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  • 平成18年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第12 経済産業省|
  • 不当事項|
  • 役務

地域自律・民間活用型キャリア教育事業に係る委託費の支払に当たり、委託業務とは関係のない手当等に基づき人件費を算定していたため、支払額が過大となっているもの


(241) 地域自律・民間活用型キャリア教育事業に係る委託費の支払に当たり、委託業務とは関係のない手当等に基づき人件費を算定していたため、支払額が過大となっているもの

会計名及び科目
一般会計
(組織)経済産業本省
(項)経済産業本省
部局等
四国経済産業局
契約名
平成17年度地域自律・民間活用型キャリア教育事業(大洲「ひと」「もの」「まち」づくり地域一体型キャリア教育プロジェクト)
契約の概要
キャリア教育プログラムの作成及び実施
契約の相手方
特定非営利活動法人ベンチャー・アライアンス協会
契約
平成17年7月 随意契約
支払
平成18年4月
支払額
8,763,855円
過大になっている支払額
3,222,759円

1契約の概要

 四国経済産業局では、平成17年度に、地域自律・民間活用型キャリア教育事業(大洲「ひと」「もの」「まち」づくり地域一体型キャリア教育プロジェクト)として、キャリア教育プログラムを作成するなどの事業を、特定非営利活動法人ベンチャー・アライアンス協会(以下「協会」という。)に委託して実施しており、委託費として8,763,855円を支払っている。
 四国経済産業局では、本件委託契約の支払額は、委託業務に従事する研究員の人件費、事業費等の経費の区分ごとに定めた上限額の範囲内で、委託業務の実施に要した経費の額とすることとしている。このうち人件費については、協会が支払った17年の給与等に基づいて算定することとしている。
 そして、四国経済産業局は、本件委託契約に基づき、協会から実績報告書を提出させ、委託業務の実施に要した経費の証ひょう、帳簿等により確認し、委託費の支払額を確定している。

2 検査の結果

(1) 検査の観点、着眼点、対象及び方法

 本院は、合規性等の観点から、委託業務が委託契約等に基づき適切に実施され、その経理及び委託業務に要したとする経費は適正かに着眼して、四国経済産業局及び協会において、実績報告書等の書類により会計実地検査を行った。そして、適切でないと思われる事態があったため、更に同局に事態の詳細について報告を求め、その報告内容を確認するなどの方法により検査を行った。

(2) 検査の結果

 検査したところ、四国経済産業局は、人件費について、協会が支払ったとする17年の給与等の合計額を年間所定労働時間で除して得た時間当たりの単価に委託業務に従事した時間を乗じてこれを算定していた。
 しかし、実際には、委託業務に従事した4名分の17年の給与等計18,509,986円の中には、委託業務とは関係のない営業活動に対して支払ったとする賞与(営業手当)3名分9,910,000円が含まれていた。また、他の法人が支払っていて、実際には協会が支払っていない2名分の給与等計3,518,756円が含まれていた。
 このような委託業務とは関係のない営業活動に対する手当や協会が支払っていない給与等は、委託業務の実施に要した経費には該当しないものである。このような事態が生じていたのは、協会において委託業務の適正な実施に対する認識が不足していたこと、四国経済産業局の審査及び確認が十分でなかったことによると認められる。
 したがって、本件委託業務についての適正な給与等の額に基づき委託費の支払額を算定すると5,541,096円となり、前記委託費の支払額との差額3,222,759円が過大に支払われていて不当と認められる。