会計名及び科目
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一般会計
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(組織)農林水産本省
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(項)農村振興費
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部局等
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農林水産本省
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補助の根拠
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予算補助
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補助事業者
(事業主体)
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財団法人都市農山漁村交流活性化機構
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補助事業
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グリーン・ツーリズムビジネス育成
滞在型グリーン・ツーリズム等振興
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補助事業の概要
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都市住民のニーズに対応した農山漁村における受入体制の整備、取組の中心となる人材の育成確保のため研修会の開催等を行うもの
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上記事業のうち研修会の開催に係る事業費
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1億9536万余円(平成15年度〜18年度)
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上記に対する国庫補助金交付額
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1億7869万余円
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節減できた国庫補助金交付額
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2242万円(平成15年度〜18年度)
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農林水産省では、財団法人都市農山漁村交流活性化機構(以下「機構」という。)が平成15年度から17年度までに実施したグリーン・ツーリズムビジネス育成事業及び18年度から実施している滞在型グリーン・ツーリズム等振興事業に対して、農村振興対策事業推進費補助金(以下「補助金」という。)を交付している。これらの事業は、グリーン・ツーリズム(注)
の振興など都市住民のニーズに対応した農山漁村における受入体制の整備、取組の中心となる人材の育成確保に対する支援等を実施することにより、都市と農山漁村を双方向で行き交うライフスタイルの実現や農山漁村地域の活性化を図り、もって都市と農山漁村の共生・対流の促進に貢献することなどを目的とするものである。
機構では、これらの事業の一環として、農山漁村における取組の中心となるコーディネーター等の人材の育成確保のため研修会の開催等を行っている。そして、このうちコーディネーター研修会等の研修会については、15年度から18年度までに計89回開催しており、これらの研修会の開催経費は計1億9536万余円となっている。
農林水産省では、この研修会の開催経費について、上記開催経費の額を補助対象事業費として計1億7869万余円の補助金を交付している。
本院は、経済性等の観点から、15年度から18年度までの間に機構が実施した本件事業について、研修会の開催経費の取扱いが適切なものとなっているかなどに着眼し、農林水産省及び機構において、補助金交付申請書、事業実績報告書等の書類により会計実地検査を行った。
検査したところ、次のような事態が見受けられた。
機構では、研修会の開催に際して、受講生から講師料、教材費、宿泊費等を受講料として徴収しており、その額は、15年度から18年度までに計3909万余円に上っていた。そして、機構は、この受講料の徴収について、事業実績報告書に記載を行わないまま農林水産省に提出し、補助金の額の確定を受けていた。
しかし、受講料の徴収額に相当する額については、機構の費用負担は生じていないのであるから、農林水産省においてこれを考慮することなく機構の提出した事業実績報告書等に基づいて補助金の額の確定を行い、補助金を交付している事態は適切とは認められず、改善の必要があると認められた。
研修会の開催経費から受講料徴収額相当額を控除した額を補助対象事業費とし、この補助対象事業費の額と同額の補助金を交付することとして補助金交付額を算定すると、15年度から18年度までに計1億5627万余円となり、前記の補助金交付額を計2242万余円節減できたと認められた。
このような事態が生じていたのは、機構において受講料の取扱いに対する認識が十分でなかったこと、農林水産省において受講料など補助事業に関連した収入がある場合の補助対象事業費の取扱いを定めていなかったことなどによると認められた。
上記についての本院の指摘に基づき、農林水産省では、過大に交付されていた補助金を機構から返還させることとするとともに、19年9月に機構に対して通知を発し、受講料など補助事業に関連した収入がある場合にはこの収入額相当額を事業費から控除した額を補助対象事業費とすることなどとし、19年度から適用することとする処置を講じた。