科目
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貸付金
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部局等
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独立行政法人奄美群島振興開発基金本部
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貸付けの根拠
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奄美群島振興開発特別措置法(昭和29年法律第189号)
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貸付金の種類
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観光関連産業振興資金
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貸付けの内容
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船舶のエンジンを購入するために必要な資金の貸付け
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貸付先
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遊漁船業等を営む者
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貸付金額
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6,100,000円
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不当貸付金額
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6,100,000円
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独立行政法人奄美群島振興開発基金(以下「基金」という。)は、奄美群島振興開発特別措置法(昭和29年法律第189号)に基づき、奄美群島(鹿児島県奄美市及び大島郡の区域をいう。)において奄美群島振興開発計画に基づく事業を行う中小規模の事業者で銀行等の金融機関から資金の融通を受けることが困難な者等に対して、事業資金を貸し付けている。
この貸付けに当たり、借入者は、借用証書の特約条項等により、貸付対象事業を借入金受領後6か月以内に完成させて、速やかに融資対象事業完了報告書(以下「完了報告書」という。)を基金に提出することとなっている。一方、基金は、融資対象事業完成の確認事務取扱要領により、1件500万円以上の貸付金について、当該貸付後における資金使途を実地確認することとなっている。
基金は、平成18年6月に、遊漁船業等を営む個人に対して船舶のエンジンを購入するために必要な資金6,825,000円(貸付対象事業費同額)の一部として、観光関連産業振興資金6,100,000円を年利率2.05%、貸付期間6年6か月で貸し付けていた。
本院は、基金本部において会計実地検査を行った。そして、上記の貸付けについて、合規性等の観点から、貸付対象事業が適正に実施されているかなどに着眼して、借用証書、借入申込書等の書類により検査するとともに、現地に赴いて当該事業の実施状況を調査した。
検査したところ、本件貸付対象事業の完了報告書が事業完成期限(18年12月)を大幅に超えた20年3月の会計実地検査時点においても提出されておらず、また、基金は前記の要領に定められた実地確認を実施していなかった。そこで、現地で本件貸付対象事業の実施状況を確認したところ、借入者は貸付対象事業であるエンジンの購入を行っていなかった。
このような事態が生じていたのは、基金において、長期にわたり完了報告書が提出されていないにもかかわらず貸付対象事業の実施状況の確認が適切でなかったことによると認められる。
したがって、本件貸付金6,100,000円は、貸付対象事業が実施されておらず、不当と認められる。
なお、本件不当貸付金残高4,690,000円については、20年7月までに繰上償還された。