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  • 平成19年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第8 文部科学省|
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  • 補助金

政府開発援助ユネスコ活動費補助金の経理が不当と認められるもの


(40) 政府開発援助ユネスコ活動費補助金の経理が不当と認められるもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)文部科学本省 (項)文部科学本省
部局等 文部科学本省
補助の根拠 予算補助
補助事業者 ユネスコ・文化交流協会
間接補助事業者
(事業主体)
財団法人ユネスコ・アジア文化センター
補助事業 アジア地域諸国等との文化交流の推進に資する事業
補助事業の概要 アジア地域諸国等との文化交流を促進し、これら諸国の文化の振興と相互理解に寄与するために、上記のセンターが行う事業
補助対象経費 637,090,335円 (平成15年度〜17年度)
上記に対する国庫補助金交付額 580,819,000円
不当と認める補助対象経費 4,196,376円 (平成15年度〜17年度)
不当と認める国庫補助金交付額 4,196,376円 (平成15年度〜17年度)

1 補助事業の概要

 文部科学省は、「ユネスコ活動費補助金・政府開発援助ユネスコ活動費補助金・国際文化交流促進費補助金・文化交流団体補助金・政府開発援助文化交流団体補助金(ユネスコ・文化交流協会補助)交付要綱」(昭和53年文部大臣裁定)等に基づき、ユネスコ・文化交流協会(以下「協会」という。)に対して、平成15、16、17各年度に政府開発援助ユネスコ活動費補助金を交付している。この補助金は、協会が財団法人ユネスコ・アジア文化センター(以下「センター」という。)の実施するアジア地域諸国等との文化交流の推進に資する事業について補助金を交付する場合に、協会に対して同額が交付されるものである。
 センターに交付される補助金は、センターがアジア地域諸国等との文化交流を促進しこれら諸国の文化の振興と相互理解に寄与するために行う文化教育、教育協力等の事業を実施するために必要な経費及びセンターの運営に要する経費のうち文部科学大臣の認めた経費を補助対象経費として、定額で交付されるものである。補助金の額の確定に当たっては、補助事業費(補助対象経費である支出額から自己収入を控除した額)と補助金の交付額とのいずれか低い方の額をもって補助金の確定額とすることとされており、前者が後者を下回った場合には、その差額分を返還することとしている。
 そして、センターは、補助事業に係る支出から会費、寄附金等の自己収入を控除して補助事業費を15年度220,492,000円、16年度188,816,000円、17年度171,511,000円、計580,819,000円として補助金の交付を申請して、同額の補助金の交付を受けていた。そして、上記の各年度とも、実際の補助事業費が補助金交付額と同額であるとする実績報告書を提出して、補助金の額の確定を受けていた。

2 検査の結果

 本院は、合規性等の観点から、補助事業費の算定が適正に行われているかなどに着眼して、センターにおいて会計実地検査を行った。そして、本件事業について実績報告書、会計帳簿等の書類により検査したところ、次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。
 すなわち、センターは、15、16、17各年度の年度末において、補助事業費が補助金交付額を下回る見込みとなったことから、補助金の返還を避けるため多量の切手、プリペイドカード、事務機器等の物品を計4,196,376円で購入することにより、補助事業費と補助金交付額が一致するようにしていた。
 しかし、これらの物品は各年度の補助事業期間中に使用されるものではないことから、これらの購入に係る経費は補助事業を実施するために必要な経費とは認められない。
 このような事態が生じていたのは、センターが補助事業を適正に執行することについて十分に認識していなかったこと、文部科学省及び協会が実績報告書の審査を十分に行っていなかったことなどによると認められる。
 したがって、本件補助事業に係る適正な補助事業費は15年度219,498,035円、16年度187,172,979円、17年度169,951,610円、計576,622,624円となり、前記の補助金交付額580,819,000円との差額計4,196,376円(国庫補助金同額)が過大に交付されていて、不当と認められる。