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  • 平成18年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第1 国民生活金融公庫|
  • 不当事項|
  • 役務

清掃業務請負契約に係る予定価格の算定に当たり、清掃作業の単価の年度を取り違えて採用するなどしたため、支払額が過大となっているもの


(287) 清掃業務請負契約に係る予定価格の算定に当たり、清掃作業の単価の年度を取り違えて採用するなどしたため、支払額が過大となっているもの

科目
業務諸費
部局等
国民生活金融公庫本店
契約名
清掃業務請負契約
契約の概要
平成17、18両年度に国民生活金融公庫の支店や情報システム部等の自己所有建物に係る清掃業務を請け負わせるもの
契約の相手方
(1)
(2)
東京美装興業株式会社
帝国ビル管理協同組合
契約
(1)
(2)
平成17年6月 一般競争契約
平成18年7月 一般競争契約
支払
(1)
(2)
平成17年8月〜18年8月 13回
平成18年9月〜19年8月 12回
支払額
(1)
(2)
80,622,150円
68,544,000円
149,166,150円
過大になっている支払額
(1)
(2)
7,600,000円
9,000,000円
16,600,000円
 

1 清掃業務請負契約の概要

 国民生活金融公庫本店(以下「公庫本店」という。)では、支店や情報システム部等の自己所有建物に係る清掃業務について、平成17年度に東京美装興業株式会社と、18年度に帝国ビル管理協同組合とそれぞれ請負契約を締結している。公庫本店は、これらの請負契約について、17年度は同年7月から18年7月までに計80,622,150円、18年度は同年8月から19年7月までに計68,544,000円をそれぞれ支払っている。
 公庫本店では、上記17、18両年度契約の予定価格の算定に当たり、床、カーペット等の清掃作業を日常清掃作業(休業日を除き毎日実施)と定期清掃作業(特定の休業日等に実施)に区分し、さらに、この作業区分ごとにカーペット等の床材の種類や清掃作業実施回数等による作業種別を設けていた。そして、作業種別ごとの単価(以下「単価」という。)については、定期的刊行物である積算参考資料に掲載された単価を用いることとし、この単価にそれぞれの作業面積を乗じて作業費を算出するなどしていた。

2 検査の結果

 本院は公庫本店において会計実地検査を行った。そして、前記17、18両年度の契約について、経済性等の観点から予定価格の算定が適切に行われているかに着眼して、契約書、仕様書、積算書等の書類により検査したところ、次のとおり適切でない事態が見受けられた。
ア 日常清掃及び定期清掃におけるカーペット等の清掃単価については、17、18両年度において15年4月刊行の積算参考資料掲載の単価を用いるなどして算出していた。しかし、これらの単価は近年その下落傾向が著しいことから、17、18両年度の積算時の直近である17年4月又は18年4月の単価を採用すべきであった。
イ 定期清掃におけるカーペットの清掃単価については、17年度において、清掃作業を年2回実施することを前提とした単価に全体の清掃面積を一律に乗じて算出していた。しかし、公庫本店が作成した本件清掃作業の仕様書によれば、全体の清掃箇所の中には清掃作業の実施回数が年2回の箇所と年1回の箇所とがあり、積算参考資料の単価が異なるので、当該単価にそれぞれの清掃面積を乗じて算出すべきであった。
ウ 17、18両年度において、資材費が別途必要であるとして上記により算出した作業費に諸経費を加算していた。
 しかし、積算参考資料の単価には資材費等の諸経費が既に含まれているので、資材費を更に加算すべきではなかった。
 したがって、上記に基づいて単価を適切なものに改めるなどして前記17、18両年度の契約に係る予定価格を修正計算し、これに基づき各年度の支払額を計算すると、それぞれ73,020,150円、59,472,000円となり、これに比べて各年度の支払額80,622,150円、68,544,000円は、それぞれ約760万円、約900万円、計約1660万円が過大となっていて不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、公庫本店において、予定価格の算定に当たり、近年の積算参考資料の清掃業務に係る単価の推移についての理解が十分でなかったこと及び積算内容に対する確認が十分でなかったことなどによると認められる。