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  • 国会からの検査要請事項に関する報告(検査要請)|
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  • 平成18年10月

各府省等におけるコンピュータシステムに関する会計検査の結果について


1 各府省の株式会社エヌ・ティ・ティ・データ等コンピュータシステム会社に対する事務・業務の委託契約の状況

(1)国における情報システム関係の契約の概況

 国の情報システム関係の契約には開発、買取り、賃貸借、運用等様々な内容のものがあり、その全体像は国の決算関係書類から直ちに把握することはできないため、各府省等のそれぞれの契約実績を積み上げる必要がある。
 この点については、参議院決算委員会において、17年6月になされた「平成15年度決算に関わる内閣に対する警告決議」、「平成15年度決算審査措置要求決議」等を踏まえ、内閣官房、総務省及び財務省が、同年7月に、「最適化計画策定対象業務・システムに係る情報システム関係予算の執行状況調査」(以下「政府調査」という。)を実施している。政府調査は、行政機関を対象機関とし、最適化計画策定対象の77業務・システム(巻末の別表〔1〕参照) に係る16年度の情報システム関係予算の執行状況を調査したものであり、その対象範囲は、16年度予算ベースでみると、行政機関における情報システム関係予算全体の約80%に相当している。
 今回の会計検査院の検査においては、行政機関の契約状況について、政府調査の内容を確認した上で分析するとともに、政府調査の対象機関となっていない国会、裁判所及び会計検査院の契約状況については、16年度支払金額(単価契約の場合は年間支払金額)が100万円以上のものにつき資料の提出を受け、これを対象に分析した。

ア 契約及び支払の状況

 16年度における国の情報システム関係の契約件数及び支払金額は、図表1—1のとおりである。
 すなわち、最適化計画策定対象の77業務・システムに係るものは、契約件数6,111件、支払金額4653億円となっており、これに国会、裁判所及び会計検査院の分を含めると、契約件数6,475件、支払金額4773億円となっている。
 これを会計別にみると、一般会計1891億円(39.6%)、特別会計2862億円(59.9%)となっており、特別会計の中では、厚生保険特別会計、登記特別会計等の支払金額が多額となっている。

図表1—1 国における情報システム関係の契約及び支払の状況(16年度)

(単位:件、百万円)

区分
会計
行政機関
国会、裁判所および会計検査院
合計
件数
金額
件数
金額
件数
金額
一般会計
5,078
177,184
364
11,935
5,442
189,120
特別会計
1,027
286,206
1,027
286,206
 
うち 厚生保険
65
96,397
65
96,397
   登記
142
55,621
142
55,621
   労働保険
211
55,039
211
55,039
   特許
159
51,910
159
51,910
   国民年金
37
16,480
37
16,480
   その他
413
10,756
413
10,756
複数会計からの支出
6
1,979
6
1,979
6,111
465,370
364
11,935
6,475
477,305
注(1)
 「行政機関」の「件数」については、複数の契約をまとめて1件としているものや、同一の契約が複数の業務・システムに関連しているために複数件数としているものが一部ある。
注(2)
 金額は百万円未満を切り捨てているため、各項目の数値を合計しても合計欄の数値と一致しない場合がある。以下同じ。

イ 契約内容別の状況

 6,475件の契約に係る支払金額を契約内容別にみると、図表1—2及び1—3のとおり、データ通信役務契約(注2) 1613億円(33.8%)、ハードウェア、ソフトウェア両者の賃貸借1340億円(28.0%)、システム整備495億円(10.3%)、運用、運用支援の請負等285億円(5.9%)等となっている。
 このうち、データ通信役務契約は、大規模なソフトウェア開発経費を含めて役務の対価を支払っているものがあるため、支払金額全体に占める割合は大きくなっている。

(注2)
 データ通信役務契約 電気通信事業者が定める約款に基づき、当該事業者が提供する電子計算機及びこれに接続する電気通信回線からなる電気通信設備を用いて当該事業者が行う電気通信役務の提供を内容とする契約


図表1—2 契約内容別の状況
(単位:件、百万円、%)

契約内容
区分
システム整備
ハードウェアの買取り
ソフトウェアの買取り
ハードウェア及びソフトウェアの買取り
ハードウェア、ソフトウェア両者の賃貸借
 
通信回線の借上げ
運用、運用支援の請負等
データ通信役務
システム監査の請負等
レガシーシステム刷新可能性調査、最適化計画策定支援等
その他
合計
ハードウェアの賃貸借
ソフトウェアの賃貸借
ハードウェア及びソフトウェアの賃貸借
(件数割合)件数
(11.9)
772
(1.8)
118
(1.2)
81
(0.9)
62
(17.5)
1,139
(5.6)
367
(0.5)
38
(11.3)
734
(5.2)
337
(16.2)
1,051
(4.8)
314
(0.7)
51
(0.6)
42
(38.7)
2,508
(100)
6,475
(支払金額割合)支払金額
(10.3)
49,558
(0.3)
1,909
(0.1)
857
(0.2)
1,284
(28.0)
134,075
(9.8)
47,121
(0.2)
1,344
(17.9)
85,610
(1.4)
6,906
(5.9)
28,567
(33.8)
161,395
(0.0)
341
(0.4)
1,942
(18.9)
90,467
(100)
477,305
(注)
 割合は、小数点第2位以下を切り捨てているため、各項目を合計しても100にならない場合がある。以下同じ。


図表1—3 契約内容別の支払金額の割合

図表1—3契約内容別の支払金額の割合

(2)契約相手方

ア 契約相手方別の状況

 6,475件の契約に係る支払金額を契約相手方別にみると、図表1—4のとおり、株式会社エヌ・ティ・ティ・データへの支払金額が最も多く、全体の36.2%となっている。そして、支払金額の上位5者で全体の65.4%を占めている。
 また、支払金額の上位10者について、その支払金額を契約内容別にみると、株式会社エヌ・ティ・ティ・データではデータ通信役務契約が89.2%、支払金額1543億円に上っている。そして、この支払金額は全省庁のデータ通信役務契約に係る支払金額1613億円(図表1—2参照) のうち95.6%を占めている。

図表1—4 主な契約相手方と支払金額等

(単位:億円、%)

契約相手方
支払金額
割合
契約内容
システム整備
ハードウェア、ソフトウェア両者の賃貸借
運用、運用支援の請負等
データ通信役務
その他
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
1,730
36.2
65.4
1.5
2.2
0.6
89.2
6.3
日本電子計算機株式会社
481
10.0
0
99.9
0
0
0.0
株式会社文祥堂
328
6.8
0
0
2.4
0
97.5
富士通株式会社
314
6.5
37.5
28.8
20.3
0.0
13.2
株式会社日立製作所
267
5.6
44.0
47.1
4.4
0
4.3
財団法人民事法務協会
213
4.4
34.5
0
0
0
0
100
日本電気株式会社
165
3.4
9.3
74.0
8.2
0
8.2
株式会社シー・エス・エス
147
3.0
0.8
76.3
9.8
0
12.9
日本アイ・ビー・エム株式会社
124
2.6
44.2
39.4
11.8
0
4.3
日本ユニシス株式会社
102
2.1
19.7
56.7
7.2
0.5
15.6
その他
896
18.7
合計
4,773
100
100

イ 省庁別の契約相手方

 6,475件の契約のうち、年間支払金額が1億円以上となっている31省庁における契約について、省庁別に支払金額が上位の契約相手方3者をみると、図表1—5のとおり、1者で支払金額の50%以上を占めているのは13省庁となっている。

図表1—5 年間支払金額1億円以上の省庁における契約相手方(支払金額の上位3者)

(単位:百万円、%)

省庁名
契約相手方
支払金額
割合
内閣官房
センチュリー・リーシング・システム株式会社
272
31.5
株式会社インターネットイニシアティブ
221
25.6
株式会社ぷららネットワークス
148
17.2
人事院
富士通株式会社
854
74.2
日本ユニシス株式会社
92
8.0
沖電気工業株式会社
70
6.1
内閣本府
◎日本電子計算機株式会社—富士通株式会社
1,409
37.3
富士通株式会社
385
10.2
センチュリー・リーシング・システム株式会社
360
9.5
宮内庁
新日鉄ソリューションズ株式会社
98
41.5
株式会社インターネットイニシアティブ
66
28.3
センチュリー・リーシング.システム株式会社
31
13.4
公正取引委員会
富士通株式会社
71
31.3
株式会社大塚商会
22
9.8
社団法人行政情報システム研究所
17
7.6
警察庁
日本電子計算機株式会社
3,324
35.5
日本電気株式会社
2,149
23.0
株式会社日立製作所
1,344
14.3
防衛本庁
日本電気株式会社
10,052
52.5
富士通株式会社
6,269
32.7
株式会社日立製作所
1,611
8.4
防衛施設庁
◎日本電子計算機株式会社—株式会社日立製作所
561
54.2
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
102
9.9
日本電気株式会社
47
4.5
金融庁
富士通株式会社
580
46.3
◎昭和リース株式会社—富士通株式会社
212
16.9
日本アイ・ビー・エム株式会社
145
11.6
総務本省
日本アイ・ビー・エム株式会社
11,263
56.4
社団法人行政情報システム研究所
2,802
14.0
新日鉄ソリューションズ株式会社
739
3.7
法務本省
日本電子計算機株式会社
23,636
36.4
財団法人民事法務協会
21,304
32.8
富士通株式会社
5,572
8.5
外務省
富士通株式会社
1,879
23.1
◎センチュリー・リーシング・システム株式会社—富士通株式会社
784
9.6
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
740
9.1
財務本省
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
8,736
29.9
独立行政法人通関情報処理センター
5,507
18.8
富士通株式会社
5,121
17.5
国税庁
株式会社文祥堂
32,803
60.8
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
7,791
14.4
◎株式会社文祥堂、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ、キヤノン販売株式会社、東芝ソリューション株式会社、日本アイ・ビー・エム株式会社、日本電気株式会社、株式会社日立製作所
5,788
10.7
文部科学本省
日本電子計算機株式会社
473
21.3
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
391
17.5
日立キャピタル株式会社
214
9.6
厚生労働本省
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
22,323
37.9
株式会社シー・エス・エス
14,795
25.1
日本ユニシス株式会社
9,449
16.0
社会保険庁
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
81,846
72.4
日本電子計算機株式会社
16,928
14.9
株式会社日立製作所
12,353
10.9
農林水産本省
株式会社日立製作所
1,245
18.9
センチュリー・リーシング・システム株式会社
1,149
17.4
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
803
12.1
林野庁
センチュリー・リーシング・システム株式会社
673
41.3
林野弘済会・富士通・沖電気ソフトウェア開発共同企業体
569
34.8
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
200
12.3
経済産業本省
◎日本電子計算機株式会社—富士通株式会社
1,771
43.2
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
429
10.4
みずほ情報総研株式会社
293
7.1
資源エネルギー庁
財団法人社会経済生産性本部
130
97.1
日本レコードマネージメント株式会社
2
2.1
TIS株式会社
0
0.7
特許庁
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
40,230
77.4
株式会社日立製作所
3,337
6.4
東芝ソリューション株式会社
3,109
5.9
国土交通本省
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
6,132
62.0
日本電気株式会社
543
5.5
センチュリー・リーシング・システム株式会社
361
3.6
気象庁
日本電子計算機株式会社
1,323
59.1
日立キャピタル株式会社
272
12.1
株式会社日立製作所
182
8.1
海上保安庁
株式会社リコー
88
27.0
キヤノン販売株式会社
55
16.9
財団法人港湾空間高度化環境研究センター
51
15.8
環境省
富士通株式会社
895
67.8
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
90
6.8
財団法人環境情報普及センター
69
5.2
衆議院
東日本電信電話株式会社
1,318
74.0
アクセンチュア株式会社
173
9.7
センチュリー・リーシング・システム株式会社
164
9.2
参議院
株式会社ITサービス
870
70.8
東日本電信電話株式会社
153
12.4
富士通株式会社
100
8.1
国立国会図書館
株式会社日立製作所
1,562
35.1
アクセンチュア株式会社
1,021
22.9
富士通株式会社
426
9.5
最高裁判所
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
706
18.4
三菱電機株式会社
616
16.1
富士ゼロックス株式会社
469
12.2
会計検査院
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
184
28.1
KPMGビジネスアシュアランス株式会社
85
13.0
沖電気工業株式会社
80
12.3
注(1)
 「契約相手方」欄に◎のあるものは、契約相手方が複数のものである。
注(2)
 
は、1者で支払金額が50%以上を占めているものである。

(3)契約方式

 国の役務等の調達事務は、会計法(昭和22年法律第35号)、予算決算及び会計令(昭和22年勅令第165号)等に従って執行することとされており、契約を締結する場合、原則として一般競争に付さなければならないとされている。ただし、契約の性質又は目的により競争に加わるべき者が少数で一般競争に付する必要がない場合、一般競争に付することが不利と認められる場合等においては、指名競争に付することとされている。また、契約の性質又は目的が競争を許さない場合、緊急の必要により競争に付することができない場合等は随意契約によることとされている。
 そこで、6,475件の契約のうち支払金額300万円以上の契約2,873件、支払金額4732億円については競争契約(注3) (一般競争契約及び指名競争契約をいう。以下同じ。)の対象となることから、これらの契約の競争性の状況をみると、次のとおりである。

(注3)
 競争契約の対象 法令により、予定価格が250万円を超えない工事又は製造をさせる場合、予定価格が160万円を超えない財産を買い入れる場合、工事又は製造の請負、財産の売買及び物件の貸借以外の契約でその予定価格が100万円を超えない場合等は、随意契約によることができるものとされていることから、ここでは支払金額300万円以上の契約を対象とした。


ア 契約方式の状況

 2,873件の契約を契約方式別にみると、図表1—6のとおり、競争契約の割合が、件数で19.1%、金額で3.6%であるのに対し、随意契約の割合は、件数で80.8%、金額で96.3%となっており、国における情報システム関係の契約の大半は随意契約で執行されている。

図表1—6 契約方式の状況(300万円以上)

(単位:件、百万円、%)

契約方式
区分
競争契約
随意契約
合計
一般競争契約
指名競争契約
(件数割合)件数
(18.8)
542
(0.3)
9
(19.1)
551
(80.8)
2,322
(100)
2,873
(支払金額割合)支払金額
(3.6)
17,037
(0.0)
312
(3.6)
17,349
(96.3)
455,851
(100)
473,201

 これを支払金額規模別にみると、図表1—7のとおり、件数ベースで競争契約の割合が高いのは、支払金額500万円以上1000万円未満の25.2%、随意契約の割合が高いのは、支払金額1億円以上の94.1%となっており、支払金額が大きくなるほど随意契約の割合が高くなる傾向となっている。

図表1—7 支払金額規模別の契約方式(300万円以上)

(単位:件、百万円、%)

契約方式
支払金額
競争契約
随意契約
合計
支払金額による構成内訳
競争契約
随意契約
合計
件数
割合
件数
割合
件数
割合
金額
構成比
金額
構成比
金額
構成比
1億円以上
25
5.8
400
94.1
425
100
8,798
(50.7)
417,199
(91.5)
425,998
(90.0)
1億円未満5000万円以上
43
17.6
201
82.3
244
100
2,936
(16.9)
14,481
(3.1)
17,417
(3.6)
5000万円未満1000万円以上
198
18.8
851
81.1
1,049
100
3,937
(22.6)
19,024
(4.1)
22,961
(4.8)
1000万円未満500万円以上
170
25.2
504
74.7
674
100
1,223
(7.0)
3,728
(0.8)
4,952
(1.0)
500万円未満300万円以上
115
23.9
366
76.0
481
100
453
(2.6)
1,419
(0.3)
1,872
(0.3)
合計
551
19.1
2,322
80.8
2,873
100
17,349
(100)
455,851
(100)
473,201
(100)

イ 契約内容別の契約方式

 2,873件の契約について、契約内容別に契約方式をみると、図表1—8のとおりである。このうち、ハードウェア、ソフトウェア両者の買取りにおいて競争契約の割合が高いのは、購入機材等の中にパーソナルコンピュータやサーバのように仕様の一般化が進んでいるものが多いことによると思料される。一方、データ通信役務、通信回線の借上げにおいて随意契約の割合が高いのは、従来からのサービスを受け続けているなどのためサービスを提供できる者が限定されていることなどによると思料される。
 なお、16年度に随意契約としているものの中には、新たなハードウェアを初めて導入する際には競争入札を実施したが、毎年度競争入札を実施しハードウェアを入れ替えることは困難であるとして、次年度以降、同一の契約相手方と随意契約としているものが含まれている。

図表1—8 契約内容別の契約方式の状況(300万円以上)

(単位:件、百万円、%)

契約方式
契約内容
競争契約
随意契約
合計
件数
割合
金額
割合
件数
割合
金額
割合
件数
金額
システム整備
69
13.7
4,145
8.4
432
86.2
45,099
91.5
501
49,244
ハードウェアの買取り
22
64.7
503
27.2
12
35.2
1,347
72.7
34
1,851
ソフトウェアの買取り
11
47.8
253
30.6
12
52.1
573
69.3
23
827
ハードウェア及びソフトウェアの買取り
19
57.5
612
48.6
14
42.4
647
51.3
33
1,259
ハードウェアの賃貸借
22
11.5
433
0.9
168
88.4
46,488
99.0
190
46,922
ソフトウェアの賃貸借
1
4.5
64
4.8
21
95.4
1,259
95.1
22
1,323
ハードウェア及びソフトウェアの賃貸借
59
13.0
2,662
3.1
394
86.9
82,690
96.8
453
85,352
通信回線の借上げ
7
4.3
121
1.8
153
95.6
6,625
98.1
160
6,747
運用、運用支援の請負等
76
12.3
1,914
6.8
541
87.6
26,163
93.1
617
28,078
データ通信役務
0
0
0
0
144
100
161,265
100
144
161,265
システム監査の請負等
16
47.0
123
38.2
18
52.9
199
61.7
34
322
レガシーシステム刷新可能性調査、最適化計画策定支援等
12
30.0
358
18.4
28
70.0
1,581
81.5
40
1,939
その他
237
38.1
6,155
6.9
385
61.8
81,909
93.0
622
88,065
合計
551
19.1
17,349
3.6
2,322
80.8
455,851
96.3
2,873
473,201

ウ 省庁別の契約方式

 2,873件の契約を実施している35省庁について、省庁別に契約方式をみると、図表1—9のとおりである。各省庁における情報システムと契約の内容は一様ではなく、省庁によって契約件数及び支払金額には隔たりがあることから、一概に図表1—9の数値によって情報システム関係の契約の競争性を比較することはできない。しかし、35省庁のうち、随意契約の割合が金額ベースで90%以上となっているものが27省庁と7割以上になっている。

図表1—9 省庁別の契約方式(300万円以上)
(単位:件、百万円、%)

契約方式
省庁名
競争契約
随意契約
合計
件数
割合
金額
割合
件数
割合
金額
割合
件数
金額
内閣官房
2
7.4
13
1.5
25
92.5
833
98.4
27
846
内閣法制局
0
0
0
0
5
100
48
100
5
48
人事院
2
13.3
918
82.1
13
86.6
199
17.8
15
1,118
内閣本府
12
10.9
154
4.1
98
89.0
3,521
95.8
110
3,675
宮内庁
0
0
0
0
9
100
227
100
9
227
公正取引委員会
2
13.3
24
15.6
13
86.6
131
84.3
15
156
警察庁
13
25.0
320
3.4
39
75.0
9,007
96.5
52
9,328
防衛本庁
34
21.3
741
3.8
125
78.6
18,341
96.1
159
19,083
防衛施設庁
4
10.5
118
11.5
34
89.4
906
88.4
38
1,024
金融庁
2
5.5
105
8.5
34
94.4
1,116
91.4
36
1,221
総務本省
47
21.1
1,441
7.3
175
78.8
18,210
92.6
222
19,651
法務本省
11
5.6
3,336
5.2
184
94.3
60,410
94.7
195
63,746
外務省
11
12
715
8.9
80
87.9
7,289
91.0
91
8,005
財務本省
47
21.3
1,879
6.5
173
78.6
27,010
93.4
220
28,890
国税庁
150
52.6
3,399
6.3
135
47.3
50,160
93.6
285
53,559
文部科学本省
14
17.5
192
8.9
66
82.5
1,952
91.0
80
2,145
文化庁
0
0
0
0
7
100
97
100
7
97
厚生労働本省
32
12.8
371
0.6
218
87.2
58,008
99.3
250
58,380
社会保険庁
3
4.8
10
0.0
59
95.1
112,951
99.9
62
112,962
農林水産本省
34
19.7
710
11.2
138
80.2
5,628
88.7
172
6,338
林野庁
4
21.0
143
8.8
15
78.9
1,484
91.1
19
1,628
水産庁
1
20.0
6
20.7
4
80.0
23
79.2
5
29
経済産業本省
13
17.3
292
7.2
62
82.6
3,768
92.7
75
4,061
資源エネルギー庁
0
0
0
0
1
100
130
100
1
130
特許庁
23
25.5
792
1.5
67
74.4
51,066
98.4
90
51,859
国土交通本省
29
12.1
327
3.4
210
87.8
9,035
96.5
239
9,363
気象庁
6
10.0
56
2.5
54
90.0
2,142
97.4
60
2,199
海上保安庁
2
18.1
62
19.3
9
81.8
261
80.6
11
323
海難審判庁
0
0
0
0
1
100
3
100
1
3
環境省
1
3.2
5
0.4
30
96.7
1,291
99.5
31
1,296
衆議院
1
2.2
40
2.2
43
97.7
1,726
97.7
44
1,767
参議院
0
0
0
0
34
100
1,209
100
34
1,209
国立国会図書館
19
19.1
416
9.4
80
80.8
3,988
90.5
99
4,404
最高裁判所
23
28
672
17.7
59
71.9
3,110
82.2
82
3,783
会計検査院
9
28.1
78
12.4
23
71.8
554
87.5
32
633
合計
551
19.1
17,349
3.6
2,322
80.8
455,851
96.3
2,873
473,201
(注)
 
は、随意契約の割合が金額ベースで90%以上となっているものである。

(4)下請又は再委託の状況

 契約相手方が、契約の全部又は一部を更に第三者に下請又は再委託(以下「下請等」という。)に出すことを無条件に認めると、当該契約相手方を選定した発注者の意図に沿わないこととなったり、契約履行の責任の所在が不明確になって適正な履行の確保が阻害されることとなったりするおそれがある。このため、一般的には、下請等は発注者の承認を要することとされている。
 そこで、2,873件の契約のうち、支払金額が1億円以上で、契約の種類が請負契約又は委託契約となっている218件の契約(支払金額756億円)について、契約相手方が行っている下請等の状況を検査した。

ア 下請等に係る契約条項の状況

 218件の契約について、契約書、仕様書等の条項(以下「契約条項」という。)で下請等についてどのように定めているかをみると、図表1—10のとおり、下請禁止24件(11.0%)、条件付(申請、許可、承諾等)認容149件(68.3%)、無条件認容4件(1.8%)、定めなし41件(18.8%)となっている。
 このうち、無条件認容及び定めなしとなっているものについては、契約履行上の責任の所在の明確化、適正な履行の確保、情報漏えいの防止等がなされないおそれがあることから、少なくとも下請等の認容の可否、認容条件等に関する契約条項を規定することが必要であると思料される。

図表1—10 下請等に係る契約条項の状況

図表1—10下請等に係る契約条項の状況

イ 下請等の実施状況

 218件の契約について、下請等の状況をみると、図表1—11のとおり、実施されているものは105件(48.1%)、実施されていないものは93件(42.6%)、実施の有無を発注者が把握していないものは20件(9.1%)となっている。発注者が実施の有無を把握していない20件について、下請等に関する契約条項の定めの状況をみると、定めなし19件、条件付認容1件となっていて、前記のように、契約履行上の責任の所在の明確化、適正な履行の確保、情報漏えいの防止等の上からも、契約条項で下請等の取扱いについて規定し、その実施の有無を把握することが必要と思料される。

図表1—11下請等の実施状況

(単位:件、百万円、%)

実施されている
実施されていない
実施の有無を把握していない
合計
件数
割合
金額
割合
件数
割合
金額
割合
件数
割合
金額
割合
件数
割合
金額
割合
105
48.1
33,752
44.6
93
42.6
33,371
44.1
20
9.1
8,491
11.2
218
100
75,615
100

 また、下請等が実施されている105件の契約のうち、下請等に係る金額を発注者が把握している78件の契約について、国の支払金額に対する下請等に係る支払金額の割合(以下「下請率」という。)をみると、図表1—12のとおり、下請率が50%以上となっている契約が73件(93.5%)となっている。なお、78件のうち70件は法務省の法務局等の発注の契約である。

図表1—12 下請率の状況

(単位:件、%)

下請率
項目
 
 
 
 
 
50%未満
 
小計
 
 
 
 
 
50%以上
 
小計
下請等金額を把握していないもの
合計
10%未満
10%以上
20%未満
20%以上
30%未満
30%以上
40%未満
40%以上
50%未満
50%以上
60%未満
60%以上
70%未満
70%以上
80%未満
80%以上
90%未満
90%以上
契約件数
1
2
0
1
1
5
2
11
60
0
0
73
78
27
105
割合
1.2
2.5
0
1.2
1.2
6.4
2.5
14.1
76.9
0
0
93.5
100