会計名及び科目 | 一般会計 | (組織)国土交通本省 | |
(項)都市計画事業費 | |||
(項)揮発油税等財源都市環境整備事業費 | |||
(項)都市環境整備事業費 | |||
道路整備特別会計(平成20年度以降は社会資本整備事業特別会計(道路整備勘定)) | |||
(項)道路環境整備事業費 | |||
部局等 | 4府県 | ||
補助の根拠 | 都市公園法(昭和31年法律第79号)、下水道法(昭和33年法律第79号)、都市再生特別措置法(平成14年法律第22号)、道路法(昭和27年法律第180号) | ||
補助事業者 (事業主体) |
県1、市3、計4事業主体 | ||
補助事業 | 浸水対策下水道事業、都市公園事業等 | ||
補助事業の概要 | 浸水対策のため雨水管きょを築造したり、都市公園を整備するために用地を取得したりするなどのもの | ||
事業費の合計 | 25,048,028,902円 | ||
上記に対する国庫補助金交付額の合計 | 12,231,249,080円 | ||
不当と認める事業費 | 49,350,008円 | (平成16年度〜18年度) | |
不当と認める国庫補助金相当額 | 23,704,706円 | (平成16年度〜18年度) |
国土交通省は、同省所管の補助事業の実施に要する経費について、事業主体に対して直接又は間接に国庫補助金を交付している。そして、同省都市・地域整備局所管の補助事業における事業費の内容及び算定方法については、「都市・地域整備局所管国庫補助金交付申請等要領」(平成13年6月27日国都総第2000号国土交通省都市・地域整備局長通知。以下「申請要領」という。)に定められている。
申請要領によると、補助事業の事業費は、本工事費、用地費、補償費等から成る工事費と職員の人件費、旅費、庁費等から成る事務費に区分されている。このうち、事務費については、事業費を一定の金額の段階に区分して、区分ごとにそれぞれ定められた率(以下「事務費率」という。)を乗じて得た額を合計して事務費補助限度額として、その範囲内の額とすることとなっている。そして、工事の全部又は一部を他の地方公共団体等に委託して施行する場合、用地費等に係る公共施設管理者負担金(注)
を支払う場合及び土地開発公社等から先行取得用地を再取得する場合は、事業主体が自ら行う事務量が軽減され、その分の人件費や旅費、庁費等の費用を要しないことから、上記により算出した額から、当該委託費、負担金及び再取得費の合計額に事務費率を乗じて得た額の2分の1を控除した額を事務費補助限度額とすることとなっている。
本院は、28都道府県及びその管内の294市区町等において、合規性等の観点から、補助の対象となる事務費の算定が適切に行われているかなどに着眼して、完了実績報告書等の書類により会計実地検査を行った。 検査したところ、4事業主体が事業費計25,048,028,902円(国庫補助金12,231,249,080円)で実施した浸水対策下水道事業、都市公園事業等において、補助の対象となる事務費の算定が次のとおり適切でなかった。
すなわち、4事業主体は、上記の事業費に事務費率を乗じて事務費補助限度額を計370,152,000円と算定して、この範囲内で執行された事務費計347,141,764円を補助の対象としていた。
しかし、この事業費には、国や他の地方公共団体等への工事の委託費、公共施設管理者負担金及び土地開発公社からの先行取得用地の再取得費が計5,059,204,939円含まれており、当該委託費等の額に事務費率を乗じて得た額の2分の1を控除しなければならないのに、4事業主体は、誤って、これを控除することなく事務費補助限度額を算定していた。
したがって、所要の控除を行って適正な事務費補助限度額を算定すると、一部の事業主体で計上していなかった工事費の額11,269,392円を考慮しても計286,522,364円となり、前記の補助の対象とした事務費計347,141,764円は60,619,400円過大になっていた。そして、上記の適正な事務費補助限度額及び計上していなかった工事費を基に改めて事業費を算定すると計24,998,678,894円となり、本件事業費計25,048,028,902円は49,350,008円過大になっており、これに係る国庫補助金相当額23,704,706円が過大に交付されていて、不当と認められる。
上記の事態について、一例を示すと次のとおりである。
新潟市は、下水道事業の一環として、浸水対策のために、平成17、18両年度に雨水管きょ築造工事等を事業費計15,459,700,000円(うち国庫補助金7,729,850,000円)で実施している。
上記の事業費のうち事務費については、事業費の額に事務費率を乗じて事務費補助限度額を143,298,000円と算定して、この範囲内で執行された事務費142,969,898円を補助の対象としていた。
しかし、この事業費には、国管理の空港内における雨水管きょ敷設工事、新潟県管理の排水機場内におけるポンプ場上屋建設工事等を国や県等に委託して施行した工事に係る委託費1,900,420,464円が含まれているのに、当該委託費の額に事務費率を乗じて得た額の2分の1を控除することなく事務費補助限度額を算定していた。
したがって、委託費に係る所要の控除を行って適正な事務費補助限度額を算定すると116,370,456円となり、前記の補助の対象とした事務費142,969,898円は26,599,442円過大になっており、これに係る国庫補助金相当額13,299,721円が過大に交付されている。
このような事態が生じていたのは、4事業主体において、補助の対象となる事務費の算定に当たり、委託費等に係る控除についての認識等が十分でなかったことなどによると認められる。
これを事業主体別に示すと次のとおりである。