会社名
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東日本高速道路株式会社
中日本高速道路株式会社
西日本高速道路株式会社
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科目
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管理費用
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部局等
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4支社
4支社
4支社
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契約名
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道央自動車道他旭川管理事務所管内料金収受業務等52件
東名高速道路東京営業所管内料金収受業務等40件
名神高速道路栗東管理事務所管内料金収受業務等52件
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契約の概要
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料金所において、高速道路を通行する利用者から通行料金の適正かつ迅速な収受等の業務を委託するもの
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契約金額
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230億6521万余円(平成18年度)
144億8874万余円(平成18年度)
158億4732万余円(平成18年度)
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契約の相手方
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北海道ハイウェイ・サービス株式会社等13会社
不二東名株式会社等11会社
株式会社ハイウェル等12会社
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契約
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平成18年4月 一般競争契約、随意契約
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上記の契約に係るアルバイト料の算定額
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2億0930万余円
2億2476万余円
1億3094万余円
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(平成18年度)
(平成18年度)
(平成18年度)
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低減できたアルバイト料の金額
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5986万円
5395万円
2735万円
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(平成18年度)
(平成18年度)
(平成18年度)
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東日本高速道路株式会社(以下「東会社」という。)、中日本高速道路株式会社(以下「中会社」という。)及び西日本高速道路株式会社(以下「西会社」という。また、以下、これらの3会社を合わせて「各会社」という。)では、料金所において高速道路を通行する利用者から通行料金の収受等を行う業務(以下「料金収受業務」という。)を行うため、平成18年度に、東会社4支社では13会社と契約金額計230億6521万余円、中会社4支社では11会社と同144億8874万余円、西会社4支社では12会社と同158億4732万余円で料金収受業務委託契約を締結している。
本件委託契約においては、各会社の料金収受業務委託実施基準(以下「実施基準」という。)に基づき、料金所ごとに年間必要人員数等が算定されており、この必要人員は、年間を通じて常駐する料金収受員と繁忙の時期に必要となるアルバイトに区分される。
上記のアルバイトは、5月の連休等の繁忙期には交通量の著しい増加が予想されることから、通常の時期に標準的に開放しているレーン(以下「標準開放レーン」という。)の他にレーンを開放することなどが必要となるとして、料金収受員と同様の料金収受業務を行うものである。
アルバイト料については、実施基準に基づき、各料金所における日平均推計交通量に応じて、1人から4人までの人員数及び年間30日の日数を標準として人日数を算出し、これに昼夜勤務(24時間拘束で実労働時間は16時間)又は日勤勤務(労働時間は8時間)の労務単価を乗ずるなどして算定していた。
そして、各会社では、18年度のアルバイト料について、東会社が2億0930万余円(昼夜勤務16,037人日及び日勤勤務1,118人日)、中会社が2億2476万余円(昼夜勤務16,585人日)、西会社が1億3094万余円(昼夜勤務8,036人日及び日勤勤務3,750人日)とそれぞれ算定していた。
本院は、各会社の12支社において、経済性等の観点から、各料金所におけるアルバイト料は交通量の増加に伴う繁忙の実態に見合った合理的なものとなっているかに着眼し、上記のアルバイト料を対象として、業務委託契約書、交通量日報等により会計実地検査を行った。
各会社の708料金所(東会社286料金所、中会社211料金所、西会社211料金所)の中から、無作為に71料金所(東会社30料金所、中会社19料金所、西会社22料金所)を抽出し、業務委託契約に係る特記仕様書と料金所における交通量日報等のデータを比較するなどして検査を行ったところ、次のような事態が見受けられた。
上記の71料金所に係るアルバイトの必要人員数について、東会社は昼夜勤務2,033人日及び日勤勤務295人日、中会社は昼夜勤務1,619人日、西会社は昼夜勤務1,256人日及び日勤勤務302人日と算定していた。
しかし、料金所ごとに18年度の交通量日報を基に分析したところ、交通量の増加のため標準開放レーンの他にレーンの開放が必要となる時間(以下「繁忙時間」という。)は、その大部分が朝、夕の混雑時を含めた7時から21時までの間に発生しており、この時間帯に繁忙時間が発生した割合は、東会社では88.8%、中会社では94.1%、西会社では93.4%となっていた。
さらに、71料金所のうち、日平均交通量が1万台未満の43料金所(東会社17料金所、中会社9料金所、西会社17料金所)についてみると7時から21時までの間に繁忙時間が発生した割合は、東会社では99.8%、中会社では96.6%、西会社では97.4%とほぼ100%近い結果となっていた。
このように、無作為に抽出した71料金所において、21時から翌朝7時までの間に繁忙時間の発生する割合はかなり低く、そのうち、日平均交通量が1万台未満の43料金所においてはこの時間帯に繁忙時間の発生はほとんどなかった。そして、各会社における日平均交通量が1万台未満のすべての料金所(東会社183料金所、中会社107料金所、西会社119料金所、合計409料金所)において同様の事態であると認められる。
したがって、少なくともこれらの409料金所において21時から翌朝7時までの時間帯にアルバイトを配置する必要はなく、アルバイト料の算定において、24時間拘束の昼夜勤務の労務単価を使用している事態は適切とは認められず、改善の必要があると認められた。
上記のとおり、各会社における日平均交通量が1万台未満の409料金所において、21時から翌朝7時までの間に繁忙時間の発生がほとんどないことから、これらの409料金所に係るアルバイト料について、昼夜勤務として算定していた労務単価を日勤勤務として計算すると、18年度における各会社のアルバイト料は、東会社で1億4944万余円、中会社で1億7080万余円、西会社で1億0358万余円となり、東会社で5986万余円、中会社で5395万余円、西会社で2735万余円のアルバイト料が低減できたと認められた。
このような事態が生じていたのは、料金収受業務におけるアルバイト料の算定について、アルバイトを必要とする繁忙の発生している時間等の業務の実態を把握していなかったことなどによると認められた。
上記についての本院の指摘に基づき、アルバイトを必要とする繁忙の発生している時間等を把握し、日勤勤務を基本とするよう各会社では次のような処置を講じた。
ア 東会社では、19年9月に、アルバイトの配置計画に当たっては、料金所ごとの繁忙実態を把握し、これにより計画することとする旨の事務連絡を関係部署に発し、20年度から適用することとした。
イ 中会社及び西会社では、19年9月に、アルバイトが必要な実態を報告させ交通量等による確認を行った上で、繁忙の実態に即した対価を支払うこととするよう、実施基準の改定を行う旨の事務連絡を関係部署に発し、20年度から適用することとした。