平成19年10月から20年9月までの間に、所管庁から現金出納職員の保管する現金の亡失についての通知を受理したものは28件8,955,495円である。これに繰越し分27件1,552,558,262円を加えて、処理を要するものは55件1,561,513,757円であり、そのうち上記の期間内に処理したものは40件1,054,217,135円である。
処理を要するもの及び処理したものの所管別内訳は、次表のとおりである。
処理したものの内訳は次のとおりである。
〔1〕 | 現金出納職員に弁償責任があると検定したもの | 4件 | 21,904,845円 |
〔2〕 | 現金出納職員に弁償責任がないと検定したもの | 1件 | 20,000円 |
〔3〕 | 現金出納職員が現金を亡失したことによって生じた損害の全額が既に補てんされているもの | 21件 | 23,342,977円 |
〔4〕 | 現金出納職員が現金を亡失したことによって生じた損害の全額について、国と現金出納職員との間に裁判上の和解が成立しているものなど | 14件 | 1,008,949,313円 |
現金出納職員に弁償責任があると検定したものの概要は次のとおりである。
〔1〕 東北郵政局管内五戸郵便局出納員佐々木某が、15年1月21日及び3月4日に、預金者から受領した定額郵便貯金預入金等3,432,336円を領得したもの
〔2〕 東京郵政局管内代々木郵便局出納員勝某が、15年3月26日に、契約者から受領した簡易生命保険の貸付弁済金7,876,236円を領得したもの
〔3〕 東海郵政局管内浅羽郵便局出納員伊藤某が、15年2月14日及び3月13日に、部内職員からの正規の事務処理とは異なっている保険解約還付金等の支払請求に対して関係書類を形式的に確認するだけで払い渡して、当該部内職員に保険解約還付金等4,031,942円を領得されたもの
〔4〕 九州郵政局管内折尾郵便局出納員有田某が、13年4月12日及び5月11日に、預金者から払戻しを依頼されて預かった定額郵便貯金証書を内務の職員に提出して交付を受けた定額郵便貯金払戻金6,564,331円を領得したもの
また、現金出納職員に弁償責任がないと検定したものは、拘置所の現金出納職員が偽造紙幣を受領したため現金を亡失した事態について、現金出納職員が善良な管理者の注意を怠ったことによりその保管現金を亡失したものではないと認めたものである。