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  • 平成18年10月

高速道路の建設事業に係る入札・契約制度の見直しの状況等について


(3)入札と落札の状況

ア 各入札・契約方式における入札参加資格の設定等

(ア)評価点数及び等級

 各公団等では、競争入札への参加を希望する者について、希望工事種別ごとに、経営の規模、経営の状況等を基に競争に参加するのに必要な資格の有無を審査するとともに、建設業法(昭和24年法律第100号)に基づき評価した点数(以下「経営事項評価点数」という。)を算定し、当該参加希望者に通知している。そして、一般競争入札(政府調達協定適用)については、政府調達協定の国内外無差別の原則に基づいて、一定の経営事項評価点数以上であれば入札に参加できることとしている。
 また、一般競争入札(政府調達協定適用)以外の入札・契約方式については、経営事項評価点数のほか、各入札参加希望者の工事経験、工事成績等の技術的な事項の評価点数を算定し、経営事項評価点数との合計点を総合点数としている。
 そして、各公団等では、表7に示した道路公団等のように、総合点数に応じた等級を定め、この等級別に予定価格の範囲を定め、それぞれの等級に該当する者が入札に参加できることとしている。

表7 道路公団等における総合点数と予定価格と等級との関係
工事種別
等級
予定価格
総合点数
各支社局の業者数の平均値(社)
土木
(トンネル含む)
A
11億円以上
2,250点以上
113.1
B
5.5億円以上 11億円未満
1,740点 〜 2,249点
90.5
C
2.5億円以上 5.5億円未満
1,090点 〜 1,739点
231.9
D
2.5億円未満
1,089点以下
2,362.1
2,797.6
鋼橋
A
4億円以上
1,590点以上
57.7
B
4億円未満
1,589点以下
662.6
720.3
PC橋
A
2億円以上
1,390点以上
46.6
B
2億円未満
1,389点以下
722.7
769.3
注(1)
 表中の業者数等は、17年4月1日時点のものである。
注(2)
 業者数は、各支社局に登録された業者数を平均したものである。
注(3)
 トンネル工事は、土木工事の1工種として同様の点数とされている。

(イ)技術的な要件

 各公団等では、入札参加資格として前記の経営事項評価点数又は等級を指定するほか、個々の工事を発注する際に、工事の施工に必要な技術力を有する入札者を確保するため、当該工事の規模又は必要な技術力の難易に応じて、各業者の同種工法、規模等の施工実績、各業者が配置予定の技術者の工事経験等について、一般競争入札(政府調達協定適用)、一般競争入札及び公募型指名競争入札では入札参加希望者を公募するに当たっての入札参加資格を定めている。
 この技術的な要件の設定は適切な施工能力を有する者を選定して施工の確保を図ることに寄与する一方、入札に参加可能な者の数が減少するため、要件の設定を厳しくした場合には競争性を低下させることとなる。各公団等においては、この要件の設定方法を、入札・契約制度の見直し前後で変更していない。
 表8は、道路公団等において、入札参加資格として上記(ア)の評価点数及び等級の要件を設定した場合の入札参加可能者数を平均したものと、(ア)の要件に加えて(イ)の技術的な要件を設定した場合の入札参加可能者数を平均したものを示している。

表8 等級等の設定による入札参加可能者数と、更に技術的な要件を設定したことによる入札参加可能者数との比較
工事種別
予定価格
入札・契約方式
等級
件数
(件)
等級等の設定による入札参加可能者数の平均値
(社)
更に技術的な要件を設定したことによる入札参加可能者数の平均値(※)
(社)
トンネル
1500万SDR以上
一般競争(政府調達協定適用)
 
27
91.5
56.3
7億円以上
1500万SDR未満
公募型指名競争
A
9
123.7
94.1
B
2
97.5
70.5
A、B
1
115.0
42.0
一般競争
A
13
123.1
97.2
B
1
137.0
52.0
7億円未満
一般競争
B
鋼橋
1500万SDR以上
一般競争(政府調達協定適用)
 
4億円以上
1500万SDR未満
公募型指名競争
A
6
55.5
42.7
B
一般競争
A
24
50.5
33.0
B
A、B
4
691.8
42.5
4億円未満
一般競争
A
2
56.0
47.0
B
7
884.3
38.9
PC橋
1500万SDR以上
一般競争(政府調達協定適用)
 
9
52.0
28.1
4億円以上
1500万SDR未満
公募型指名競争
A
20
46.6
30.6
B
一般競争
A
23
46.7
33.9
B
4億円未満
一般競争
A
8
45.6
39.9
B
A、B
1
1,615.0
63.0
注(1)
 等級欄の「A、B」については、どちらの等級の者も入札参加可能とされているものである。
注(2)
 道路公団等で17年度に入札を実施したものの実績を集計したものである。
注(3)
 ※欄については、複数設定されている技術的な要件のうち、各業者の同種工法、規模等の施工実績についての要件を設定したことによる数を示したものである。

イ 各入札・契約方式における入札者数の実績

 各入札・契約方式において、前記の等級及び技術的な要件による入札参加資格等を定めて入札を実施した際の各公団等における入札者数は、表9—1、9—2及び9—3のとおりであり、入札の見直し前後で以下のような状況が見受けられた。

表9—1 入札者数等の実績(道路公団等)

表9—1入札者数等の実績(道路公団等)

表9—2 入札者数等の実績(首都公団等)
工事種別
入札・契約方式
見直し前
入札・契約方式
見直し後
件数
入札者数の平均値
(初回)
件数
入札者数の平均値
(初回)
土木
一般競争(政府調達協定適用)
2
9.5
一般競争(政府調達協定適用)
公募型指名競争
23
8.9
一般競争
従来型指名競争
17
10.1
従来型指名競争
2
14.0
トンネル
一般競争(政府調達協定適用)
8
6.3
一般競争(政府調達協定適用)
公募型指名競争
7
6.6
一般競争
従来型指名競争
鋼橋
一般競争(政府調達協定適用)
8
6.8
一般競争(政府調達協定適用)
公募型指名競争
23
8.3
一般競争
従来型指名競争
4
9.8
PC橋
一般競争(政府調達協定適用)
一般競争(政府調達協定適用)
公募型指名競争
2
12.0
一般競争
従来型指名競争
1
7.0
その他の工事種別
一般競争(政府調達協定適用)
10
6.2
一般競争(政府調達協定適用)
公募型指名競争
33
8.4
公募型指名競争
1
7.0
一般競争
6
7.5
従来型指名競争
13
9.2
一般競争(政府調達協定適用)
28
6.6
一般競争(政府調達協定適用)
公募型指名競争
88
8.4
公募型指名競争
1
7.0
一般競争
6
7.5
従来型指名競争
35
9.6
従来型指名競争
2
14.0
(注)
 首都公団等では、12年度以降、公募型指名競争の指名数に特に制限は設けないこととしている。


表9—3 入札者数等の実績(阪神公団等)
工事種別
入札・契約方式
見直し前
入札・契約方式
見直し後
件数
入札者数の平均値
(初回)
件数
入札者数の平均値
(初回)
土木
一般競争(政府調達協定適用)
一般競争(政府調達協定適用)
公募型指名競争
18
15.4
一般競争
1
9.0
公募型指名競争
トンネル
一般競争(政府調達協定適用)
1
7.0
一般競争(政府調達協定適用)
公募型指名競争
一般競争
公募型指名競争
鋼橋
一般競争(政府調達協定適用)
1
13.0
一般競争(政府調達協定適用)
公募型指名競争
25
8.2
一般競争
公募型指名競争
PC橋
一般競争(政府調達協定適用)
1
8.0
一般競争(政府調達協定適用)
公募型指名競争
3
6.3
一般競争
公募型指名競争
その他の工事種別
一般競争(政府調達協定適用)
一般競争(政府調達協定適用)
公募型指名競争
9
7.8
一般競争
公募型指名競争
一般競争(政府調達協定適用)
3
9.3
一般競争(政府調達協定適用)
公募型指名競争
55
10.4
一般競争
1
9.0
公募型指名競争
(注)
 阪神公団等では、15年度以降、公募型指名競争では原則として全員を指名することとし、30社程度に限定することも可能としている。


 道路公団等における見直し後の入札者数については、表9—1のとおり、見直し後に一般競争を適用している入札のうち、見直し前に公募型指名競争を適用していた入札においては、鋼橋工事を除いて、入札者数の大幅な減少は見受けられない。これに対して、見直し前に従来型指名競争を適用していた入札においては、見直し前は指名されたおおむね10社程度の業者が、ほぼ全者入札に参加した結果、入札者数の平均値が9社以上となっているが、見直し後に一般競争入札を導入したところ、入札者数の平均値は、トンネル、鋼橋、PC橋の各工事種別で、それぞれ6.4社、3.1社、5.6社となるなど減少している。
 このように、従来型指名競争から一般競争へ移行した予定価格の範囲の工事の入札において、発注者の指名による入札者数の制限が撤廃され、入札者を公募することにより、入札参加希望者に門戸を広げた入札・契約方式となったと認められたにもかかわらず、入札者数が顕著に減少していた。これは、従来型指名競争入札においては指名された業者のほぼすべてが参加していたのに対し、見直し後の一般競争入札においては、受注意欲のある入札者が自発的に参加するという状況が生じていることなどによるものと思料される。
 また、道路公団等における鋼橋工事の契約件数の7割近くを占める予定価格が4億円以上1500万SDR未満の工事の入札(見直し前は公募型指名競争入札が、見直し後は一般競争入札が該当する。)については、入札者が該当業者数の少ないA等級に限定される上、談合発覚後に指名停止となった多くの鋼橋業者がA等級であったことも影響し、見直し前の入札者数は平均7.6社であったものが、見直し後は3.1社に減少するなど、上記のような減少傾向が顕著になっている。
 首都公団等及び阪神公団等においては、表9—2及び9—3のとおり、見直し後の契約件数が少ないため、入札者数の状況がどのように変化しているかについて、現時点において判断できる段階でない。

ウ 見直し前後の落札率の状況

 入札・契約制度の見直し前後における落札率(注5) の状況について、各公団等が各年度に実施した入札における工事種別ごと、入札・契約方式ごとの落札率の平均値を調査したところ、表10—1、10—2及び10—3のとおり、道路公団等においては16年度以前の落札率はほとんどの工事種別において95%を超えていたが、17年度は見直し前から低下してきており、見直し後は特に、トンネル、鋼橋、PC橋の各工事種別において更に低下傾向にある。
 また、首都公団等及び阪神公団等においては、16年度以前は80.5%から99.3%のものまで見受けられるが、17年度になってこれらの状況が変化しているか否かは契約件数が少ないこともあり、現時点において判断できる段階でない。

(注5)
 落札率 落札価格の予定価格に対する割合


表10—1 見直し前後の落札率の状況(道路公団等)

落札率落札価格の予定価格に対する割合

表10—2 見直し前後の落札率の状況(首都公団等)
工事種別
入札・契約方式
14年度
15年度
16年度
17年度
17年度
見直し前
見直し後
件数
(件)
平均落札率
(%)
件数
(件)
平均落札率
(%)
件数
(件)
平均落札率
(%)
件数
(件)
平均落札率
(%)
件数
(件)
平均落札率
(%)
土木
一般競争(政府調達協定適用)
1
86.1
1
98.5
一般競争
公募型指名競争
10
98.3
1
89.0
9
90.7
3
97.7
従来型指名競争
8
97.4
6
96.1
2
96.8
1
69.9
2
95.7
トンネル
一般競争(政府調達協定適用)
4
98.6
3
98.2
1
96.8
一般競争
公募型指名競争
5
97.3
2
98.0
従来型指名競争
鋼橋
一般競争(政府調達協定適用)
6
99.3
2
97.0
一般競争
公募型指名競争
12
98.3
4
95.8
5
87.8
2
80.7
従来型指名競争
2
93.9
2
96.9
PC橋
一般競争(政府調達協定適用)
一般競争
公募型指名競争
2
96.1
従来型指名競争
1
94.6
その他の工事種別
一般競争(政府調達協定適用)
10
80.5
一般競争
6
71.0
公募型指名競争
2
95.4
5
91.9
18
87.1
8
86.8
1
90.6
従来型指名競争
6
96.9
6
97.8
1
98.1
一般競争(政府調達協定適用)
11
97.9
4
98.3
11
82.0
2
97.0
一般競争
6
71.0
公募型指名競争
29
97.9
14
94.3
32
88.2
13
88.4
1
90.6
従来型指名競争
14
97.2
15
96.4
5
97.1
1
69.9
2
95.7

表10—3 見直し前後の落札率の状況(阪神公団等)
工事種別
入札・契約方式
14年度
15年度
16年度
17年度
17年度
見直し前
見直し後
件数
(件)
平均落札率
(%)
件数
(件)
平均落札率
(%)
件数
(件)
平均落札率
(%)
件数
(件)
平均落札率
(%)
件数
(件)
平均落札率
(%)
土木
一般競争(政府調達協定適用)
一般競争
1
92.3
公募型指名競争
8
92.5
4
84.1
4
91.1
2
82.0
トンネル
一般競争(政府調達協定適用)
1
97.9
一般競争
公募型指名競争
鋼橋
一般競争(政府調達協定適用)
1
96.1
一般競争
公募型指名競争
12
95.2
5
93.5
8
96.3
PC橋
一般競争(政府調達協定適用)
1
94.6
一般競争
公募型指名競争
3
95.6
その他の工事種別
一般競争(政府調達協定適用)
一般競争
公募型指名競争
7
95.1
1
98.2
1
85.9
一般競争(政府調達協定適用)
2
95.4
1
97.9
一般競争
1
92.3
公募型指名競争
27
94.4
13
91.5
13
93.9
2
82.0

エ 落札率と入札者数の関係

 一般に、入札者が多いほど競争性が高く、その結果落札率も低下するのではないかと想定されたので、道路公団等における工事の落札率と入札者数の関係について調査した。
 入札者の数に応じた落札率の分布状況を示すと、図2—1、2—2及び2—3のとおり、見直し前については特に一定の傾向は見受けられないが、見直し後においては、入札者数が多いほど落札率が低下する傾向が見受けられ、特に落札率が80%未満の工事について、その傾向が見受けられる。
 見直し後に入札者数が多いほど落札率が低下する傾向が見受けられるのは、見直し前における主な入札・契約方式である従来型指名競争が、見直し後は原則として廃止され、一般競争となり、受注意欲のある入札者が自発的に参加するようになったことなどによると思料される。

図2—1 道路公団等における落札率と入札者数との関係(全工事)
<見直し前>
<見直し後>

<見直し前>

図2—2 道路公団等における落札率と入札者数との関係(鋼橋工事)
<見直し前>
<見直し後>

<見直し前>

図2—3 道路公団等における落札率と入札者数との関係(鋼橋工事以外)
<見直し前>
<見直し後>

<見直し前>

(注)
 図2—1から図2—3の表中の各契約件数の下に記載した割合は、入札者数の区分ごとの合計件数に占める各契約件数の割合を示したものである。


オ 落札率と入札率の状況

 前記のとおり、道路公団等における見直し後の入札においては、落札率が低下しているが、入札率(注6) はどのような状況となっているかについて、入札状況の分析を行った。
 図3—1、3—2及び3—3は、調査対象とした工事の入札における、落札者と入札者との分布を示したものである。
 入札率については、見直し前は100%を超える入札者が多く見受けられたが、見直し後は100%以下の入札者が多くなり、さらに、見直し前にはほとんど見受けられなかった入札率が70%程度の入札者まで生じている傾向が見受けられた。
 また、落札率については、見直し前は95%を超える工事がほとんどであったが、見直し後は70%程度の落札者に至るまで見受けられるようになった。すなわち、見直し後においては、入札者数が減少しているものの、低額で入札する入札者が増加した結果、落札率が低下しているものと認められる。
 特に、鋼橋工事においては、見直し後の落札者と入札者の分布はいずれも見直し前に比べて低率側に移行しているとともに、入札率の分布については70%から130%程度まで幅広く見受けられるようになった。

(注6)
 入札率 入札価格の予定価格に対する割合

図3—1 道路公団等における落札率・入札率の区分ごとの落札者数・入札者数の状況(全工事)
<見直し前>
<見直し後>

<見直し前>

図3—2 道路公団等における落札率・入札率の区分ごとの落札者数・入札者数の状況(鋼橋工事)
<見直し前>
<見直し後>

<見直し前>

図3—3 道路公団等における落札率・入札率の区分ごとの落札者数・入札者数の状況(鋼橋工事以外)
<見直し前>
<見直し後>

<見直し前>

カ 低入札価格調査の対象となった契約の状況

 低入札価格調査は、いずれの公団等においても、入札価格が当該入札の予定価格の3分の2から10分の8.5の範囲内で算出するなどした額よりも低い場合に、当該入札価格によっては契約の適切な履行がなされないおそれがあると認められるか否かについて、入札者への事情聴取等により、当該価格で入札した理由等について必要な調査を行うこととされている。そして、調査の結果、適正な履行が確保されないおそれがあると認められた場合には、当該入札者以外の次順位者等を落札者とすることとされている。
 前記のように、入札・契約制度の見直し後に落札率が低下している状況において、低入札価格調査の対象となった契約(以下「低入札契約」という。)は、表11に示したとおり、道路公団等では17年度の見直し前から、首都公団等では16年度から、それぞれ増加している。また、阪神公団等においては、年間1件から2件で推移している。工事種別でみると、特に道路公団等が発注した鋼橋工事で多く見受けられる。
 なお、今回の検査の対象とした契約において、低入札価格調査の結果、適正な履行が確保されないとして落札者が変更された事例はない。

表11 低入札契約の件数及び金額

表11低入札契約の件数及び金額

(単位:件、百万円)
発注者
14年度
15年度
16年度
17年度
17年度
見直し前
見直し後
件数
予定価格
件数
予定価格
件数
予定価格
件数
予定価格
件数
予定価格
首都公団等
1
481
12
25,253
5
1,331
3
2,260
1.6%
0.6%
14.6%
19.4%
10.9%
3.3%
10.7%
15.7%
 
トンネル
鋼橋
 
2
432
1
215
16.7%
5.2%
14.3%
4.2%
PC橋
その他の工種
1
481
10
24,821
4
1,115
3
2,260
3.1%
3.0%
18.2%
29.6%
13.8%
6.2%
12.5%
20.8%
阪神公団等
1
145
2
353
1
163
1
145
3.1%
0.7%
7.7%
1.3%
5.9%
1.7%
25.0%
6.4%
 
トンネル
PC橋
その他の工種
1
145
2
353
1
163
1
145
6.3%
2.2%
16.7%
4.4%
20.0%
12.3%
50.0%
27.0%
2
389
10
4,374
16
26,134
17
9,385
64
43,779
0.3%
0.1%
1.7%
0.7%
3.3%
3.8%
7.0%
2.8%
22.1%
14.0%
 
トンネル
1
1,723
5
8,502
2.4%
1.3%
14.7%
8.4%
鋼橋
2
432
5
1,473
21
18,276
2.4%
0.4%
31.3%
14.5%
52.5%
60.3%
PC橋
2
3,467
5.4%
7.6%
その他の工種
1
145
2
353
1
163
1
145
0.2%
0.1%
0.5%
0.1%
0.3%
0.1%
0.6%
0.1%
(注)
 各欄の下段の数値は、各発注者が各年度に行った工事種別ごとの契約全体に占める割合を示したものである。


キ 予定価格に対する落札価格の内訳の状況

 前記のように、低入札契約が増加しているが、落札者がこのような低額で入札している事情の一因を調査するため、道路公団等における個々の契約金額を、直接工事費(注7) と諸経費(注8) に区分し、これらの額と予定価格上の直接工事費及び諸経費との比率(以下「予定価格に対する比率」という。)をそれぞれ算出し、これらの予定価格に対する比率と落札率との関係について分析を行った。
 その結果、図4—1、4—2、4—3及び4—4のように、直接工事費について算出した予定価格に対する比率は落札率とおおむね同様の率で推移している。一方、諸経費について算出した予定価格に対する比率は落札率が90%程度を下回ると急激に低下している。このことから、低入札契約の工事等においては、施工に直接必要な材料費や労務費等を確保し、間接的に必要となる経費や企業の附加利益等を圧縮した形で入札が行われている。

(注7)
 直接工事費 工事を施工するために直接投入される材料費、労務費等と仮設工事費の合計額
(注8)
 諸経費 工事を施工するために間接的に必要となる工事共通の経費である共通仮設費と現場従業員の給与手当や法定福利費等の現場で必要とする経費である現場管理費と施工に当たる企業の継続運営に必要な本支店経費及び附加利益等の費用である一般管理費等の合計額

図4—1 道路公団等における落札率と予定価格に対する比率との関係

図4—1道路公団等における落札率と予定価格に対する比率との関係

図4—2 東日本会社分
図4—3 中日本会社分


図4—2東日本会社分

図4—4 西日本会社分

図4—4西日本会社分