食料産業クラスター推進事業等の実施に当たり、補助の対象とならない経費を事業費に含めていたため、補助対象事業費の精算が過大となっているもの
(726) 食料産業クラスター推進事業等の実施に当たり、補助の対象とならない経費を事業費に含めていたため、補助対象事業費の精算が過大となっているもの
会計名及び科目 |
一般会計 |
(組織)農林水産本省 |
(項)総合食料対策費 |
部局等 |
(1)(2) 北陸農政局 |
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(3) 農林水産本省 |
補助の根拠 |
予算補助 |
補助事業者 |
(1)(2) 福井県 |
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(3) 財団法人食品産業センター |
間接補助事業者 (事業主体) |
福井県食品産業協議会 |
補助事業 |
(1) フードシステム連携強化・循環推進支援 |
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(2) 食品産業機能高度化特別対策 |
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(3) 食料産業クラスター推進 |
補助事業の概要 |
食料産業クラスターの形成による国内農業との連携強化、経営基盤の強化等を通じた食品産業の経営体質の強化のために、食料産業クラスター協議会設立等総合検討委員会の運営、体制確立の支援、需要創出支援等を行うもの |
事業費 |
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(2) |
8,018,235円 |
(平成15、16両年度) |
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(3) |
7,248,655円 |
(平成17、18両年度) |
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上記に対する国庫補助金交付額 |
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不当と認める事業費 |
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(2) |
5,664,871円 |
(平成15、16両年度) |
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(3) |
5,464,264円 |
(平成17、18両年度) |
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不当と認める国庫補助金交付額 |
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(2) |
2,798,303円 |
(平成15、16両年度) |
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(3) |
2,710,528円 |
(平成17、18両年度) |
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1 補助事業の概要
これらの補助事業は、次のとおり、食品産業の経営体質の強化等のための支援を行うもの である。
補助事業名 |
補助事業の概要 |
(1) フードシステム連携強化・循環推進支援事業(平成14年度) |
国産農産物利用、需要に即した食品の生産・消費の拡大等の促進を支援するもの |
(2) 食品産業機能高度化特別対策事業(15、16両年度) |
消費者の多様なニーズを基に、地域農業と連携した特色ある食品の製品化・事業化の促進を支援するもの
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(3) 食料産業クラスター推進事業(17、18両年度) |
食料産業クラスター(注)
の形成による国内農業との連携強化等のため、食料産業クラスター協議会設立等総合検討委員会の運営等を支援するもの |
食料産業クラスター 地域の食材、技術その他の資源を有効に結び付けて、新たな製品、販路、地域ブランド等を創出することを目的とした集団
福井県食品産業協議会(以下「協議会」という。)は、福井県内の食品製造業相互の連携を密にすることなどを目的に昭和49年に設立された団体で、上記の各事業を実施するために、平成14年度から18年度までの各年度に、食品製造業者や学識経験者等を構成員とする総合検討委員会、地域食品産業の振興を担う人材を育成するための研修会の開催等を行ったものである。
そして、協議会は、14、15両年度は「総合食料対策事業実施要領」(平成12年12食流第323号農林水産事務次官依命通知)等に基づき、また、16、17、18各年度は、「総合食料対策事業実施要領」(平成16年15消安第7339号農林水産事務次官依命通知)等に基づき、本件補助事業を14年度3,926,292円、15年度4,026,515円、16年度3,991,720円、17年度3,709,140円、18年度3,539,515円、計19,193,182円(補助対象事業費同額)で実施したとして、福井県又は財団法人食品産業センター(以下「センター」という。)に実績報告書を提出して、国庫補助金14年度1,956,000円、15年度1,980,000円、16年度1,980,000円、17年度1,831,000円、18年度1,765,000円、計9,512,000円の交付を受けていた。
2 検査の結果
本院は、福井県、センター及び協議会において、合規性等の観点から、事業の経理等は適正に実施されているかなどに着眼して会計実地検査を行った。そして、前記の補助事業について、実績報告書等の書類により検査したところ、次のとおり適切でない事態が見受けられた。
ア 協議会は、その本来業務として開催している定例の役員会等の経費等補助の対象とならない経費計11,646,892円を本件補助対象事業費に含めていた。
イ 協議会は、本件補助事業とは別に同県及びセンターから交付を受けて実施していた補助事業に係る謝金等の経費計1,307,789円を本件補助対象事業費に含めていた。
ウ 協議会は、補助金の交付決定前に事業に着手して、これに係る賃金等の経費計1,155,558円を本件補助対象事業費に含めるなどしていた。
このような事態が生じていたのは、協議会において、補助事業の適正な実施に対する認識が欠けていたこと、同県及びセンターにおいて、本件補助事業の審査、確認及び協議会に対する指導監督が十分でなかったことなどによると認められる。
したがって、適正な国庫補助対象事業費は計5,082,943円となり、前記の国庫補助対象事業費計19,193,182円との差額計14,110,239円が過大に精算されていて、これに係る国庫補助金計6,993,967円が不当と認められる。