会計名及び科目 | 一般会計 (組織)文部科学本省 (項)生涯学習振興費 | ||
部局等 | 文部科学本省 | ||
契約名 | (1) | 「地域子ども教室推進事業」事業実施委託(平成16年度) | |
「地域教育力再生プラン」事業実施委託(平成17、18両年度) | |||
(2) | 「家庭教育支援総合推進事業」事業実施委託(平成16年度) | ||
「家庭教育支援総合推進事業」実施委託(平成17、18両年度) | |||
契約の概要 | (1) | 子どもの居場所の設置、ボランティア活動を推進するための研修等を実施するもの | |
(2) | 親等に対する様々な機会を活用した家庭教育に関する講座の開催等を実施するもの | ||
契約の相手方 | (1) | 大阪府子どもの居場所づくり運営協議会 | |
(2) | 大阪府地域家庭教育推進協議会 | ||
契約 | (1) | 平成16年4月ほか随意契約 | |
(2) | 平成16年4月ほか随意契約 | ||
支払額 | (1) | 885,579,699円 | (平成16年度〜18年度) |
(2) | 111,549,505円 | (平成16年度〜18年度) | |
過大になっている支払額 | (1) | 6,592,181円 | (平成16年度〜18年度) |
(2) | 247,935円 | (平成16年度〜18年度) | |
計 | 6,840,116円 |
文部科学本省(以下「本省」という。)は、子どもの居場所の設置、ボランティア活動を推進するための研修等を実施するために、地域子ども教室推進事業及び地域教育力再生プラン(以下、これらを合わせて「地域教育力再生プラン等」という。)を、随意契約により、大阪府子どもの居場所づくり運営協議会に委託して実施しており、これに係る支払額は、平成16年度290,183,331円、17年度332,056,367円、18年度263,340,001円、計885,579,699円となっている。
また、親等に対する様々な機会を活用した家庭教育に関する講座の開催等を実施するために、家庭教育支援総合推進事業を、随意契約により、大阪府地域家庭教育推進協議会(以下、大阪府子どもの居場所づくり運営協議会と合わせて「両協議会」という。)に委託して実施しており、これに係る支払額は、16年度32,274,309円、17年度41,152,706円、18年度38,122,490円、計111,549,505円となっている。
両協議会は、上記の委託された各事業を実施するに当たりその一部を再委託しており、再委託先に対する支払額は、地域教育力再生プラン等は16年度から18年度までの3か年度で計13,233,739円、家庭教育支援総合推進事業は3か年度で計553,400円となっている。
本件委託事業の実施に当たり、委託を受けた者は、本省が定めた委託要綱等に基づき、収入及び支出を明らかにする帳簿を備えて、領収書その他関係証拠書類を保存しておくとともに、自ら適正な監査体制を定めて、監査を実施することとされている。そして、委託を受けた者は、事業終了後、本省に対して、実績報告書、収支精算書等(以下「実績報告書等」という。)を提出して、委託費の額の確定を受けることとされている。
本院は、本省において、合規性等の観点から、地域教育力再生プラン等及び家庭教育支援総合推進事業の実施に当たり、両協議会に委託した委託費の額が適正かなどに着眼して、実績報告書等の書類により会計実地検査を行った。
検査したところ、両協議会が再委託した経費について、再委託先は、実際には事業に従事していないのに謝金を支払ったこととしたり、消耗品を購入していないのに代金を支払ったこととしたりするなどして、事実に基づかない過大な経費を両協議会に報告していたのに、両協議会は、これをそのまま実績報告書等に計上して本省に報告して、額の確定を受けていた。
したがって、本件委託事業について、上記の不適正な支払額を控除して再委託先が実際に要した額を算定すると計6,947,023円となる。そして、これを基に適正な委託費を計算すると、地域教育力再生プラン等は3か年度で計878,987,518円、家庭教育支援総合推進事業は3か年度で計111,301,570円となり、前記委託費の支払額との差額、地域教育力再生プラン等6,592,181円、家庭教育支援総合推進事業247,935円、計6,840,116円が過大に支払われていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、再委託先において不適正な会計経理が行われていたのに、両協議会において、提出された再委託費の実績報告に対する調査及び確認が十分でなかったり、事後の監査が十分でなかったりしていたこと、本省において、両協議会から提出された委託事業に係る実績報告書等に対する調査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。