会計名及び科目 | 一般会計 | (組織)農林水産本省 | (項)総合食料対策費 |
部局等 | 農林水産本省 | ||
補助の根拠 | 予算補助 | ||
補助事業者 (事業主体) |
吉村化成株式会社 | ||
補助事業 | 食品リサイクル促進技術開発 | ||
補助事業の概要 | 再資源化の支障となっている食品容器等の分別問題を解決するために、平成14年度に食品容器等に分別不要な生分解性素材を導入・実用化するための技術開発を行うもの | ||
事業費 | 15,094,600円 | ||
上記に対する国庫補助金交付額 | 14,775,000円 | ||
不当と認める事業費 | 2,881,266円 | ||
不当と認める国庫補助金相当額 | 2,881,189円 |
この補助事業は、吉村化成株式会社(奈良県香芝市)が、食品リサイクル促進技術開発事業の一環として、再資源化の支障となっている食品容器等の分別問題を解決するために、平成14年度に食品容器等に分別不要な生分解性素材(注1)
を導入・実用化するための技術開発を行ったものである。
同会社は、本件補助事業について、技術開発のための機械装置の購入等を消費税(地方消費税を含む。以下同じ。)を含めて、事業費15,094,600円(国庫補助対象事業費同額、国庫補助金14,775,000円)で実施している。そして、15年4月に農林水産本省に実績報告書を提出して、これにより国庫補助対象事業費の精算を受けていた。
「総合食料対策事業関係補助金交付要綱」(平成12年12食流第324号農林水産事務次官依命通知)等によると、補助事業の事業主体は、実績報告書の提出後に、消費税の申告をして仕入税額控除(注2) した消費税額に係る補助金の額が確定したときには、その金額を速やかに農林水産本省に報告するとともに、当該金額を返還しなければならないこととなっている。
本院は、農林水産本省及び吉村化成株式会社において、合規性等の観点から、事業の経理等は適正に実施されているかなどに着眼して会計実地検査を行った。そして、本件補助事業について、実績報告書等の書類により検査したところ、次のような事態が見受けられた。
ア 同会社は、本件補助事業の実施に当たり、機械装置を計11,025,000円(消費税込み)で購入している。このうち、2,446,500円(消費税込み)で購入した除じん機は、本件補助事業が目的とする技術の開発には必要がないため補助の対象とはならないものであるにもかかわらず、同会社はこの購入費を補助対象事業費に含めていた。このため、補助対象事業費が、消費税相当額を除き2,330,000円過大に精算されていた。
イ 同会社は、15年10月に消費税の確定申告を行い、本件補助事業に係る消費税額551,266円を仕入税額控除していたが、これに係る補助金の額551,189円を報告、返還していなかった。
このような事態が生じていたのは、次のことなどによると認められる。
ア 同会社において、補助事業の適正な実施に対する認識が欠けていたこと及び補助事業における消費税の取扱いについての理解が十分でなかったこと
イ 農林水産本省において、本件補助事業の審査、確認及び同会社に対する指導が十分でなかったこと
したがって、適正な国庫補助対象事業費は、前記の事業費15,094,600円から仕入税額控除した消費税額551,266円及び過大に精算された額2,330,000円を除いた12,213,334円となり、前記の国庫補助対象事業費15,094,600円との差額2,881,266円が過大に精算されるなどしている。そして、上記の適正な国庫補助対象事業費12,213,334円に基づく国庫補助金相当額11,893,811円と国庫補助金交付額14,775,000円との差額2,881,189円が過大となっていて不当と認められる。