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  • 平成19年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第4 総務省|
  • 不当事項|
  • その他

特別交付税の措置の対象となる地理情報システム導入に要する経費の算定に当たり、対象外経費を含めて計算していたため、特別交付税が過大に交付されているもの


(13) 特別交付税の措置の対象となる地理情報システム導入に要する経費の算定に当たり、対象外経費を含めて計算していたため、特別交付税が過大に交付されているもの

会計名及び科目 交付税及び譲与税配付金特別会計(交付税及び譲与税配付金勘定)
(項)地方交付税交付金
部局等 総務本省
交付の根拠 地方交付税法(昭和25年法律第211号)
交付先 鳥取県米子市
特別交付税交付額 983,103,000円 (平成18年度)
不当と認める特別交付税交付額 28,374,000円 (平成18年度)

1 特別交付税の概要

 総務本省(以下「本省」という。)は、地方交付税法(昭和25年法律第211号)に基づき、普通交付税の算定方法によっては捕そくされなかった特別の財政需要がある地方団体等に特別交付税を交付している。
 特別交付税の額の算定方法は、特別交付税に関する省令(昭和51年自治省令第35号。以下「省令」という。)に算定の対象となる各財政需要の事項ごとに定められており、本省は、地方団体から提出させた各財政需要に関する基礎資料(以下「算定資料」という。)等を基に地方団体に交付すべき特別交付税の額を算定することとなっている。本省は、各財政需要のうち、市町村における統合型地理情報システム(GIS)導入に要する経費(以下「GIS経費」という。)については、算定資料に記載された一般財源による支出額に省令で定める係数を乗ずるなどして算定した額を特別交付税として措置することとなっており、国庫補助金等の特定財源が充当されている事業費部分は、特別交付税の算定の対象外とされている。
 そして、本省は、平成18年度に、鳥取県米子市に対して、GIS経費に係る特別交付税の額29,750,000円を含む特別交付税983,103,000円を交付していた。

2 検査の結果

 本院は、本省、鳥取県及び米子市において、合規性等の観点から、特別交付税が適正に算定されているかに着眼して、会計実地検査を行った。そして、米子市が作成した算定資料等の書類により検査したところ、次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。
 米子市は、GIS経費に係る算定資料を作成するに当たり、このGIS経費に該当する米子市地図情報土地評価システム導入業務委託(事業費85,000,000円)を対象とした18年度市町村合併推進体制整備費補助金(以下「合併補助金」という。)81,069,000円の交付を受けることとしていたことから、算定資料に「決算(見込)予算額85,000千円」と合併補助金81,069,000円を控除した「一般財源3,931千円」を併せて記載して本省に提出していた。そして、この合併補助金81,069,000円は19年4月に本省から同市に交付されていた。
 しかし、本省は、米子市に対するGIS経費に係る特別交付税の額を算定する際に、「一般財源3,931千円」を基に算定すべきところ、誤って「決算(見込)予算額85,000千円」を基に29,750,000円と算定していた。
 したがって、合併補助金81,069,000円を控除した「一般財源3,931千円」を基に適正なGIS経費に係る特別交付税の額を算定すると1,376,000円となり、前記の29,750,000円との差額28,374,000円の特別交付税が米子市に対して過大に交付されており、不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、本省において、特別交付税の額の算定において算定資料の審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。