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  • 国会からの検査要請事項に関する報告(検査要請)|
  • 会計検査院法第30条の3の規定に基づく報告書|
  • 平成18年9月

政府開発援助(ODA)に関する会計検査の結果について


1 検査の対象、着眼点及び方法

(1)検査の対象

 会計検査院は、16年12月26日に発生したスマトラ沖地震及びインド洋津波被害(以下「津波等災害」という。)に際して、我が国が無償で供与することを決定した5億米ドルのうち、二国間供与分の緊急援助としてインドネシア共和国、モルディブ共和国、スリランカ民主社会主義共和国(以下「スリランカ共和国」という。)及びタイ王国の4箇国(以下「4箇国」という。)に供与した次の財政的支援2億5000万米ドル相当を対象として検査した。

ア JICAが4箇国に対して実施した緊急援助物資供与

イ 外務省が4箇国のうちタイ王国を除く3箇国(以下「3箇国」という。)に対して実施した緊急無償資金協力事業及びノン・プロジェクト無償資金協力事業(以下「ノンプロ無償資金協力事業」という。)

(2)検査の着眼点

 会計検査院は、次の点に着眼して検査した。

ア 津波等災害に対する被災国及び国際機関からの要請に対し、我が国政府はどのようにして財政的支援の規模、方法を決定したか。

イ 緊急援助物資供与及び緊急無償資金協力事業については、相手国においてどのように受け入れられ実施されているか、供与された物資や資金は、その趣旨に沿って使用されているか。

ウ ノンプロ無償資金協力事業として供与された資金(以下「ノンプロ無償資金」という。)については、国別に、
(ア)相手国において援助がどのように受け入れられ実施されているか、被災地における需要の把握及び事業内容の決定がどのようになされているか、
(イ)供与された資金は交換公文、附属文書等に従って使用されているか、各案件については決定された事業内容に従って契約手続が執られ資金の支払が行われているか、契約手続や資金の支払が遅延しているものはないか、
(ウ)援助の対象となった施設及び機材は、当初決定された事業内容に即し被災地においてその趣旨に沿って使用されているか。

(3)検査の方法

 検査に当たっては、外務本省及びJICA本部において、我が国政府の対応状況、援助の制度的枠組み、実施手順等について説明を聴取したほか、在外公館及びJICAの在外事務所からの報告資料等に基づき説明を聴取した。また、職員を3箇国に派遣し、在外公館及びJICAの在外事務所において、相手国の実施機関等から提出された報告書等の関係書類等に基づき事業の実施状況について説明を聴取した。
 また、会計検査院の検査権限は相手国には及ばないが、協力が得られた範囲で、事業の実施状況について相手国の実施機関等から説明を聴取した。さらに、一部の案件については、概括的に事業の進ちょく状況を確認するなどの現地調査を外務省の職員等の立会いの下に実施した。
 なお、本件事案の検査の過程において、外務本省、JICA本部等に対する会計実地検査及び3箇国における現地調査に要した人日数は55.5人日である。