土地区画整理事業等の実施において支障となる水道管等の移設補償費の算定に当たり、財産価値の減耗分を控除していなかったなどのため、補償費が過大となっているもの
(789)(790) 土地区画整理事業等の実施において支障となる水道管等の移設補償費の算定に当たり、財産価値の減耗分を控除していなかったなどのため、補償費が過大となっているもの
会計名及び科目 |
一般会計 |
(組織)国土交通本省 |
(項)都市計画事業費 |
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道路整備特別会計(平成20年度以降は社会資本整備事業特別会計(道路整備勘定)) |
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(項)地方道路整備臨時交付金 |
部局等 |
2都県 |
補助の根拠 |
道路整備費の財源等の特例に関する法律(昭和33年法律第34号)、下水道法(昭和33年法律第79号) |
補助事業者 (事業主体) |
都1、市1、計2事業主体 |
補助事業 |
水道管等移設補償 |
補助事業の概要 |
道路を整備したり、下水道管きょを築造したりするなどのために、平成18年度に、支障となる水道管等の移設補償を行うもの |
事業費の合計 |
70,028,921円 |
(うち国庫補助対象額59,318,353円) |
上記に対する国庫補助金交付額の合計 |
31,248,648円 |
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不当と認める事業費 |
12,244,564円 |
(うち国庫補助対象額11,495,334円) |
不当と認める国庫補助金相当額 |
6,099,994円 |
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1 水道管等移設補償の概要
都道府県等の事業主体は、土地区画整理事業、公共下水道事業等の一環として、道路を整備したり、下水道管きょを築造したりするなどのために、支障となる水道管等の移設補償を行っている。
上記土地区画整理事業等の公共事業の施行に伴い機能の廃止等が必要となる既存の公共施設等についてその機能回復を図ることを目的とする公共補償については、「公共事業の施行に伴う公共補償基準要綱」(昭和42年閣議決定)及び「公共補償基準要綱の運用申し合せ」(昭和42年用地対策連絡会)(以下、これらを「公共補償基準」という。)に基づき、事業主体が、その原因者として水道管等の公共施設等の管理者に対して補償費を支払うものとされている。
そして、公共補償基準によると、公共事業の施行に伴い、公共施設等の管理者が、機能の廃止等が必要となる施設等と同等の代替施設を建設する場合には、事業主体は、当該施設の建設に要する費用から既存の施設等の機能廃止時までの財産価値の減耗分(以下「財産価値の減耗分」という。)等を控除するなどして補償費を算定することとなっている。この財産価値の減耗分については、当該施設を新たに建設するのに必要な費用に基づき、補償時点における対象施設の耐用年数に対する経過年数に応じて算定することとなっている。ただし、国、地方公共団体又はこれらに準ずる団体によって管理されている公共施設等については、当該施設等に係る決算が継続的に赤字状況にあるなど、減耗分相当額を調達することが極めて困難な場合等のやむを得ないと認められるときは、財産価値の減耗分の全部又は一部を控除しないことができることとなっている。
2 検査の結果
本院は、東京都及び徳島県美馬市において、合規性、経済性等の観点から、補償費の算定が適切に行われているかなどに着眼して、補償契約書等の書類により会計実地検査を行った。
検査したところ、上記の2事業主体において、水道管等の移設補償費の算定に当たり、財産価値の減耗分を控除しないことができる場合に当たらないことから、これを控除しなければならないのに、誤って、控除していないなどしていた。
このため、補償費計12,244,564円(うち国庫補助対象額11,495,334円)が過大になっており、これに係る国庫補助金相当額6,099,994円が過大に交付されていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、2事業主体において、補償費の算定に当たり、公共補償基準の取扱いについての理解が十分でなかったことなどによると認められる。
これを事業主体別に示すと次のとおりである。
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都県名 |
事業主体 |
年度 |
事業費 (国庫補助対象事業費) |
左に対する国庫補助金交付額 |
不当と認める事業費 (国庫補助対象事業費) |
不当と認める国庫補助金 |
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千円 |
千円 |
千円 |
千円 |
(789)
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東京都
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東京都
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18 |
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17,484 |
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3875 |
東京都は、土地区画整理事業の施行に伴い支障となる水道管等の移設補償費の算定に当たり、既存の水道管等と同等の水道管等を建設するのに要する費用17,323,455円について、財産価値の減耗分を控除していなかった。
しかし、水道事業の平成15年度から17年度までの収益的収支の決算はいずれも黒字となっており、継続的な赤字状況にないなど、減耗分相当額を調達することが極めて困難な場合等のやむを得ないと認められるときには該当しないことから、財産価値の減耗分を控除すべきであった。
したがって、本件補償費は、水道管等の耐用年数40年に対する移設対象の水道管等の経過年数16年及び22年に応じた減耗分相当額計7,046,553円(全額国庫補助対象額)が過大になっており、これに係る国庫補助金相当額3,875,604円が過大に交付されている。
(790)
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徳島県
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美馬市
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18 |
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13,764 |
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2,224 |
美馬市は、公共下水道事業の施行に伴い支障となる水道管等の移設補償費の算定に当たり、既存の水道管等と同等の水道管等を建設するのに要する費用7,360,000円について、財産価値の減耗分を控除していなかった。また、補償費に係る消費税相当額1,450,200円を加算していた。
しかし、美馬市における水道事業の平成16、17両年度の収益的収支の決算は黒字となっており、継続的な赤字状況にないなど、減耗分相当額を調達することが極めて困難な場合等のやむを得ないと認められるときには該当しないことから、財産価値の減耗分を控除すべきであった。また、本件水道事業管理者は、消費税法(昭和63年法律第108号)上、課税売上高に対する消費税額から課税仕入れに係る消費税額の全額を控除することができる事業者に該当しており、このような場合には、消費税相当額は補償費の算定上考慮しないこととされていることから、補償する必要がなかった。
したがって、本件補償費は、水道管等の耐用年数40年に対する移設対象の水道管等の経過年数12年、14年及び27年に応じた減耗分相当額計3,747,811円、補償の必要がなかった消費税相当額1,450,200円、合計5,198,011円(うち国庫補助対象額4,448,781円)が過大になっており、これに係る国庫補助金相当額2,224,390円が過大に交付されている。
(789)(790)の計 |
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31,248 |
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6,099 |