日本中央競馬会は、競馬の健全な発展を図って馬の改良増殖その他畜産の振興に寄与するため、競馬を行うことを目的として設置されているものである。その資本金は19事業年度末現在で49億2412万余円(全額国の出資)となっている。
同会の会計は、一般及び特別振興資金の2勘定に区分して経理され、一般勘定は、さらに、投票券、業務及び新営の3勘定に区分されており、同会の勘定別の19事業年度の収入支出決算、損益、資本剰余金等及び主な業務実績は次のとおりである。
ア 一般勘定
〔この勘定は、競馬の開催及び競走馬の育成等の業務に関する経理を行うものである。〕
(ア) 収入支出決算
区分
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19事業年度
千円
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(18事業年度)
千円
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〔投票券勘定〕
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(収入)
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収入確定額
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2,771,501,376
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2,836,735,431
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(支出)
|
||
支出確定額
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2,771,501,376
|
2,836,735,431
|
〔業務勘定〕
|
||
(収入)
|
||
収入確定額
|
453,558,020
|
460,606,104
|
(支出)
|
||
支出予算現額
|
458,074,947
|
455,912,316
|
支出確定額
|
388,743,169
|
400,226,943
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予算残額
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69,331,777
|
55,685,372
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〔新営勘定〕
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||
(収入)
|
||
収入確定額
|
71,008,539
|
66,486,698
|
(支出)
|
||
支出予算現額
|
71,008,539
|
66,486,698
|
支出確定額
|
48,788,833
|
47,838,926
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翌事業年度繰越額
|
7,000,547
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10,378,999
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予算残額
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15,219,158
|
8,268,772
|
翌事業年度繰越額はすべて新営勘定の新営費(支出予算現額710億0853万余円)の分である。また、予算残額の主なものは、業務勘定の競馬事業費(同2308億1529万余円)の497億7698万余円及び業務管理費(同678億3782万余円)の78億4039万余円並びに新営勘定の新営費の152億1915万余円である。
(イ) 損益
区分
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19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
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事業収益
(うち勝馬投票券収入)
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2,776,434,010
(2,771,501,376)
|
2,842,034,689
(2,836,735,431)
|
事業費用
(うち勝馬投票券諸支払金)
(勝馬投票券売得金の100分の10)
(うち国庫納付金)
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2,764,361,540
(2,062,936,752)
(275,913,807)
|
2,823,688,835
(2,110,646,133)
(282,330,944)
|
事業外収益
|
8,370,082
|
7,338,790
|
事業外費用
|
616,158
|
368,613
|
経常利益
|
19,826,393
|
25,316,030
|
特別利益
|
2,561,986
|
106,885
|
特別損失
|
1,624,820
|
1,713,608
|
当期純利益
|
20,763,559
|
23,709,307
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(利益の処分)
|
||
国庫納付金(利益の2分の1・翌事業年度に納付)
|
10,381,779
|
11,854,653
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翌事業年度に特別振興資金勘定への繰入金として整理
|
10,381,779
|
10,669,188
|
翌事業年度に特別積立金として整理
|
−
|
1,185,465
|
(ウ) 資本剰余金等
区分
|
19事業年度末
千円
|
(18事業年度末)
千円
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資本剰余金残高
|
6,075,658
|
6,075,658
|
損失てん補準備金残高
|
200,000
|
200,000
|
特別積立金残高
|
1,049,661,232
|
1,048,475,767
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(エ) 主な業務実績
区分
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19事業年度
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(18事業年度)
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開催回数及び日数
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36回 288日
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36回 288日
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施設の建設
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東京競馬場スタンド改築工事
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阪神競馬場馬場改造工事
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イ 特別振興資金勘定
この勘定は、競馬の健全な発展を図るため必要な業務及び畜産の振興に資するための事業等に助成を行う法人に対して交付金を交付する業務等に関する経理を行うものである。
(ア) 収入支出決算
区分
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19事業年度
千円
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(18事業年度)
千円
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(収入)
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||
収入確定額
|
12,005,821
|
9,771,023
|
(支出)
|
||
支出予算現額
|
14,370,000
|
10,220,000
|
支出確定額
|
12,005,821
|
9,771,023
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翌事業年度繰越額
|
178,290
|
−
|
予算残額
|
2,185,888
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448,976
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(イ) 損益
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
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事業収益
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15,564,845
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10,443,221
|
事業費用
(うち競馬振興事業費)
(うち畜産振興事業費)
(うち競馬法附則第5条第2項による交付金)
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15,564,845
(5,198,946)
(4,473,109)
(2,303,452)
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10,443,221
(3,947,138)
(3,926,972)
(2,154,051)
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(ウ) 特別振興資金
区分
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19事業年度末
千円
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(18事業年度末)
千円
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特別振興資金残高
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72,957,852
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70,674,834
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(エ) 主な業務実績
区分
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19事業年度
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(18事業年度)
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競馬の健全な発展を図るための事業
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15事業
5,229,260千円
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7事業
3,690,000千円
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畜産振興事業等に助成を行う法人に対する交付金の交付等
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11事業
4,473,109千円
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10事業
3,926,972千円
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競走馬の生産振興に資するための事業等
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2事業
2,303,452千円
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2事業
2,154,051千円
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なお、この法人について検査した結果、「第3章 個別の検査結果」に「有料駐車場の運営に当たり、駐車場用地等を随意契約により関連公益法人に貸し付けることを改めて、関連公益法人が収入としている駐車場利用料金等を勘案して、貸付料を見直したり、委託により自ら実施したりすることにより、契約の競争性及び透明性を確保して、増収を図るよう是正改善の処置を求めたもの 」を、「第4章 国会及び内閣に対する報告並びに国会からの検査要請事項に関する報告等」に「国及び国が資本金の2分の1以上を出資している法人における談合等に係る違約金条項の導入状況等について 」を掲記した。