科目
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一般勘定 (項)助成金
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部局等
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独立行政法人情報通信研究機構本部
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助成の根拠
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独立行政法人情報通信研究機構法(平成11年法律第162号)
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助成事業者
(事業主体)
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イー・アグリ株式会社
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助成事業
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通信・放送新規事業
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助成事業の概要
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情報通信分野のベンチャー企業等に対して、通信・放送事業分野における新規事業の創出を促進するため、事業実施に必要な資金を交付するもの
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事業費
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39,226,238円
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上記に対する助成金交付額
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19,612,000円
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(平成16年度)
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不当と認める事業費
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8,071,102円
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(平成16年度)
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不当と認める助成金交付額
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4,035,000円
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(平成16年度)
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独立行政法人情報通信研究機構(以下「機構」という。)は、特定通信・放送開発事業実施円滑化法(平成2年法律第35号)に基づき、電気通信による情報の円滑な流通の促進を図り、我が国の情報化の均衡ある発展に資するために、通信・放送事業分野に属する事業のうち、新たな役務を提供する事業又は新技術を用いて役務の提供の方式を改善する事業の実施について、国の補助金を財源とした通信・放送新規事業助成金(以下「助成金」という。)を交付している。
機構は、平成16年度に、農産物流通におけるインターネットを利用した電子商取引システムを構築する「インターネット顔の見える農産物卸売市場システム」について、イー・アグリ株式会社(以下「事業主体」という。)から交付申請を受け付けたことから、16年10月に助成金20,000,000円の交付決定を行っている。そして、機構は、17年3月に事業主体から助成対象事業費39,226,238円で実施したとする実績報告書の提出を受けて、その内容を審査して、同年4月に、助成金の額の確定を行い、助成金19,612,000円(助成率2分の1)を事業主体に交付している。
本院は、機構及び事業主体において、本件助成事業について合規性等の観点から、外注費等は適正に支払われているかなどに着眼して、実績報告書等の書類により会計実地検査を行った。
検査したところ、事業費の支払において次のように適正とは認められない事態が見受けられた。
すなわち、事業主体は、試作開発費として外注費18,900,000円を要したとしていたが、実際には、外注費の額を14,587,400円に減額して支払っていた。
また、事業主体は、コンサルティング経費として法律事務所による法律上の助言等に係る経費1,904,762円を要したとしていたが、実際には、同経費を支払っていなかった。
さらに、手続諸経費として特許出願及び商標登録の申請に係る経費1,978,540円を要したとしていたが、実際には、一部の商標登録の申請のみを行っており、これに要した額は124,800円であった。
これらのことから、事業主体は、実績報告書に記載の事業費より8,071,102円低額で本件事業を実施しており、適正な助成対象事業費を計算すると31,155,136円となり、前記の助成対象事業費39,226,238円との差額8,071,102円が過大に精算されていて、これに係る助成金4,035,000円が過大に交付されており不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、事業主体において助成事業の適正な実施に対する認識が十分でなかったこと、機構において事業主体に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。