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  • 平成19年度|
  • 第6章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第1節 国の財政等の概況

国が資本金の2分の1以上を出資している法人


第2 国が資本金の2分の1以上を出資している法人

 平成19年度末において国が資本金の2分の1以上を出資している法人(清算中の法人等を除く。以下同じ。)は、政府関係機関7法人、独立行政法人94法人、国立大学法人及び大学共同利用機関法人(以下「国立大学法人等」という。)90法人、政府関係機関、独立行政法人及び国立大学法人等以外の法人(以下「その他の法人」という。)16法人、合計207法人である。これらの法人の財務の状況を示すと以下のとおりである。

1 資産、負債及び資本又は純資産の状況

(1) 資産、負債及び資本又は純資産

 19年度末において国が資本金の2分の1以上を出資している法人の貸借対照表の資産の部の合計は673兆1826億余円、負債の部の合計は602兆9535億余円、資本の部の合計は22兆6327億余円(うち政府出資金の額12兆4245億余円)及び純資産(注1) の部の合計は47兆5963億余円(うち政府出資金の額33兆2285億余円)である。このうち、政府出資金の額が1兆円以上の法人について、その状況を示すと次のとおりである。

 
資産の部
負債の部
資本の部
(政府出資金)
 
百万円
百万円
百万円
百万円
中小企業金融公庫
6,817,846
5,560,218
1,257,627
1,526,364
日本政策投資銀行
12,743,750
10,322,521
2,421,229
1,272,286
国際協力銀行
20,525,014
10,823,108
9,701,906
8,376,072
 
資産の部
負債の部
純資産の部
(政府出資金)
 
百万円
百万円
百万円
百万円
日本郵政株式会社
9,705,592
1,659,040
8,046,551
8,003,856
独立行政法人福祉医療機構
7,241,271
3,599,839
3,641,432
3,574,171
独立行政法人中小企業基盤整備機構
11,711,202
11,263,616
447,586
1,094,543
独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構
42,024,413
35,612,630
6,411,783
3,567,622
国立大学法人東京大学
1,307,642
241,246
1,066,395
1,003,559

 なお、独立行政法人の資産の部の合計は412兆9702億余円、負債の部の合計は387兆7432億余円、純資産の部の合計は25兆2269億余円(うち政府出資金の額は17兆6027億余円)であり、また、国立大学法人等の資産の部の合計は9兆5914億余円、負債の部の合計は2兆8747億余円、純資産の部の合計は6兆7167億余円(うち政府出資金の額は6兆0569億余円)である。

 日本私立学校振興・共済事業団、商工組合中央金庫、株式会社、独立行政法人及び国立大学法人等の貸借対照表は、資産、負債及び純資産の部に区分して表示されている。

(2) 延滞債権等

 19年度末において国が資本金の2分の1以上を出資している法人のうち貸付け等を行っているもので、民間金融機関のリスク管理債権(注2) の開示基準を参考にするなどして、延滞債権等の状況を各法人において開示しているものが14法人ある。このうち、19年度末の延滞債権等の額の合計が1000億円以上のものについて、その状況を示すと次のとおりである。

 
破綻先債権
延滞債権
3カ月以上
延滞債権
貸出条件
緩和債権
合計
貸付金等残高
 
百万円
百万円
百万円
百万円
百万円
百万円
国民生活金融公庫
171,461
350,201
317
279,829
801,809
7,860,594
農林漁業金融公庫
1,726
130,721
5,251
33,677
171,377
2,820,367
中小企業金融公庫
111,474
518,973
227,291
857,740
6,276,435
日本政策投資銀行
1,329
57,429
26
60,988
119,774
11,576,662
国際協力銀行
35,877
183,173
182,468
401,519
18,692,942
商工組合中央金庫
84,665
240,174
4,062
97,887
426,790
9,114,977
独立行政法人福祉医療機構
19,032
51,837
16,540
68,028
155,439
6,295,355
独立行政法人日本学生支援機構
168,279
56,975
225,254
5,200,989
独立行政法人住宅金融支援機構
301,398
1,133,536
89,385
2,044,299
3,568,620
42,631,759
 民間金融機関が、銀行法(昭和56年法律第59号)及び銀行法施行規則(昭和57年大蔵省令第10号)により開示を義務付けられているもので、以下に掲げる4区分に該当する貸出金について、その額及び合計額を開示することとなっている。
 
(1) 破綻先債権
元本又は利息の取立て又は弁済の見込みがないものとして未収利息を計上しなかった貸出金のうち、更生手続開始の申立等の事由が発生した債務者に対する貸出金
(2) 延滞債権
元本又は利息の取立て又は弁済の見込みがないものとして未収利息を計上しなかった貸出金であって、(1)及び債務者の経営再建又は支援を図ることを目的として利息の支払を猶予したものを除く貸出金
(3) 3カ月以上延滞債権
元本又は利息の支払が約定支払日の翌日から3箇月以上遅延している貸出金((1)及び(2)を除く。)
(4) 貸出条件緩和債権
債務者の経営再建又は支援を図ることを目的として、金利の減免、利息の支払猶予、元本の返済猶予、債権放棄その他の債務者に有利となる取決めを行った貸出金((1)、(2)及び(3)を除く。)
 なお、商工組合中央金庫については、商工組合中央金庫法(昭和11年法律第14号)及び商工組合中央金庫法施行規則(昭和11年商工・大蔵省令)により、上記債権額の開示が義務付けられている。

2 損益の状況

 19年度末において国が資本金の2分の1以上を出資している法人で、当期利益金を計上しているものは182法人、当期損失金を計上しているものは22法人、損益を計上していないものは3法人である。当期利益金又は当期損失金を計上している法人のうち、翌年度繰越損失金を計上しているものが25法人であり、翌年度繰越損失金の額の合計は2兆5833億余円である。
 なお、独立行政法人のうち、19年度において当期利益金を計上しているものは74法人、当期損失金を計上しているものは19法人、損益を計上していないものは1法人、また、国立大学法人等のうち、19年度において当期利益金を計上しているものは90法人、当期損失金を計上している法人はない。

3 国からの補助金等、受託収入及び政府出資額の状況

 19年度末において国が資本金の2分の1以上を出資している法人に対して、事務及び事業を実施するために交付された国からの補助金等、受託収入及び政府出資額は23兆7377億余円である。
 このうち、政府関係機関及びその他の法人に対する国からの補助金等、受託収入及び政府出資額の状況は、次のとおりである。

区分
政府関係機関
その他の法人
 
百万円
百万円
補給金
83,127
9,000
補助金
837
402,906
交付金
20,000
24,844
受託収入
135,025
政府出資額
438,782
12,840,860
合計
542,747
13,412,636
 また、独立行政法人及び国立大学法人等に対する国からの補助金等、受託収入及び政府出資額の状況は、次のとおりである。
区分
独立行政法人
国立大学法人等
 
百万円
百万円
施設整備費補助金
82,227
45,807
運営費交付金
1,600,184
1,203,069
その他の補助金等
1,210,837
28,235
受託収入
251,527
65,367
政府出資額
5,284,780
10,303
合計
8,429,557
1,352,784