである。

エ 資金の供与

 在外公館は、案件を選定し事前調査を経て内容を確定した後、外務本省に実施の承認りん請を行い、これを受けた外務本省は、当該案件について審査を行い、在外公館に当該案件の実施について供与限度額を含めて承認している。
 そして、在外公館では、資金の供与に当たり、資金需要の確認を行うために、13年度及び14年度の実施方針では被供与団体から提出を受けた調達契約書又は見積書により調達価格を確認することとされていた。15年度以降、ガイドラインでは原則として調達契約書により調達価格を確認することとされており、被供与団体において調達される機材の性質、現地の商慣習等の理由により調達契約の締結が困難な場合には、見積書の確認による供与も可能であるとされている。
 前記428件の資金需要の確認方法についてみると、調達契約書によるものが135件(31.5%)、現地の商慣習等の理由により調達契約の締結が困難なことから見積書によっているものが150件(35.1%)、15年度以前は一部書類が無く資金需要の確認方法が不明なものが143件(33.4%)となっている状況である。
 これを在外公館別にみると、5在外公館では原則として調達契約書により確認を行っており、5在外公館では見積書により確認を行っていて、このうち2在外公館では資金の供与前には調達契約の締結が困難であるとしている。
 また、資金の供与方法についてみると、前記の428件において、一括払しているものが420件(98.1%)、分割払しているものが2在外公館において8件(1.9%)あった。そして、機材を一括して購入する必要があったり、過去に実績があり案件実施能力が高いと判断した地方公共団体等の団体であったりなどのため一括払しているものが多いが、被供与団体の資金需要に応じて分割払したとしているものもある。

オ モニタリングの実施状況

(ア)案件の進ちょく状況の確認

 贈与契約に記載された期日までに、案件が当初の計画どおり進ちょくし、終了したことを確認するモニタリングの具体的手法については、現地の事情に照らし、在外公館において適宜決定することとされていて、在外公館は、可能な限り案件現場を視察することによって進ちょく状況を直接確認することが望ましいとされている。
 案件実施中における現場視察の実施状況についてみると、表3―10のとおり、前記の428件において、実施しているものが91件(21.3%)、実施していないものが307件(71.7%)、書類が無く実施の有無が不明なものが30件(7.0%)となっている。また、10在外公館の各年度の平均をみると、13、14両年度については、それぞれ14.5%、15.2%となっており、これに比べて15、16両年度については、それぞれ31.5%、28.7%となっている。

表3―10 案件現場の視察による進ちょく状況確認の状況
(単位:件、%)

年度
在外公館
13
14
15
16
バングラデシュ
(23.1)
3
13
(57.1)
4
7
(33.3)
1
3
(0.0)
0
6
(27.6)
8
29
ブラジル
(20.0)
1
5
(33.3)
1
3
(0.0)
0
2
(100.0)
3
3
(38.5)
5
13
サンパウロ
(18.2)
2
11
(25.0)
3
12
(0.0)
0
5
(60.0)
3
5
(24.2)
8
33
リオデジャネイロ
(16.7)
1
[5]
6
(0.0)
0
[17]
17
(0.0)
0
[8]
8
(0.0)
0
 
1
(3.1)
1
[30]
32
クロアチア
(0.0)
0
11
(0.0)
0
8
(10.0)
1
10
(11.1)
1
9
(5.3)
2
38
エチオピア
(17.6)
3
17
(33.3)
7
21
(41.2)
7
17
(11.1)
2
18
(26.0)
19
73
レバノン
(10.0)
2
20
(7.7)
2
26
(69.6)
16
23
(87.5)
14
16
(40.0)
34
85
東ティモール
(18.2)
2
11
(0.0)
0
4
(75.0)
3
4
(20.0)
1
5
(25.0)
6
24
ベトナム
(0.0)
0
17
(0.0)
0
17
(0.0)
0
18
(4.8)
1
21
(1.4)
1
73
ホーチミン
(30.8)
4
13
(20.0)
2
10
(50.0)
1
2
(0.0)
0
3
(25.0)
7
28
計 10在外公館
(14.5)
18
[5]
124
(15.2)
19
[17]
125
(31.5)
29
[8]
92
(28.7)
25
 
87
(21.3)
91
[30]
428
注(1)
 中段は案件現場の視察による進ちょく状況確認を実施した案件数で内数、上段( )書きは実施率である。
注(2)
 [ ]書きは不明なものであり、内数である。

(イ)案件の実施期間

 草の根無償は、贈与契約書において贈与契約の締結から1年以内の決められた期日まで(以下「契約期間」という。)に案件を終了することとされている。そして、前記の428件についてみると、表3―11のとおり、18年1月1日現在で、贈与契約上の終了期日が到来している案件が405件あり、このうち最終報告書が提出されるなどして在外公館が案件の終了を確認したとしているものが382件(94.3%)、未終了となっていたものが23件(5.7%)となっている。

表3―11 贈与契約締結後の案件の実施期間(平成18年1月1日現在)
(単位:件)

在外公館
贈与契約上の終了期日到来405件
未到来23件
終了382件
未終了
23件
終了
未終了
契約期間内に終了
契約期間内に終了しなかったもの
契約締結日から終了までの期間
〜1年6箇月
1年6箇月〜2年
2年〜3年
3年〜4年
バングラデシュ
9
7
2
1
0
19
4
0
6
ブラジル
6
3
2
0
0
11
0
1
1
サンパウロ
29
3
0
1
0
33
0
0
0
リオデジャネイロ
13
16
2
0
0
31
1
0
0
クロアチア
21
13
1
0
0
35
1
1
1
エチオピア
27
14
8
5
3
57
8
5
3
レバノン
59
9
4
2
0
74
8
2
1
東ティモール
19
3
0
2
0
24
0
0
0
ベトナム
53
14
3
0
0
70
1
0
2
ホーチミン
21
5
0
1
1
28
0
0
0
計 10在外公館
257
87
22
12
4
382
23
9
14
125

 上記382件のうち、贈与契約の契約期間内に終了しているものは257件(63.5%)であった。残り125件(30.8%)は、贈与契約の契約期間内に終了していないものであり、このうち、契約締結日から案件終了までの期間が2年を超えているものは計16件であった。これらの案件が大幅に遅延した理由及び態様は次のとおりである。
〔1〕 降雨により資材運搬等が遅延したことなどにより工期が延びたなど、予期しがたい事情によるもの 5件
〔2〕 被供与団体が施設の設計を変更したことなどにより工期が延びたなど、被供与団体側の事情によるもの 10件
〔3〕 納入業者が供与機材のうちの一部である輸入機材の納入に時間を要したという業者側の事情によるもの 1件
 また、贈与契約上の終了期日が到来しているのに未終了となっていた23件について、贈与契約締結日からの経過期間をみると、表3―12のとおりとなっている。

表3―12 未終了となっていた案件の経過期間(平成18年1月1日現在)
(単位:件)

在外公館
贈与契約締結日からの経過期間
1年〜1年6箇月
1年6箇月〜2年
2年〜3年
3年〜4年
4年〜5年
バングラデシュ
0
0
2
1
1
4
リオデジャネイロ
0
0
0
1
0
1
クロアチア
1
0
0
0
0
1
エチオピア
1
6
0
1
0
8
レバノン
7
0
0
0
1
8
ベトナム
1
0
0
0
0
1
計 6在外公館
10
6
2
3
2
23

 上記23件の贈与契約締結日からの経過期間は、すべて1年を超えており、2年を超えているものが4在外公館で7件あり、この中には、4年を超えるものもある状況となっている。この7件が大幅に遅延している理由及び態様は次のとおりである。
〔1〕 大部分の機材は調達が終わっていて事業活動は実施されているが、調達予定の機材の一部について機種変更し調達に時間を要するなどのため、事業が終了していないもの 6件
〔2〕 機材の購入後、団体が内部分裂し、一方が機材を売却し、他方が資金返還請求の裁判を提訴していて、事業が終了していないもの 1件

(ウ)契約期間の変更

 案件当初の目的を逸脱しない軽微な計画の変更については、在外公館において被供与団体と協議の上、当該変更を承認して差し支えないとされている。また、契約期間の変更、案件の内容等の大きな変更が行われる場合には、外務本省に計画変更の承認申請を行い、承認を得た後に対処することとされている。
 ガイドラインにおいて大きな変更とされている契約期間の延長についてみると、贈与契約の契約期間内に終了していなかった前記の125件と未終了となっていた2 3件の計148件のうち、被供与団体から在外公館に変更の申請が行われ、在外公館において承認する手続が執られていたのは4在外公館で14件(9.5%)に過ぎず、6在外公館では契約期間の延長手続が執られていなかった。

(エ)最終報告書の提出

 最終報告書は、被供与団体が案件の終了したことや領収書等を添付して資金の使用状況などを在外公館に対して報告するため、案件の終了期日に沿って提出するものであり、在外公館はすべての案件についてこれを確実に受理する必要があるとされている。そして、前記428件のうち、18年1月1日現在で案件が終了しているもの計391件について、最終報告書の提出状況をみると、表3―13のとおり、案件の終了日から1箇月以内に提出を受けたものが195件、1箇月を超え3箇月以内のものが67件、3箇月を超え6箇月以内のものが49件となっていて、6箇月を超えたものが58件、未だ提出を受けていないものが22件あった。
 このように最終報告書が終了期日に沿って提出されていない案件が見受けられた。なお、未提出となっている案件については、在外公館において、電話で被供与団体と連絡を取ったり、案件現場の視察を行ったりなどして状況を把握したとしている。

表3―13 最終報告書の提出状況(平成18年1月1日現在)
(単位:件)

在外公館
案件終了日〜1箇月以内
1箇月超〜3箇月以内
3箇月超〜6箇月以内
6箇月超
未提出
バングラデシュ
12
5
2
0
0
19
ブラジル
3
5
3
0
1
12
サンパウロ
0
4
17
10
2
33
リオデジャネイロ
12
11
3
5
0
31
クロアチア
30
2
1
3
0
36
エチオピア
35
11
5
3
8
62
レバノン
61
3
1
11
0
76
東ティモール
14
6
2
1
1
24
ベトナム
16
12
11
21
10
70
ホーチミン
12
8
4
4
0
28
計 10在外公館
195
67
49
58
22
391

(オ)終了時確認の実施

 案件の終了については、建設した施設や調達した機材の案件現場の視察を行うなどして確認することとされている。
 前記428件のうち、案件が終了している計391件について、案件現場の視察による終了時確認が実施されたものは、表3―14のとおり、270件で、全体の実施率は6 9.1%となっているものの、中には実施率が低い在外公館もある状況となっている。

表3―14 案件現場の視察による終了時確認の実施状況
(単位:件、%)

在外公館
終了
案件数
左のうち案件現場視察終了時確認
実施案件数
実施率
バングラデシュ
19
4
21.1
ブラジル
12
12
100.0
サンパウロ
33
33
100.0
リオデジャネイロ
31
20
64.5
クロアチア
36
11
30.6
エチオピア
62
39
62.9
レバノン
76
72
94.7
東ティモール
24
15
62.5
ベトナム
70
52
74.3
ホーチミン
28
12
42.9
計 10在外公館
391
270
69.1

 実施率の低い在外公館では、道路等のインフラ整備が遅れていることや案件が遠方に位置し現場確認が困難であることなどから、案件現場の視察による終了時確認が十分実施できない事情もあり、被供与団体に対し、最終報告書に案件が終了したことが確認できる写真を添付させ、これにより終了時確認を補完する措置を執っているものもある。

カ フォローアップの実施状況

 案件が終了し、一定の期間が経過した後、当初想定した事業効果が発現しているかを検証するフォローアップについては、在外公館の職員又は外部委嘱員が案件現場に赴き実施することとされている。そして、前記428件中、18年1月1日現在で終了期日が到来し案件の終了したもののうち、終了後一定期間が経過した13年度から15年度までに実施された330件のフォローアップの実施状況についてみると、表3―15のとおり、実施しているものが110件(33.3%)、実施していないものが220件(66.7%)となっていた。これを在外公館別にみると、実施率が100%となっている在外公館がある一方で、50%に満たない在外公館も多く見受けられた。

表3―15 案件終了後の現場におけるフォローアップの実施状況
(単位:件、%)

在外公館
終了案件数
左のうち案件終了後の現場におけるフォローアップ
実施案件数
実施率
バングラデシュ
19
6
31.6
ブラジル
10
10
100.0
サンパウロ
28
22
78.6
リオデジャネイロ
30
8
26.7
クロアチア
29
3
10.3
エチオピア
50
14
28.0
レバノン
68
21
30.9
東ティモール
19
11
57.9
ベトナム
52
4
7.7
ホーチミン
25
11
44.0
計 10在外公館
330
110
33.3