科目
|
経常費用
|
||
部局等
|
国立大学法人東北大学
|
||
契約名
|
(1)
|
東北大学病院外来診療棟5階眼科屈折矯正手術室間仕切その他改修工事
|
|
(2)
|
東北大学病院外来診療棟5階眼科屈折矯正手術室改修機械設備工事
|
||
(3)
|
東北大学病院外来診療棟5階眼科屈折矯正手術室建具その他改修工事
|
||
契約の概要
|
東北大学病院の眼科に屈折矯正手術室を整備する目的で、外来診療棟の間仕切りなどの改修を行うもの
|
||
契約額
|
(1)
|
9,660,000円
|
|
(2)
|
6,825,000円
|
||
(3)
|
6,615,000円
|
||
計
|
23,100,000円
|
||
契約の相手方
|
株式会社小田原工務店
|
||
支払
|
(1)
|
平成19年3月
|
|
(2)
|
平成19年3月
|
||
(3)
|
平成19年3月
|
||
適正を欠くと認められる契約額
|
(1)
|
9,660,000円
|
|
(2)
|
6,825,000円
|
||
(3)
|
6,615,000円
|
||
計
|
23,100,000円
|
国立大学法人東北大学(以下「東北大学」という。)の会計事務は、国立大学法人東北大学会計規程(平成16年規第77号。以下「会計規程」という。)等に基づき行うこととされている。そして、契約を締結する場合には、原則として競争に付するとともに、入札の方法をもってこれを行うこととされている。しかし、工事の請負契約で予定価格が1000万円を超えないなどの場合には、随意契約によることができることとされている。
また、原則として、契約を締結しようとするときは、見積書を徴して、あらかじめ、設計書等により予定価格を設定したり、競争により落札者を決定したなどのときは、契約書を作成したりしなければならないこととなっている。
東北大学は、平成18年度に、東北大学病院の眼科に屈折矯正手術室を整備する目的で、外来診療棟の間仕切りを改修するなどの3件の工事を、いずれも株式会社小田原工務店(以下「小田原工務店」という。)に発注して、小田原工務店は、18年11月から12月にかけて工事を施工している。
そして、東北大学は、本件3工事の契約等に係る一連の会計事務を次のとおり行ったとしていた。
〔1〕 東北大学病院において営繕工事契約等を所掌している経理課施設企画室(以下「施設企画室」という。)が、同年10月又は11月に、各工事の設計書を作成して、これにより各工事の予定価格を設定した。
〔2〕 施設企画室が、各工事について、小田原工務店等3社から、同年10月又は11月に見積書を徴して見積合わせを行った。
〔3〕 施設企画室が、本件3工事のすべてが、会計規程等により随意契約によることができるとされている予定価格が1000万円を超えないなどの工事に該当することとして、〔2〕 の見積合わせにおいて〔1〕 の予定価格の範囲内で最低の見積額を提示した小田原工務店と随意契約により契約を締結することにした。そして、同年10月30日、11月6日、同月14日に、それぞれ9,660,000円、6,825,000円、6,615,000円を契約金額とする工事請負契約書を取り交わすなどして、小田原工務店に本件3工事を発注した。
〔4〕 19年3月に、東北大学の本部財務部資金管理課は、契約代金の計23,100,000円を小田原工務店に支払った。
本院は、合規性等の観点から、本件3工事に係る会計事務が会計規程等に基づき適正に行われているかなどに着眼して、東北大学において、本件3工事に係る契約書等の書類により、会計実地検査を行った。
検査したところ、東北大学は、本件3工事について、工事の発注に先立って、あらかじめ見積書を徴するなどの会計規程等に定められた契約事務を一切行わずに、18年10月に本件3工事を口頭で一括して小田原工務店に発注していた。そして、工事完了後の19年2月に、小田原工務店への発注を正当化するために、一括して発注した工事を本件3工事に分けて、会計規程等で認められる随意契約となるようにして、それぞれの契約について予定価格を設定したり、18年10月又は11月の日付の契約書を作成したりするなどしていた。
このように、本件3工事について、会計規程等に定められた契約事務を行うことなく工事を発注して、工事完了後に予定価格を設定したり、契約書を作成したりするなどしていたことは、東北大学の会計規程等における会計制度の基本原則を逸脱して著しく適正を欠いていて、契約額計23,100,000円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、東北大学において、職員の会計規程等を遵守して適正に契約事務を行う認識が欠如していたこと、職員に対する会計規程等の法令を遵守することの重要性についての周知徹底が十分でなかったことなどによると認められる。