会計名及び科目 | 一般会計 | (組織)水産庁 | (項)水産業振興費 |
部局等 | 水産庁 | ||
補助の根拠 | 予算補助 | ||
補助事業者 (事業主体) |
社団法人海外水産コンサルタンツ協会 | ||
補助事業 | 海外漁業協力効率化促進 | ||
補助事業の概要 | 海外漁業協力事業に対する開発途上国の要望等を把握するために、平成19年度に当該開発途上国の漁業の現状と問題点を調査分析する事前調査等を実施するもの | ||
事業費 | 84,144,031円 | ||
上記に対する国庫補助金交付額 | 42,019,000円 | ||
不当と認める事業費 | 4,837,710円 | ||
不当と認める国庫補助金相当額 | 2,365,840円 |
この補助事業は、社団法人海外水産コンサルタンツ協会(以下「協会」という。)が、平成19年度に我が国の海外漁業協力事業に対する開発途上国の要望等を把握するために、当該開発途上国の漁業の現状と問題点を調査分析する事前調査等の事業を実施したものである。
水産庁が定めた海外漁業協力効率化促進事業公募要領(平成19年18水管第3683号)によれば、当該補助事業に係る補助対象経費は調査費と国内事務費とされている。この国内事務費のうちの賃金は、事業を実施するために事業主体が雇用した者等に対して支払う実働に応じた対価とされており、賞与、住宅手当等は補助の対象から除外するとされている。
そして、協会は、本件補助事業を84,144,031円で実施したとして、水産庁に実績報告書を提出して、これに対して国庫補助金42,019,000円の交付を受けていた。
本院は、合規性等の観点から、補助事業に係る経理が適切に行われているかなどに着眼して、水産庁及び協会において会計実地検査を行った。そして、本件補助事業について、実績報告書等の書類により検査したところ、次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。
すなわち、協会は、補助事業に要した経費(以下「補助事業費」という。)の算定に当たり、補助の対象とならない賞与、住宅手当等を賃金に含めていたり、一月のうちに本件補助事業に従事していない日があるのに賃金のすべてを補助事業費に含める月がある一方で、従事した日があるのに賃金のすべてを補助事業費から除外する月があるなど従事実績に基づかずに賃金を算出したりしていた。
このような事態が生じていたのは、協会において、補助事業費の算定についての理解が十分でなかったこと、水産庁において、本件補助事業の審査、確認が十分でなかったり、協会に対する指導が十分でなかったりしたことによると認められる。
したがって、賞与、住宅手当等を除外するとともに、本件補助事業への従事実績に基づいて賃金を算定するなどすると、適正な補助事業費は79,306,321円となり、前記の補助事業費84,144,031円との差額4,837,710円が過大に算定されるなどしていて、これに係る国庫補助金相当額2,365,840円が不当と認められる。