会計名及び科目 | 一般会計 | (組織)農林水産本省 | (項)総合食料対策費 |
部局等 | 農林水産本省 | ||
補助の根拠 | 予算補助 | ||
補助事業者(事業主体 ) | 株式会社エヌエイチケイエデュケーショナル | ||
補助事業 | にっぽん食育推進 | ||
補助事業の概要 | 食育を推進するために、平成18年度に、地域において、地域の食材や特有の食文化を紹介するとともに健全な食生活に係る啓発等を行うための食育推進イベントを開催するもの | ||
事業費 | 113,000,000円 | ||
上記に対する国庫補助金交付額 | 73,000,000円 | ||
不当と認める事業費 | 44,525,259円 | ||
不当と認める国庫補助金相当額 | 4,525,259円 |
この補助事業は、株式会社エヌエイチケイエデュケーショナル(東京都渋谷区)が、にっぽん食育推進事業の一環として、食育を全国的に推進するとともに、国民一人一人が「食」について自ら考える習慣を身につけることを目的として、平成18年度に全国の10地域において、地域の食材や特有の食文化の紹介等を行うイベント(以下「食育フェア」という。)を開催したものである。
同会社は、本件補助事業を消費税(地方消費税を含む。以下同じ。)を含めて事業費113,000,000円(国庫補助金73,000,000円)で実施したとして、19年4月に農林水産本省に実績報告書を提出して、これにより国庫補助対象事業費の精算を受けていた。
「総合食料対策事業関係補助金等交付要綱」(平成16年15消安第7340号農林水産事務次官依命通知)等によると、補助事業の事業主体は、実績報告書の提出後に、消費税の申告をして仕入税額控除(注) した消費税額に係る補助金の額が確定したときには、その金額を速やかに農林水産本省に報告するとともに、当該金額を返還しなければならないこととなっている。
本院は、農林水産本省及び株式会社エヌエイチケイエデュケーショナルにおいて、合規性等の観点から、事業の経理等は適正に実施されているかなどに着眼して会計実地検査を行った。そして、本件補助事業について、実績報告書等の書類により検査したところ、次のような事態が見受けられた。
ア 同会社は、本件補助事業である食育フェアと最新医療の情報イベント(以下「健康フェア」という。)を同じ会場で同時に開催しており、健康フェアに係る経費を含めて事業費を前記のとおり計113,000,000円としていた。
しかし、上記の事業費のうち11,681,051円については支出されておらず、実際に要した事業費は101,318,949円であり、また、この事業費の内訳をみると、食育フェアの事業費は51,659,040円、健康フェアの事業費は19,315,249円、両者に共通する事業費が30,344,660円であった。
そして、健康フェアは補助の対象とならないことから、上記の共通する事業費をイベントの実施運営等に従事した職員の業務量等の割合に応じて案分するなどして、食育フェアに係る補助対象事業費を算出すると71,136,766円となる。
イ 同会社は、19年5月に消費税の確定申告を行い、本件補助事業に係る消費税額3,702,685円を仕入税額控除していたが、これに係る補助金の額2,662,025円を報告、返還していなかった。
このような事態が生じていたのは、次のことなどによると認められる。
ア 同会社において、補助事業の適正な実施に対する認識が欠けていたこと及び仕入税額控除した消費税額に係る補助金の額の報告及び返還義務について認識していなかったこと
イ 同省において、本件補助事業の審査、確認及び同会社に対する指導が十分でなかったこと
したがって、適正な国庫補助対象事業費は、食育フェアに係る補助対象事業費71,136,766円から仕入税額控除した消費税額に係る補助金の額2,662,025円を控除した68,474,741円となるので、この適正な国庫補助対象事業費と前記の事業費113,000,000円との差額44,525,259円が過大に精算されていて、これに係る国庫補助金相当額4,525,259円が不当と認められる。