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  • 平成19年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第10 農林水産省|
  • 不当事項|
  • 補助金

新農業水利システム保全対策事業の実施に当たり、用水路の改修工事等が行われておらず、事業の一部が実施されていないもの


(716) 新農業水利システム保全対策事業の実施に当たり、用水路の改修工事等が行われておらず、事業の一部が実施されていないもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)農林水産本省 (項)北海道農業生産基盤整備事業費
部局等 農林水産本省
補助の根拠 予算補助
補助事業者 北海道
間接補助事業者
(事業主体)
由仁土地改良区
補助事業 新農業水利システム保全対策
補助事業の概要 水田営農の担い手の育成に資する農業水利施設の管理の省力化等を実現するなどのために、平成18年度に老朽化等により機能が低下した用水路の改修工事等を実施するなどのもの
事業費 9,936,500円    
上記に対する国庫補助金交付額 6,468,250円    
不当と認める事業費 6,936,500円    
不当と認める国庫補助金交付額 3,468,250円    

1 補助事業の概要

 この補助事業は、由仁土地改良区(北海道夕張郡由仁町所在)が新農業水利システム保全対策事業の一環として、水田営農の担い手の育成に資する農業水利施設の管理の省力化等を実現するなどのために、同町由仁1地区において、平成18年度に、老朽化等により機能が低下した用水路の改修工事等及び農業水利システム保全計画の策定を事業費9,936,500円(国庫補助金6,468,250円)で実施したものである。
 そして、同土地改良区は、上記の用水路の改修工事等を由仁1地区に係る事業計画どおりに実施したとする実績報告書を作成して、19年5月にこれを北海道に提出するなどしていた。

2 検査の結果

 本院は、北海道及び由仁土地改良区において、合規性等の観点から、本件補助事業が事業計画書等に基づき適正に実施されているかなどに着眼して会計実地検査を行った。そして、本件補助事業について、実績報告書等の書類及び現地の状況を検査したところ、次のような事態が見受けられた。
 すなわち、同土地改良区は、本件補助事業のうち、由仁1地区において行うとしていた用水路の改修工事等を全く実施しておらず、北海道に無断で由仁1地区とは異なる地区において農業水利施設の改修工事等を実施していた。そして、同土地改良区は、実績報告書に虚偽の内容を記載するなどしていた。
 このような事態が生じていたのは、同土地改良区において、補助事業を適正に実施するという認識が欠如していたこと、北海道において、実績報告書に対する審査、確認が十分でなかったことなどによると認められる。
 したがって、本件補助事業は、事業の一部である用水路の改修工事等(事業費6,936,500円)が実施されておらず、これに係る国庫補助金3,468,250円が不当と認められる。