会計名及び科目
|
一般会計
|
(組織)金融庁
|
(項)金融庁
|
部局等
|
金融庁
|
||
旅費の概要
|
金融機関等に対する検査並びに証券取引及び金融先物取引に係る犯則事件の調査等のための旅費
|
||
宿泊料の合計額
|
32,101,550円
|
(平成14年度〜18年度)
|
|
上記のうち支給が過大となっていた宿泊料の合計額
|
3,735,160円
|
金融庁では、金融機関等に対する検査並びに証券取引及び金融先物取引に係る犯則事件の調査等の業務のため地方都市に出張する職員等に対して、国家公務員等の旅費に関する法律(昭和25年法律第114号。以下「旅費法」という。)の規定に基づき、鉄道賃、航空賃、日当、宿泊料等の旅費を支給している。このうち、宿泊料については、旅行中の夜数に応じ1夜当たりの定額により支給することとなっている。
旅費法第46条第1項の規定により、各庁の長は、旅費法等の規定による旅費を支給すると通常必要としない旅費を支給することとなる場合においては、その必要としない部分の旅費を支給しないよう調整することができることとされている。
そして、単身赴任している職員(以下「単身赴任者」という。)が出張の際に自宅に宿泊した場合には、旅費法の上記の規定に基づき宿泊料を支給しないよう調整を行うべきものと解されている。
本院は、金融庁において、合規性等の観点から、出張時の宿泊先に応じて宿泊料の調整が適切に行われているかに着眼し、平成14年度から18年度までの間の宿泊を伴う出張のうち、自宅の近傍にある用務先に出張している単身赴任者78名に係る計513件(宿泊料計32,101,550円)を対象として、会計実地検査を行った。そして、計算証明規則(昭和27年会計検査院規則第3号)に基づき本院に提出された旅費請求書のほか、出張時の宿泊先等を記載した関係書類や単身赴任届等を確認するなどして検査した。
検査したところ、18年度に自宅の近傍にある用務先へ出張した単身赴任者の一部に自宅に宿泊していながら宿泊料を含む旅費が支給されているものが見受けられたことから、本院は、14年度から18年度までの単身赴任者の出張に係る自宅での宿泊の有無などについて金融庁に調査を求め、その調査結果の内容を確認するなどして検査した。
検査の結果、前記の単身赴任者78名のうち22名に係る14年度から18年度までの計171件の出張において、宿泊料の支給対象とした延べ669夜の宿泊料6,770,260円のうち、延べ361夜の宿泊料3,735,160円は、実際には出張者が自宅に宿泊していた日について定額の宿泊料が支給されていると認められた。
前記のとおり、単身赴任者が出張の際に自宅に宿泊した場合には、旅費法の規定により宿泊料を支給しないよう調整を行うべきものとされている。したがって、上記の出張者が自宅に宿泊していて宿泊代の支払を必要としていないにもかかわらず、この間の旅費として宿泊料が支給されていたのは適切でなく、3,735,160円が過大に支給されていて不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、前記の出張者において、旅費法に基づき旅費の請求及び精算を適正に行うという認識が欠如していたことにもよるが、金融庁において、単身赴任者が自宅の近傍にある用務先に出張する際に、宿泊料に係る旅費の支給に当たっての審査及び調整が適切に行われていなかったことなどによると認められる。