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  • 国会及び内閣に対する報告(随時報告)|
  • 会計検査院法第30条の2の規定に基づく報告書|
  • 平成18年10月

財投機関における財政投融資改革後の財務状況と特殊法人等改革に伴う財務処理の状況について


2 検査の観点及び着眼点

 会計検査院は、12年度報告において、財投機関に係る財務及び資金調達の状況と既往債務の償還の見通しや将来の財政負担につながる可能性のあるリスクなどについて検査した結果を記述している。そして、多くの財投機関が、バブル崩壊後の経済環境の変化を背景として、資産価格(簿価)と時価のかい離、資金調達と運用の期間ミスマッチ、繰上償還や延滞債権等の増加、出資した相手先会社等(以下「出資先会社」という。)における欠損金の累積などの債務償還リスクを抱えており、更なる財政負担を回避するために、これらのリスクに適切に対応し、安定的な財務基盤を構築することが喫緊の課題となっている旨を記述した。
 その後、財投機関とそれを取り巻く社会経済情勢は、前記のとおり、財投改革や特殊法人等改革等の進展により大きな変化を遂げた。そして、今後も、政策金融改革等により、組織形態や事業の見直しが更に進められることとなっている。
 そこで、財投改革や特殊法人等改革後の財投機関の組織、事業及び財務状況の変化を整理した上、経済性・効率性、有効性等の観点から、財投機関の財務基盤はより安定的な方向へ改善されているか、財政負担は縮減されているか、既往債務の償還に係るリスクはどのように変化したかなどに着眼して、主として以下の項目について検査を行うこととした。

〔1〕 財投機関の決算状況は、12年度報告の状況からどのように変化しているか
〔2〕 特殊法人等改革により財投事業についてどのような改廃が行われたか、同改革により新規に設立された法人に承継された事業の財務基盤は改善されているか、また、改廃の過程において新たな財政負担が発生していないか
〔3〕 財投改革により各財投機関における財政投融資の縮減・重点化はどのように進ちょくしているか、財投機関債の発行状況はどうか
〔4〕 12年度報告において掲記した状況から、既往債務の償還に係るリスクはどのように変化したか、また、新たな事業運営上の問題点は発生していないか