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  • 平成19年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第13 環境省|
  • 不当事項|
  • 補助金

(818) 浄化槽設置整備事業において、架空の浄化槽設置工事に対して交付した助成金を補助対象事業費に含めていたため国庫補助金が過大に交付されているもの


(818) 浄化槽設置整備事業において、架空の浄化槽設置工事に対して交付した助成金を補助対象事業費に含めていたため国庫補助金が過大に交付されているもの

会計名及び科目
一般会計 (組織)環境本省 (項)廃棄物処理施設整備費
部局等
栃木県
補助の根拠
予算補助
補助事業者
(事業主体)
栃木県那須塩原市(平成16年12月31日以前は那須郡西那須野町)
補助事業
浄化槽設置整備
補助事業の概要
浄化槽の設置又は改築を行う者に対して、これらに要する費用を市町村等が助成する場合に、その費用の一部を国が補助するもの
事業費
149,487,000円
(平成15、16両年度)
上記に対する国庫補助金交付額
49,829,000円
 
不当と認める事業費
12,849,000円
(平成15、16両年度)
不当と認める国庫補助金交付額
4,283,000円
(平成15、16両年度)

1 補助金の概要

 浄化槽設置整備事業費国庫補助金は、生活雑排水対策を推進する必要がある地域において、浄化槽の計画的な整備を図るために、浄化槽の設置又は改築を行う者に対して、これらに要する費用を市町村等が助成する場合に、その費用の一部を国が補助するものである。
 栃木県那須塩原市(平成16年12月31日以前は那須郡西那須野町)は、浄化槽を設置した者に対して、合併処理浄化槽設置費補助金(以下「助成金」という。)を15年度40,713,000円(設置基数104基)、16年度108,774,000円(同282基)、計149,487,000円(同386基)交付している。そして、上記の助成金交付額と同額を補助対象事業費として国に補助金の交付申請を行い、この補助対象事業費に補助率3分の1を乗じた額15年度13,571,000円、16年度36,258,000円、計49,829,000円の国庫補助金の交付を受けていた。

2 検査の結果

 本院は、那須塩原市において、合規性等の観点から、補助金交付の対象となった助成金の交付申請書どおりに浄化槽が適正に設置されているかなどに着眼して会計実地検査を行った。そして、助成金に係る交付申請書とその添付書類、実績報告書等の書類を精査するとともに現地の確認を行うなどして検査を行ったところ、次のような事態が見受けられた。
 すなわち、前記386基の浄化槽のうち32基(15年度15基、16年度17基)は、同市の助成金交付事務を担当する職員が、過去の助成金交付申請書の添付書類を複写するなどして偽造した虚偽の交付申請書等により、助成金の交付を申請した架空の浄化槽設置工事に係るものであった。そして、同職員は、上記の虚偽の申請に基づき、15、16両年度に助成金12,849,000円を領得していた。
 したがって、適正な補助対象事業費はこれら架空の浄化槽設置工事に係る補助対象事業費を除いた136,638,000円(15、16両年度)となり、前記の補助対象事業費149,487,000円(15、16両年度)との差額12,849,000円が過大となっており、これに係る国庫補助金4,283,000円(15、16両年度)が不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、同市において、補助事業を適正に執行するための管理機能が十分に働いていなかったことなどによるものと認められる。