この独立行政法人は、鉄道の建設等に関する業務及び鉄道事業者、海上運送事業者等による運輸施設の整備を促進するための助成その他の支援に関する業務を総合的かつ効率的に行うこと及び運輸技術に関する基礎的研究に関する業務を行うことを目的として設置されているものである。その資本金は19事業年度末現在で866億5218万余円(うち国の出資856億5218万余円)となっている。
同法人の会計は、建設、海事、基礎的研究等、助成及び特例業務の5勘定に区分して経理されている。
同法人の勘定別の19事業年度の貸借対照表、損益計算書及び主な業務実績は次のとおりである。
なお、独立行政法人会計基準が19年11月19日に改訂されたことに伴い、18事業年度までは資本の区分であったが19事業年度からは純資産の区分に変更され、また、19事業年度の額と18事業年度の額とを一部対比できないものがある。
ア 建設勘定
この勘定は、新幹線、都市鉄道線、民鉄線等の建設及び大規模な改良並びに当該鉄道施設の貸付又は譲渡等の業務に関する経理を行うものである。
(ア) 貸借対照表
区分
|
19事業年度末
千円
|
(18事業年度末)
千円
|
||
資産
(うち割賦債権)
(うち構築物)
|
6,634,850,420
(1,982,323,264)
(1,995,383,906)
|
資産
(うち割賦債権)
(うち構築物)
|
6,517,017,182
(1,989,173,037)
(2,061,121,537)
|
|
負債
(うち資産見返負債)
(うち長期借入金)
|
6,336,272,491
(2,770,046,921)
(1,439,923,527)
|
負債
(うち資産見返負債)
(うち長期借入金)
|
6,218,255,254
(2,561,133,543)
(1,480,309,709)
|
|
純資産
(うち資本金)
(うち資本剰余金)
(うち利益剰余金)
|
298,577,928
(56,169,929)
(238,589,794)(注1)
(3,818,204)
|
資本
(うち資本金)
(うち資本剰余金)
(うち利益剰余金)
|
298,761,928
(56,169,929)
(239,622,591)
(2,969,407)
|
|
損益外減価償却累計額△4,629,821千円及び損益外減損損失累計額△38,053千円が含まれている。
|
(イ) 損益計算書
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
||
経常費用
(うち鉄道施設譲渡原価)
(うち減価償却費)
|
262,202,969
(94,810,980)
(81,294,343)
|
261,849,209
(73,045,345)
(81,084,926)
|
||
経常収益
(うち鉄道施設譲渡収入)
(うち鉄道施設賃貸収入)
|
263,122,072
(117,269,346)
(83,763,635)
|
262,913,273
(97,207,406)
(82,890,302)
|
||
経常利益
|
919,102
|
1,064,064
|
||
臨時損失
|
70,420
|
422,136
|
||
臨時利益
|
114
|
768,166
|
||
当期純利益
|
848,796
|
1,410,093
|
||
当期総利益
|
848,796
|
1,410,093
|
||
(利益の処分)
|
||||
(当期未処分利益)
|
||||
当期総利益
|
848,796
|
1,410,093
|
||
(利益処分額)
|
||||
積立金
|
848,796
|
1,410,093
|
(ウ) 主な業務実績
区分
|
19事業年度
|
(18事業年度)
|
|||
新幹線
(北陸新幹線ほか)
|
建設
|
4線
|
627km
|
4線
|
709km
|
貸付線
(九州新幹線ほか)
|
貸付
|
12線
|
719km
|
12線
|
719km
|
都市鉄道線
(常磐新線)
|
建設
|
1線
|
58km
|
1線
|
58km
|
民鉄線
(みなとみらい21線ほか)
|
建設
大改良
|
1線
2線
|
4km
14km
|
1線
2線
|
4km
14km
|
都市鉄道利便増進事業
(相鉄・東急直通線ほか)
|
建設
|
2線
|
12km
|
1線
|
2km
|
イ 海事勘定
この勘定は、国内海運事業者と費用を分担して国内旅客船及び内航貨物船を共同建造し、当該船舶を同法人と事業者との共有とし、事業者に使用管理させる業務等並びに高度船舶技術の試験研究及び実用化を促進するための技術支援業務等に関する経理を行うものである。
(ア) 貸借対照表
区分
|
19事業年度末
千円
|
(18事業年度末)
千円
|
||
資産
(うち船舶未収金)
(うち共有船舶)
|
244,997,388
(38,035,924)
(166,581,539)
|
資産
(うち船舶未収金)
(うち共有船舶)
|
273,906,314
(45,371,834)
(194,020,118)
|
|
負債
(うち鉄道建設・運輸施設整備支援機構債券)
(うち長期借入金)
(うち引当金)
|
260,669,813
(71,000,000)
(113,229,011)
(7,047,352)
|
負債
(うち鉄道建設・運輸施設整備支援機構債券)
(うち長期借入金)
(うち引当金)
|
294,777,361
(61,000,000)
(123,862,355)
(9,299,910)
|
|
純資産
(うち資本金)
(うち資本剰余金)
(うち繰越欠損金)
|
△15,672,424
(30,316,000)
(4,810,621)
(50,799,045)
|
資本
(うち資本金)
(うち資本剰余金)
(うち繰越欠損金)
|
△20,871,046
(26,265,000)
(4,780,058)
(51,916,104)
|
(イ) 損益計算書
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
||
経常費用
(うち減価償却費)
(うち支払利息)
|
33,190,908
(25,106,413)
(3,947,197)
|
36,081,084
(29,049,578)
(5,092,654)
|
||
経常収益
(うち運営費交付金収益)
(うち船舶使用料収入)
(うち船舶共有契約解除等損失引当金戻入益)
|
34,099,960
(27,744)
(30,457,136)
(2,237,367)
|
41,486,315
(18,635)
(35,457,599)
(2,543,752)
|
||
経常利益
|
909,052
|
5,405,231
|
||
臨時損失
|
564
|
11,617,794
|
||
臨時利益
|
208,571
|
13,477,888
|
||
当期純利益
|
1,117,058
|
7,265,325
|
||
当期総利益
|
1,117,058
|
7,265,325
|
||
(損失の処理)
|
||||
(当期未処理損失)
|
||||
当期総利益
|
1,117,058
|
7,265,325
|
||
前期繰越欠損金
|
51,916,104
|
59,181,429
|
||
(損失処理額)
|
||||
次期繰越欠損金
|
50,799,045
|
51,916,104
|
(ウ) 主な業務実績
区分
|
19事業年度
|
(18事業年度)
|
||
旅客船建造
|
1隻
|
199総トン
|
3隻
|
14,284総トン
|
貨物船建造
|
30隻
|
53,993総トン
|
24隻
|
36,270総トン
|
高度船舶技術実用化助成業務
|
1件
|
58,509千円
|
1件
|
35,000千円
|
技術支援業務
|
1件
|
50,000千円
|
1件
|
50,000千円
|
ウ 基礎的研究等勘定
この勘定は、運輸技術に関し新たな発想に立った新技術を創出するための独創性、革新性のある基礎研究を提案公募方式により行う業務等に関する経理を行うものである。
(ア) 貸借対照表
区分
|
19事業年度末
千円
|
(18事業年度末)
千円
|
||
資産
(うち現金及び預金)
(うち貸付金)
|
53,295,315
(263,067)
(52,994,000)
|
資産
(うち現金及び預金)
(うち貸付金)
|
53,435,256
(408,396)
(52,994,000)
|
|
負債
(うち短期借入金)
(うち1年以内返済予定長期借入金)
(うち未払金)
|
53,241,478
(33,726,000)
(19,268,000)
(214,090)
|
負債
(うち短期借入金)
(うち1年以内返済予定長期借入金)
(うち未払金)
|
53,171,734
(−)
(52,994,000)
(113,034)
|
|
純資産
(うち資本金)
(うち資本剰余金)
(うち利益剰余金)
|
53,837
(66,251)
(△46,930)(注2)
(34,516)
|
資本
(うち資本金)
(うち資本剰余金)
(うち利益剰余金)
|
263,522
(66,251)
(△46,896)
(244,167)
|
|
損益外減価償却累計額△151千円が含まれている。
|
(イ) 損益計算書
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
||
経常費用
(うち研究委託費)
(うち支払利息)
|
1,343,275
(312,498)
(453,955)
|
959,136
(325,020)
(289,697)
|
||
経常収益
(うち運営費交付金収益)
(うち貸付金利息収入)
|
1,133,623
(438,267)
(560,226)
|
939,709
(410,476)
(395,687)
|
||
経常損失
|
209,651
|
19,426
|
||
臨時損失
|
−
|
160
|
||
当期純損失
|
209,651
|
19,586
|
||
当期総損失
|
209,651
|
19,586
|
||
(損失の処理)
|
||||
(当期未処理損失)
|
||||
当期総損失
|
209,651
|
19,586
|
||
(損失処理額)
|
||||
積立金取崩額
|
209,651
|
19,586
|
(ウ) 主な業務実績
区分
|
19事業年度
|
(18事業年度)
|
|
基礎的研究業務
|
課題数
|
18件
|
16件
|
金額
|
343,371千円
|
341,868千円
|
|
内航海運活性化融資業務
|
件数
|
4件
|
4件
|
金額
|
52,994,000千円
|
52,994,000千円
|
エ 助成勘定
この勘定は、新幹線、都市鉄道の建設等に対する助成及び日本国有鉄道に係る債務の償還等の業務に関する経理を行うものである。
(ア) 貸借対照表
区分
|
19事業年度末
千円
|
(18事業年度末)
千円
|
||
資産
(うち割賦債権)
(うち他勘定長期貸付金)
|
4,590,778,020
(4,227,350,654)
(318,189,081)
|
資産
(うち割賦債権)
(うち他勘定長期貸付金)
|
5,027,744,855
(4,646,904,632)
(326,598,529)
|
|
負債
(うち未払金)
(うち長期借入金)
(うち他勘定長期借入金)
|
3,890,728,588
(10,775,143)
(1,769,811,386)
(1,699,379,233)
|
負債
(うち未払金)
(うち長期借入金)
(うち他勘定長期借入金)
|
4,284,041,078
(11,014,030)
(2,069,557,928)
(1,756,155,702)
|
|
純資産
(うち資本金)
(うち利益剰余金)
|
700,049,431
(100,000)
(699,949,431)
|
資本
(うち資本金)
(うち利益剰余金)
|
743,703,776
(100,000)
(743,603,776)
|
(イ) 損益計算書
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
||||||
経常費用
(うち鉄道施設譲渡原価)(注3)
(うち支払利息)
|
822,140,835
(419,553,977)
(213,415,868)
|
836,599,748
(411,408,092)
(233,758,793)
|
||||||
経常収益
(うち運営費交付金収益)
(うち鉄道施設譲渡収入)(注4)
(うち補助金等収益)
|
778,486,550
(332,450)
(661,422,865)
(115,801,336)
|
793,622,942
(302,669)
(674,354,336)
(118,035,557)
|
||||||
経常損失
|
43,654,284
|
42,976,806
|
||||||
臨時損失
|
60
|
−
|
||||||
当期純損失
|
43,654,345
|
42,976,806
|
||||||
当期総損失
|
43,654,345
|
42,976,806
|
||||||
(損失の処理)
|
||||||||
(当期未処理損失)
|
||||||||
当期総損失
|
43,654,345
|
42,976,806
|
||||||
(損失処理額)
|
||||||||
積立金取崩額
|
43,654,345
|
42,976,806
|
||||||
|
(ウ) 主な業務実績
区分
|
19事業年度
|
(18事業年度)
|
補助金交付業務
|
39,219,481千円
|
34,393,594千円
|
オ 特例業務勘定
この勘定は、日本国有鉄道の役員又は職員であった者等に係る年金の給付に要する費用等の支払、日本鉄道建設公団から承継した土地その他の資産の処分等の業務に関する経理を行うものである。
(ア) 貸借対照表
区分
|
19事業年度末
千円
|
(18事業年度末)
千円
|
||
資産
(うち処分用資産)
(うち他勘定長期貸付金)
|
3,503,392,417
(221,607,571)
(1,699,379,233)
|
資産
(うち処分用資産)
(うち他勘定長期貸付金)
|
3,314,077,868
(225,571,967)
(1,756,155,702)
|
|
負債
(うち引当金)
(うち未払金)
|
2,159,230,186
(2,152,850,258)
(5,725,884)
|
負債
(うち引当金)
(うち未払金)
|
2,472,060,890
(2,435,150,635)
(3,525,074)
|
|
純資産
(うち利益剰余金)
|
1,344,162,230
(1,344,162,230)
|
資本
(うち利益剰余金)
|
842,016,978
(842,016,978)
|
(イ) 損益計算書
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
||
経常費用
(うち処分用資産売却原価)
(うち共済年金追加費用)
|
53,123,135
(7,597,547)
(32,984,112)
|
326,650,385
(277,991,279)
(34,173,763)
|
||
経常収益
(うち処分用資産売却収入)
(うち財務収益)
|
555,268,413
(333,015,299)
(126,279,468)
|
603,303,123
(367,915,446)
(121,056,153)
|
||
経常利益
|
502,145,277
|
276,652,738
|
||
臨時損失
|
25
|
−
|
||
当期純利益
|
502,145,252
|
276,652,738
|
||
当期総利益
|
502,145,252
|
276,652,738
|
||
(利益の処分)
|
||||
(当期未処分利益)
|
||||
当期総利益
|
502,145,252
|
276,652,738
|
||
(利益処分額)
|
||||
積立金
|
502,145,252
|
276,652,738
|
(ウ) 主な業務実績
区分
|
19事業年度
|
(18事業年度)
|
|
土地の売却実績
|
件数
|
50件
|
26件
|
面積
|
32ha
|
56ha
|
|
金額
|
333,015,299千円
|
38,933,796千円
|
なお、この法人について検査した結果、「第4章 国会及び内閣に対する報告並びに国会からの検査要請事項に関する報告等」に「国及び国が資本金の2分の1以上を出資している法人における談合等に係る違約金条項の導入状況等について 」、「独立行政法人の業務、財務、入札、契約の状況について 」及び「国鉄清算業務に係る財務について 」を掲記した。