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  • 平成18年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第10 厚生労働省|
  • 不当事項|
  • 不正行為

職員の不正行為による損害が生じたもの


(206)−(209) 職員の不正行為による損害が生じたもの

会計名及び科目
国立高度専門医療センター特別会計
(款)病院収入
  (項)診療収入
国民年金特別会計(国民年金勘定)
 
労働保険特別会計(労災勘定)
 
(款)保険収入
  (項)保険料収入
  (項)保険給付費
  (項)労働福祉事業費
部局等
4病院等
不正行為期間
平成13年3月〜18年9月
損害金の種類
診療収入、国民年金保険料、障害一時金等
損害額
24,100,234円

 本院は、4病院等における不正行為について、会計検査院法第27条の規定に基づく厚生労働大臣からの報告又は会計法(昭和22年法律第35号)第42条の規定に基づく同大臣からの通知を受けるとともに、上記の各部局において、合規性等の観点から不正行為の内容がどのようなものであるかなどに着眼して会計実地検査を行った。
 上記の不正行為により損害が生じたものは4件、損害額で24,100,234円あり、いずれも不当と認められる。
 このうち平成19年9月末現在で損害の補てんが終わっていないものが1件、損害額で16,781,334円(うち同月末現在補てんされた額275,889円)、損害額のすべてが補てん済みとなっているものが3件、損害額で7,318,900円となっている。
 上記の4件を補てんが終わっていないものと補てん済みとなっているものとに分けて示すと、次のとおりである。

ア 平成19年9月末現在で損害の補てんが終わっていないもの

 
部局等
不正行為期間
損害額
 
 
年月
(206)
大阪南労働基準監督署
13.3から
13.6まで
16,781,334

 本件は、上記の部局において、厚生労働事務官森本某が、労災保険給付調査官として保険給付等の審査等の事務に従事中、知人を被災労働者とする虚偽の内容の障害給付支給請求書を作成するなどして、事情を知らない知人に開設させた同知人名義の金融機関口座に振り込ませ、障害一時金等計16,781,334円を領得したものである。
 なお、本件損害額については、19年9月末までに275,889円が同人から返納されている。

イ 平成19年9月末現在で損害額のすべてが補てん済みとなっているもの

(207)
国立精神・神経センター国府台病院
18.5から
18.9まで
4,366,880

 本件は、上記の部局において、国立精神・神経センター運営局会計第二課歳入係長が、収入官吏所属出納員として歳入金の収納事務に従事中、患者から診療収入として受領した現金を収入官吏に払い込まずに、計4,366,880円を領得したものである。
 なお、本件損害額については、18年10月に全額が同人から返納されている。

(208)
長野社会保険事務局長野南社会保険事務室
18.6
1,905,380

 本件は、上記の部局において、国民年金保険料課保険料係長が、分任収入官吏として国民年金保険料の収納事務に従事中、被保険者から直接現金で受領した同保険料計1,905,380円を国庫に払い込まずに領得したものである。
 なお、本件損害額については、18年8月に全額が同人から返納されている。

(209)
小倉南社会保険事務所
18.2から
18.5まで
1,046,640

 本件は、上記の部局において、国民年金保険料課保険料係長が、分任収入官吏として国民年金保険料の収納事務に従事中、被保険者から直接現金で受領した同保険料計1,046,640円を国庫に払い込まずに領得したものである。 なお、本件損害額については、19年8月に全額が同人から返納されている。

 
イの計
3件
7,318,900
 
ア、イの計
4件
24,100,234

 なお、社会保険庁では、11年に通知を発し不正行為に対して会計検査院法等に基づく報告等を適切に行うとしていたが、今回、本院に報告等を行っていないものが見受けられた。
 これに対して、社会保険庁では、改めて速やかに報告等を行える体制の整備に努めるとともに、不正行為に対する再発防止策について再度周知徹底を図ることとしている。
 本院としても、社会保険庁における本院に対する速やかな報告等の実施及び再発防止策の実施の状況について引き続き注視していくこととする。