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  • 平成20年9月

各府省等が締結している随意契約に関する会計検査の結果について


3 公益法人に対する随意契約の実施状況及び公益法人による再委託の状況

 上記の第2-2で記述した随意契約の実施状況及び年度間の変化等に係る検査結果のうち、公益法人を契約相手方とする対象随意契約について、その実施状況、随意契約とした理由の状況及び契約の見直し状況に係る部分を抜き出して示すほか、公益法人の再委託の状況及びその変化について検査した結果を示すと次のとおりである。

(1) 公益法人を契約相手方とする随意契約の実施状況

ア 公益法人を契約相手方とする契約の競争性の状況とその変化

 19年度(12月まで)の対象契約のうち公益法人を契約相手方とする契約の契約方式は、図表3-1のとおり、随意契約の割合が、件数で72.7%(うち所管公益法人71.6%)、支払金額で85.4%(同82.6%)となっている。これを前年度同期と比較すると、件数で13.4ポイント(同13.9ポイント)、支払金額で11.1ポイント(同13.9ポイント)低下している。その結果、公益法人を契約相手方とする競争契約の件数割合は、前年度同期の13.9%から27.3%に高まっている。
 また、企画競争等を経ない随意契約の割合は、件数では14.9%(うち所管公益法人11.9%)、支払金額で22.7%(同16.1%)となっていて、前年度同期と比較すると、件数で52.5ポイント(同55.6ポイント)、支払金額で58.0ポイント(同63.3ポイント)低下している。この割合は、契約全体でみた割合(件数で26.2%、支払金額で43.8%)よりも低くなっていて、公益法人を契約相手方とする契約については、企画競争等を経ない随意契約が大幅に減少している。

図表3-1 公益法人を契約相手方とする契約の契約方式の状況とその変化(平成19年度(12月まで))
〔1〕 件数
上段:件数(単位:件)
下段:割合(単位:%、%ポイント)
区分
競争契約
(A)
随意契約
(C)
左のうち企画競争等を経ない随意契約
(E)
合計
 
平成18年度(12月まで)
(B)
割合の増減値
(A)-(B)
 
18年度(12月まで)
(D)
割合の増減値
(C)-(D)
 
18年度(12月まで)
(F)
割合の増減値
(E)-(F)
 
18年度(12月まで)
契約全体
73,407
(50.4)
61,753
(43.4)

[7.0]
72,376
(49.6)
80,651
(56.6)

[△7.0]
38,208
(26.2)
64,304
(45.2)

[△19.0]
145,783
(100)
142,404
(100)
公益法人が契約相手方
3,090
(27.3)
1,770
(13.9)

[13.4]
8,226
(72.7)
10,972
(86.1)

[△13.4]
1,688
(14.9)
8,588
(67.4)

[△52.5]
11,316
(100)
12,742
(100)
 
うち所管公益法人
2,111
(28.4)
1,300
(14.5)

[13.9]
5,314
(71.6)
7,692
(85.5)

[△13.9]
887
(11.9)
6,070
(67.5)

[△55.6]
7,425
(100)
8,992
(100)
〔2〕 支払金額
上段:支払金額(単位:百万円)
下段:割合(単位:%、%ポイント)
区分
競争契約
(A)
随意契約
(C)
左のうち企画競争等を経ない随意契約
(E)
合計
 
平成18年度(12月まで)
(B)
割合の増減値
(A)-(B)
 
18年度(12月まで)
(D)
割合の増減値
(C)-(D)
 
18年度(12月まで)
(F)
割合の増減値
(E)-(F)
 
18年度(12月まで)
契約全体
939,219
(41.9)
835,730
(37.7)

[4.2]
1,304,917
(58.1)
1,379,588
(62.3)

[△4.2]
983,771
(43.8)
1,244,897
(56.2)

[△12.4]
2,244,137
(100)
2,215,318
(100)
公益法人が契約相手方
25,370
(14.6)
6,233
(3.5)

[11.1]
148,335
(85.4)
172,993
(96.5)

[△11.1]
39,353
(22.7)
144,602
(80.7)

[△58.0]
173,706
(100)
179,227
(100)
 
うち所管公益法人
22,917
(17.4)
4,838
(3.5)

[13.9]
109,106
(82.6)
134,939
(96.5)

[△13.9]
21,191
(16.1)
110,978
(79.4)

[△63.3]
132,024
(100)
139,778
(100)

139,778

 しかし、競争契約における応札者数についてみると、図表3-2のとおり、公益法人が契約相手方となっている場合の1者応札の件数割合は62.9%(うち所管公益法人65.2%)となっていて、契約全体の1者応札の割合(26.1%)と比べてかなり高くなっており、また、前年度同期と比較すると16.0ポイント(うち所管公益法人15.4ポイント)も上昇している。
 また、公益法人が契約相手方となっている場合の企画随契における応募者数をみても、1者応募の件数割合が45.7%(うち所管公益法人56.1%)と最も多く、企画随契全体の1者応募の割合(26.7%)より高くなっており、前年度同期と比較しても、10.8ポイント(うち所管公益法人10.6ポイント)上昇している。

図表3-2 公益法人を契約相手方とする契約の応札者(応募者)数の状況とその変化(平成19年度(12月まで))
〔1〕 競争契約
(a)件数
上段:件数(単位:件)
下段:割合(単位:%)
区分
1者応札
2者応札
3者応札
4者応札
5者以上応札
合計
 
平成18年度
(12月まで)
 
18年度
(12月まで)
 
18年度
(12月まで)
 
18年度
(12月まで)
 
18年度
(12月まで)
 
18年度
(12月まで)
競争契約全体
19,155
(26.1)
10,363
(16.8)
11,030
(15.0)
8,090
(13.1)
7,913
(10.8)
6,308
(10.2)
5,736
(7.8)
4,716
(7.6)
29,573
(40.3)
32,276
(52.3)
73,407
(100)
61,753
(100)
公益法人が契約相手方
1,943
(62.9)
831
(46.9)
584
(18.9)
414
(23.4)
211
(6.8)
131
(7.4)
94
(3.0)
78
(4.4)
258
(8.3)
316
(17.9)
3,090
(100)
1,770
(100)
 
うち所管公益法人
1,377
(65.2)
647
(49.8)
378
(17.9)
261
(20.1)
129
(6.1)
88
(6.8)
50
(2.4)
48
(3.7)
177
(8.4)
256
(19.7)
2,111
(100)
1,300
(100)
 
(b)支払金額
上段:支払金額(単位:百万円)
下段:割合(単位:%)
区分
1者応札
2者応札
3者応札
4者応札
5者以上応札
合計
 
平成18年度
(12月まで)
 
18年度
(12月まで)
 
18年度
(12月まで)
 
18年度
(12月まで)
 
18年度
(12月まで)
 
18年度
(12月まで)
競争契約全体
165,058
(17.6)
98,038
(11.7)
106,203
(11.3)
76,269
(9.1)
89,865
(9.6)
74,840
(9.0)
86,352
(9.2)
70,628
(8.5)
491,739
(52.4)
515,954
(61.7)
939,219
(100)
835,730
(100)
公益法人が契約相手方
21,966
(86.6)
2,916
(46.8)
1,718
(6.8)
1,691
(27.1)
687
(2.7)
401
(6.4)
234
(0.9)
233
(3.7)
763
(3.0)
991
(15.9)
25,370
(100)
6,233
(100)
 
うち所管公益法人
20,373
(88.9)
2,485
(51.4)
1,284
(5.6)
1,086
(22.5)
592
(2.6)
284
(5.9)
137
(0.6)
144
(3.0)
529
(2.3)
838
(17.3)
22,917
(100)
4,838
(100)
〔2〕 企画随契
(a)件数
上段:件数(単位:件)
下段:割合(単位:%)
区分
1者応募
2者応募
3者応募
4者応募
5者以上応募
合計
 
平成18年度
(12月まで)
 
18年度
(12月まで)
 
18年度
(12月まで)
 
18年度
(12月まで)
 
18年度
(12月まで)
 
18年度
(12月まで)
企画随契全体
4,655
(26.7)
2,096
(16.6)
1,185
(6.8)
1,054
(8.4)
1,878
(10.8)
1,530
(12.1)
1,510
(8.7)
1,231
(9.8)
8,226
(47.1)
6,694
(53.1)
17,454
(100)
12,605
(100)
公益法人が契約相手方
1,269
(45.7)
793
(34.9)
265
(9.5)
296
(13.0)
113
(4.1)
166
(7.3)
61
(2.2)
81
(3.6)
1,071
(38.5)
937
(41.2)
2,779
(100)
2,273
(100)
 
うち所管公益法人
956
(56.1)
695
(45.5)
206
(12.1)
232
(15.2)
89
(5.2)
134
(8.8)
42
(2.5)
57
(3.7)
411
(24.1)
408
(26.7)
1,704
(100)
1,526
(100)
 
(b)支払金額
上段:支払金額(単位:百万円)
下段:割合(単位:%)
区分
1者応募
2者応募
3者応募
4者応募
5者以上応募
合計
 
平成18年度
(12月まで)
 
18年度
(12月まで)
 
18年度
(12月まで)
 
18年度
(12月まで)
 
18年度
(12月まで)
 
18年度
(12月まで)
企画随契全体
62,226
(38.1)
24,783
(24.6)
8,433
(5.2)
4,158
(4.1)
25,037
(15.3)
17,679
(17.5)
18,245
(11.2)
4,426
(4.4)
49,563
(30.3)
49,854
(49.4)
163,507
(100)
100,901
(100)
公益法人が契約相手方
22,662
(53.2)
8,810
(31.3)
2,536
(6.0)
1,168
(4.1)
929
(2.2)
11,066
(39.3)
10,796
(25.4)
108
(0.4)
5,660
(13.3)
7,030
(24.9)
42,585
(100)
28,184
(100)
 
うち所管公益法人
16,199
(51.3)
8,701
(36.6)
1,864
(5.9)
1,097
(4.6)
633
(2.0)
10,650
(44.8)
10,616
(33.7)
31
(0.1)
2,234
(7.1)
3,284
(13.8)
31,548
(100)
23,766
(100)

〔3〕 競争契約(1者応札)

(100)

〔4〕 企画随契(1者応募)

〔4〕企画随契(1者応募)

 このように、契約の相手方が公益法人である場合の競争性の状況については、各府省等による「随意契約見直し計画」に基づく契約適正化への取組を反映し、前年度同期と比較して、企画競争等を経ない随意契約の割合が大幅に減少している。しかし、競争契約や企画随契において、1者応札(応募)の割合は依然として契約全体と比較して高いままであり、実質的な競争性が十分確保されていない状況となっている。
(18年度全体の状況は、巻末別表11 参照)

イ 公益法人との随意契約の実施状況とその変化

(ア) 契約種類別の状況とその変化

 19年度(12月まで)の対象随意契約のうち、公益法人を契約相手方とする契約の占める割合は、図表3-3のとおり、全体でみると、件数、支払金額共に、11%程度となっており、前年度同期と比べて減少している。
 これを契約種類別にみると、件数、支払金額共に、「工事(設計、調査等を含む。)」と「役務」における割合が高く、所管公益法人との契約も同様の状況となっている。これを前年度同期と比較すると、契約種類別の割合に大きな変化はないものの、ほとんどの契約種類で件数が減少しており、減少の程度は随意契約全体の場合よりも大きくなっている。
 なお、公益法人が契約相手方である工事契約のほとんどは、設計、調査、現場監督補助等の業務委託となっている。
(18年度全体の状況及び18年度(12月まで)の状況は、巻末別表12 参照)

図表3-3 契約種類別にみた公益法人との随意契約の実施状況とその変化(平成19年度(12月まで))
〔1〕 件数
(単位:件、%)
契約種類
随意契約全体(A)
公益法人が契約相手方(B)
公益法人の割合
(B)/(A)
(B)のうち所管公益法人が契約相手方(C)
所管公益法人の割合
(C)/(A)
 
(増△減率)
 
(増△減率)
 
(平成18年度(12月まで))
 
(増△減率)
 
(18年度(12月まで))
工事(設計、調査等を含む。)
10,365
(3.7)
2,712
(1.0)
26.2
< (26.8)
2,176
(△1.2)
21.0
< (22.0)
用地取得・補償
4,272
(28.4)
27
(△56.5)
0.6
< (1.9)
22
(△55.1)
0.5
< (1.5)
物品等の購入
3,970
(△24.0)
172
(△27.4)
4.3
< (4.5)
128
(△34.7)
3.2
< (3.7)
物品等の製造
3,106
(△3.9)
14
(△17.6)
0.5
< (0.5)
3
(△57.1)
0.1
< (0.2)
物品等の賃借
11,410
(△1.3)
149
(14.6)
1.3
> (1.1)
37
(△14.0)
0.3
< (0.4)
役務
39,253
(△17.0)
5,152
(△34.3)
13.1
< (16.6)
2,948
(△43.2)
7.5
< (11.0)
合計
72,376
(△10.3)
8,226
(△25.0)
11.4
< (13.6)
5,314
(△30.9)
7.3
< (9.5)
〔2〕 支払金額
(単位:百万円、%)
契約種類
随意契約全体(A)
公益法人が契約相手方(B)
公益法人の割合
(B)/(A)
(B)のうち所管公益法人が契約相手方(C)
所管公益法人の割合
(C)/(A)
 
(増△減率)
 
(増△減率)
 
(平成18年度(12月まで))
 
(増△減率)
 
(18年度(12月まで))
工事(設計、調査等を含む。)
155,448
(1.8)
34,144
(29.6)
22.0
> (17.3)
26,274
(32.7)
16.9
> (13.0)
用地取得・補償
131,439
(0.7)
512
(△74.4)
0.4
< (1.5)
353
(△31.8)
0.3
< (0.4)
物品等の購入
95,284
(△31.9)
1,174
(△50.2)
1.2
< (1.7)
465
(△72.7)
0.5
< (1.2)
物品等の製造
29,883
(△13.8)
92
(57.2)
0.3
> (0.2)
33
(203.3)
0.1
> (0.0)
物品等の賃借
304,166
(1.4)
3,478
(9.6)
1.1
> (1.1)
270
(129.2)
0.1
> (0.0)
役務
588,694
(△5.3)
108,933
(△21.7)
18.5
< (22.4)
81,710
(△27.5)
13.9
< (18.1)
合計
1,304,917
(△5.4)
148,335
(△14.3)
11.4
< (12.5)
109,106
(△19.1)
8.4
< (9.8)

(イ) 府省等別の状況とその変化

 19年度(12月まで)の対象随意契約のうち、公益法人を契約相手方とする随意契約を府省等別にみると、図表3-4及び3-5のとおり、件数、支払金額共に最も多いのは国土交通省であるが、各府省等それぞれの随意契約全体に占める割合が高いのは、件数では経済産業省(30.1%)、環境省(25.6%)、外務省(20.9%)の順、支払金額では外務省(41.7%)、厚生労働省(18.6%)、経済産業省(18.3%)の順となっている。また、所管公益法人の占める割合が高いのは、件数では環境省(16.4%)、外務省(14.0%)、国土交通省(13.6%)の順、支払金額では外務省(37.8%)、経済産業省(17.4%)、国土交通省(12.1%)の順となっている。

府省等
随意契約全体
(A)
公益法人が契約相手方
(B)
公益法人の割合
(B)/(A)
(B)のうち所管公益法人が契約相手方(C)
所管公益法人の割合
(C)/(A)
 
(増△減率)
 
(増△減率)
 
(平成18年度(12月まで))
 
(増△減率)
 
(18年度(12月まで))
内閣
281
(△15.9)
32
(28.0)
11.4
> (7.5)
(-)
(-)
 
内閣官房
178
(△19.5)
29
(38.1)
16.3
> (9.5)
(-)
(-)
内閣法制局
9
(△35.7)
(-)
(-)
(-)
(-)
人事院
94
(△5.1)
3
(△25.0)
3.2
< (4.0)
(-)
(-)
内閣府
2,787
(△6.7)
215
(△35.6)
7.7
< (11.2)
40
(△63.0)
1.4
< (3.6)
 
内閣本府
1,124
(△22.7)
182
(△36.6)
16.2
< (19.7)
34
(△64.6)
3.0
< (6.6)
宮内庁
163
(△0.6)
6
(△45.5)
3.7
< (6.7)
1
(-)
0.6
> (0.6)
公正取引委員会
26
(△21.2)
1
(△80.0)
3.8
< (15.2)
1
(△75.0)
3.8
< (12.1)
警察庁
1,332
(9.0)
19
(△26.9)
1.4
< (2.1)
3
(△50.0)
0.2
< (0.5)
金融庁
142
(23.5)
7
(40.0)
4.9
> (4.3)
1
(-)
0.7
< (0.9)
総務省
1,012
(△10.4)
53
(△36.1)
5.2
< (7.3)
39
(△39.1)
3.9
< (5.7)
 
総務本省
920
(△6.6)
35
(△43.5)
3.8
< (6.3)
23
(△51.1)
2.5
< (4.8)
公害等調整委員会
3
(200.0)
(-)
(-)
(-)
(-)
消防庁
89
(△38.2)
18
(△14.3)
20.2
> (14.6)
16
(△5.9)
18.0
> (11.8)
法務省
2,705
(△22.8)
102
(△68.6)
3.8
< (9.3)
76
(△72.9)
2.8
< (8.0)
 
法務本省
2,648
(△22.9)
101
(△68.8)
3.8
< (9.4)
76
(△72.9)
2.9
< (8.1)
公安調査庁
57
(△13.6)
1
(0.0)
1.8
> (1.5)
(-)
(-)
外務省
464
(△37.5)
97
(△67.2)
20.9
< (39.9)
65
(△75.6)
14.0
< (35.8)
財務省
2,539
(△11.9)
102
(△28.2)
4.0
< (4.9)
28
(△51.7)
1.1
< (2.0)
 
財務本省
1,252
(△16.8)
33
(△44.1)
2.6
< (3.9)
18
(△43.8)
1.4
< (2.1)
国税庁
1,287
(△6.7)
69
(△16.9)
5.4
< (6.0)
10
(△61.5)
0.8
< (1.9)
文部科学省
4,840
(29.9)
725
(4.8)
15.0
< (18.6)
339
(△9.6)
7.0
< (10.1)
 
文部科学本省
3,784
(38.4)
234
(1.3)
6.2
< (8.4)
123
(△17.4)
3.3
< (5.4)
文化庁
1,056
(6.3)
491
(6.5)
46.5
> (46.4)
216
(△4.4)
20.5
< (22.8)
厚生労働省
8,692
(△6.9)
1,454
(△6.6)
16.7
> (16.7)
567
(△16.4)
6.5
< (7.3)
 
厚生労働本省
5,336
(△7.5)
960
(△10.9)
18.0
< (18.7)
323
(△12.7)
6.1
< (6.4)
中央労働委員会
10
(△41.2)
2
(△50.0)
20.0
< (23.5)
2
(△33.3)
20.0
> (17.6)
社会保険庁
3,346
(△5.7)
492
(3.6)
14.7
> (13.4)
242
(△20.7)
7.2
< (8.6)
農林水産省
4,079
(△41.5)
455
(△34.7)
11.2
> (10.0)
373
(△38.0)
9.1
> (8.6)
 
農林水産本省
3,163
(△14.7)
307
(△10.5)
9.7
> (9.3)
239
(△8.1)
7.6
> (7.0)
林野庁
685
(△77.7)
90
(△69.2)
13.1
> (9.5)
79
(△72.3)
11.5
> (9.3)
水産庁
231
(13.8)
58
(△6.5)
25.1
< (30.5)
55
(△3.5)
23.8
< (28.1)
経済産業省
1,783
(△36.8)
536
(△45.0)
30.1
< (34.5)
209
(△65.3)
11.7
< (21.4)
 
経済産業本省
1,405
(△27.8)
474
(△31.9)
33.7
< (35.7)
158
(△54.6)
11.2
< (17.9)
資源エネルギー庁
163
(△63.4)
28
(△84.6)
17.2
< (40.9)
27
(△84.6)
16.6
< (39.3)
特許庁
179
(△48.0)
25
(△69.1)
14.0
< (23.5)
22
(△71.1)
12.3
< (22.1)
中小企業庁
36
(△57.6)
9
(△40.0)
25.0
> (17.6)
2
(△50.0)
5.6
> (4.7)
国土交通省
24,558
(△5.6)
3,960
(△25.3)
16.1
< (20.4)
3,348
(△23.4)
13.6
< (16.8)
 
国土交通本省
22,927
(△4.8)
3,940
(△25.2)
17.2
< (21.9)
3,333
(△23.3)
14.5
< (18.0)
気象庁
630
(△12.6)
11
(△42.1)
1.7
< (2.6)
10
(△37.5)
1.6
< (2.2)
海上保安庁
998
(△17.0)
9
(△30.8)
0.9
< (1.1)
5
(△28.6)
0.5
< (0.6)
海難審判庁
3
(50.0)
(-)
(-)
(-)
(-)
環境省
1,218
(3.6)
312
(△6.9)
25.6
< (28.5)
200
(△17.4)
16.4
< (20.6)
防衛省
15,960
(△8.9)
117
(△12.0)
0.7
< (0.8)
30
(△37.5)
0.2
< (0.3)
国会
487
(0.8)
17
(21.4)
3.5
> (2.9)
(-)
(-)
 
衆議院
124
(△20.5)
6
(△25.0)
4.8
< (5.1)
(-)
(-)
参議院
166
(38.3)
5
(66.7)
3.0
> (2.5)
(-)
(-)
国立国会図書館
197
(△4.8)
6
(100.0)
3.0
> (1.4)
(-)
(-)
裁判所
918
(△6.1)
48
(△22.6)
5.2
< (6.3)
(-)
(-)
会計検査院
53
(△3.6)
1
(△50.0)
1.9
< (3.6)
(-)
(-)
合計
72,376
(△10.3)
8,226
(△25.0)
11.4
< (13.6)
5,314
(△30.9)
7.3
< (9.5)
〔2〕 支払金額
(単位:百万円、%)
府省等
随意契約全体
(A)
公益法人が契約相手方
(B)
公益法人の割合
(B)/(A)
(B)のうち所管公益法人が契約相手方(C)
所管公益法人の割合
(C)/(A)
 
(増△減率)
 
(増△減率)
 
(平成18年度(12月まで))
 
(増△減率)
 
(18年度(12月まで))
内閣
9,617
(△18.9)
1,148
(△24.3)
11.9
< (12.8)
(-)
(-)
 
内閣官房
9,173
(△19.2)
1,105
(△24.9)
12.1
< (13.0)
(-)
(-)
内閣法制局
36
(△26.7)
(-)
(-)
(-)
(-)
人事院
407
(△12.4)
43
(△1.6)
10.6
> (9.4)
(-)
(-)
内閣府
37,533
(16.9)
2,034
(△51.4)
5.4
< (13.0)
980
(△51.9)
2.6
< (6.3)
 
内閣本府
22,604
(30.4)
1,747
(△55.5)
7.7
< (22.7)
954
(△52.2)
4.2
< (11.5)
宮内庁
1,148
(△29.2)
34
(△30.0)
3.0
< (3.0)
23
(14.3)
2.0
> (1.3)
公正取引委員会
122
(0.1)
(△100.0)
< (11.3)
(△100.0)
< (10.0)
警察庁
11,865
(4.4)
172
(33.1)
1.4
> (1.1)
1
(△66.8)
0.0
< (0.0)
金融庁
1,791
(8.4)
80
(24.8)
4.5
> (3.9)
(-)
(-)
総務省
11,039
(△14.8)
1,143
(△19.5)
10.4
< (11.0)
1,050
(△23.9)
9.5
< (10.7)
 
総務本省
10,636
(△15.8)
1,120
(△21.0)
10.5
< (11.2)
1,042
(△24.3)
9.8
< (10.9)
公害等調整委員会
3
(432.8)
(-)
(-)
(-)
(-)
消防庁
399
(27.2)
22
(669.6)
5.7
> (0.9)
8
(172.0)
2.0
> (0.9)
法務省
30,472
(△31.7)
2,076
(△87.3)
6.8
< (36.7)
1,911
(△88.1)
6.3
< (36.0)
 
法務本省
30,254
(△31.8)
2,059
(△87.4)
6.8
< (36.9)
1,911
(△88.1)
6.3
< (36.2)
公安調査庁
217
(△20.2)
17
(0.0)
8.1
> (6.5)
(-)
(-)
外務省
6,473
(3.2)
2,701
(2.2)
41.7
< (42.1)
2,443
(3.5)
37.8
> (37.6)
財務省
74,574
(17.0)
933
(△45.5)
1.3
< (2.7)
607
(△53.3)
0.8
< (2.0)
 
財務本省
44,763
(28.8)
682
(△51.7)
1.5
< (4.1)
588
(△53.3)
1.3
< (3.6)
国税庁
29,810
(2.8)
250
(△16.0)
0.8
< (1.0)
19
(△51.6)
0.1
< (0.1)
文部科学省
80,178
(△10.3)
8,679
(△29.6)
10.8
< (13.8)
5,619
(△40.9)
7.0
< (10.6)
 
文部科学本省
78,039
(△5.7)
7,822
(△16.8)
10.0
< (11.4)
5,234
(△33.1)
6.7
< (9.5)
文化庁
2,139
(△67.7)
856
(△70.8)
40.1
< (44.3)
384
(△77.1)
18.0
< (25.5)
厚生労働省
232,009
(15.1)
43,269
(26.9)
18.6
> (16.9)
26,542
(2.1)
11.4
< (12.9)
 
厚生労働本省
95,747
(35.3)
22,804
(36.0)
23.8
> (23.7)
12,921
(8.5)
13.5
< (16.8)
中央労働委員会
32
(△16.4)
2
(-)
6.4
> (-)
2
(-)
6.4
> (-)
社会保険庁
136,228
(4.1)
20,463
(18.2)
15.0
> (13.2)
13,618
(△3.3)
10.0
< (10.8)
農林水産省
77,245
(△25.6)
4,099
(△22.1)
5.3
> (5.1)
3,613
(△19.2)
4.7
> (4.3)
 
農林水産本省
64,609
(△13.3)
1,931
(△8.4)
3.0
> (2.8)
1,497
(11.2)
2.3
> (1.8)
林野庁
3,523
(△81.9)
464
(△64.2)
13.2
> (6.7)
422
(△67.0)
12.0
> (6.6)
水産庁
9,111
(△7.9)
1,703
(△8.3)
18.7
< (18.8)
1,693
(△8.2)
18.6
< (18.7)
経済産業省
98,597
(△2.8)
18,072
(△16.8)
18.3
< (21.4)
17,165
(△11.4)
17.4
< (19.1)
 
経済産業本省
17,981
(50.1)
1,913
(△42.5)
10.6
< (27.8)
1,186
(4.7)
6.6
< (9.5)
資源エネルギー庁
54,880
(△8.3)
240
(△90.8)
0.4
< (4.4)
239
(△90.8)
0.4
< (4.4)
特許庁
25,440
(△8.7)
15,918
(0.9)
62.6
> (56.6)
15,739
(0.8)
61.9
> (56.0)
中小企業庁
294
(△82.6)
(-)
(-)
(-)
(-)
国土交通省
402,382
(△3.5)
59,920
(△9.2)
14.9
< (15.8)
48,530
(△4.0)
12.1
< (12.1)
 
国土交通本省
383,766
(△2.9)
59,874
(△9.2)
15.6
< (16.7)
48,488
(△4.0)
12.6
< (12.8)
気象庁
6,005
(3.9)
21
(△17.4)
0.4
< (0.4)
21
(△6.5)
0.4
< (0.4)
海上保安庁
12,604
(△20.9)
25
(△29.0)
0.2
< (0.2)
20
(△34.7)
0.2
< (0.2)
海難審判庁
6
(576.3)
(-)
(-)
(-)
(-)
環境省
5,925
(33.1)
540
(△61.3)
9.1
< (31.3)
429
(△65.9)
7.2
< (28.2)
防衛省
223,021
(△18.9)
3,172
(△15.0)
1.4
> (1.4)
211
(△65.8)
0.1
< (0.2)
国会
7,958
(0.6)
38
(△43.3)
0.5
< (0.9)
(-)
(-)
 
衆議院
2,412
(0.8)
12
(△73.5)
0.5
< (2.0)
(-)
(-)
参議院
2,186
(△9.9)
2
(△66.5)
0.1
< (0.4)
(-)
(-)
国立国会図書館
3,360
(8.5)
22
(102.8)
0.7
> (0.4)
(-)
(-)
裁判所
5,102
(10.4)
485
(△1.2)
9.5
< (10.6)
(-)
(-)
会計検査院
2,785
(△4.4)
18
(△30.6)
0.7
< (0.9)
(-)
(-)
合計
1,304,917
(△5.4)
148,335
(△14.3)
11.4
< (12.5)
109,106
(△19.1)
8.4
< (9.8)

図表3-5 公益法人が契約相手方となっている随意契約の割合(平成19年度(12月まで))

図表3-5公益法人が契約相手方となっている随意契約の割合(平成19年度(12月まで))

<公益法人の割合の大きい5府省等(件数割合)>
(単位:%)
府省等名
割合
経済産業省
30.1
環境省
25.6
外務省
20.9
厚生労働省
16.7
国土交通省
16.1
<所管公益法人の割合の大きい5府省等(件数割合)>
(単位:%)
府省等名
割合
環境省
16.4
外務省
14.0
国土交通省
13.6
経済産業省
11.7
農林水産省
9.1

農林水産省

<公益法人の割合の大きい5府省等(支払金額割合)>
(単位:%)
府省等名
割合
外務省
41.7
厚生労働省
18.6
経済産業省
18.3
国土交通省
14.9
内閣
11.9
<所管公益法人の割合の大きい5府省等(支払金額割合)>
(単位:%)
府省等名
割合
外務省
37.8
経済産業省
17.4
国土交通省
12.1
厚生労働省
11.4
総務省
9.5

 各府省等それぞれの随意契約全体に占める公益法人の件数割合を前年度同期と比較すると、ほとんどの府省等において低下しているが、低下幅が最も大きいのは外務省の19.0ポイントであり、同様に、随意契約全体に占める所管公益法人の件数割合の低下幅が最も大きいのも同省の21.8ポイントである。
(18年度全体の状況及び18年度(12月まで)の状況は、巻末別表13 参照)

(2) 公益法人を契約相手方とする随意契約において随意契約とした理由の状況

ア 法令上の適用理由とその変化

 19年度(12月まで)の対象随意契約について、随意契約とした法令上の適用理由の状況は第2-2-(2)-ア(図表2-9 参照)のとおりであるが、そのうち公益法人を契約相手方とするものについてみると、図表3-6のとおり、「契約の性質又は目的が競争を許さない場合」に該当するためとしているものの割合は件数で95.0%、支払金額で96.2%となっており、随意契約全体でみた場合に対し、いずれも10ポイント以上高い状況となっている。
 これを前年度同期と比較すると、「契約の性質又は目的が競争を許さない場合」に該当するためとしている契約の割合は、対象随意契約全体では増加しているのに対し、公益法人を契約相手方とするものでは減少している。また、所管公益法人の場合も、上記とほぼ同様となっている。
(18年度全体の状況及び18年度(12月まで)の状況は、巻末別表14 参照)

図表3-6 法令上の適用理由を「契約の性質又は目的が競争を許さない場合」としているものの割合とその変化(平成19年度(12月まで))
〔1〕 件数
(単位:件、%)
契約相手方
随意契約全体
(A)
(A)のうち「契約の性質又は目的が競争を許さない場合」
(B)
割合
(B)/(A)
 
(増△減率)
 
(増△減率)
 
(平成18年度(12月まで))
公益法人
8,226
(△25.0)
7,817
(△26.3)
95.0
< (96.6)
 
うち所管公益法人
5,314
(△30.9)
5,076
(△31.9)
95.5
< (96.9)
(参考)
対象随意契約全体
72,376
(△10.3)
60,433
(△8.5)
83.5
> (81.9)
〔2〕 支払金額
(単位:百万円、%)
契約相手方
随意契約全体
(A)
(A)のうち「契約の性質又は目的が競争を許さない場合」
(B)
割合
(B)/(A)
 
(増△減率)
 
(増△減率)
 
(平成18年度(12月まで))
公益法人
148,335
(△14.3)
142,633
(△16.1)
96.2
< (98.2)
 
うち所管公益法人
109,106
(△19.1)
105,918
(△21.0)
97.1
< (99.4)
(参考)
対象随意契約全体
1,304,917
(△5.4)
1,116,798
(1.0)
85.6
> (80.1)
(注)
 「件数」及び「支払金額」欄の「増△減率」は、それぞれ平成18年度(12月まで)の件数及び支払金額に対する増減率である。

イ 随意契約の具体的な理由とその変化

 19年度(12月まで)の対象随意契約のうち、内部部局締結分について、法令上の適用理由を「契約の性質又は目的が競争を許さない場合」に該当するとしている随意契約の具体的な理由の状況は、第2-2-(2)-イ(図表2-12 参照)のとおりであるが、そのうち公益法人を契約相手方とするものは、図表3-7のとおりとなっている。
 これによると、公益法人を契約相手方とする随意契約の具体的な理由では、Cグループ(契約相手方が唯一の者であることの理由が必ずしも記述されていないと考えられるもの)の割合が16.2%で、随意契約全体の場合(13.0%)よりも高くなっている。これは、具体的な理由のうち最も大きな割合を占める「19専門的又は高度な知識、知見、技術を有する」が11.7%で、随意契約全体の場合の5.9%と比較して大きな開きがあることによるもので、公益法人を契約相手方とする随意契約の特徴となっている。
 これらの状況を17年度と比較すると、Cグループの件数割合は48.7ポイント低下し、中でも「19専門的又は高度な知識、知見、技術を有する」は32.0ポイント低下している。さらに、17年度には、随意契約全体の割合よりも高い数値であった「21契約実績、経験を有する」も11.2ポイント低下しており、これらの低下の度合いは、随意契約全体でみた場合の約2倍から3倍となっている。一方、Aグループ(契約手続の前段階において複数の参加者を想定し、審査の結果、最も優れた企画書等の提案者と契約するとしているため、ある程度競争性が担保されるとされているもの)の件数割合は逆に47.6ポイント増加して69.7%となっており、随意契約全体でみた場合より高くなっている。
 このような状況となっているのは、各府省等による随意契約見直しの過程において、公益法人を相手方とする随意契約の中でほかに履行可能な者がいる可能性が高いものについて、企画競争への移行が進められたことがその要因の一つになっていると考えられる。

図表3-7 「契約の性質又は目的が競争を許さない場合」に当たるとしている具体的な理由とその変化(平成19年度(12月まで))
(単位:件、%、%ポイント)
具体的な理由
件数
件数割合(A)
左のうち公益法人が契約相手方
件数
件数割合(C)
 
平成17年度
(B)
増減値
(A)-(B)
 
17年度
(D)
増減値
(C)-(D)
A
1
企画競争を実施(企画案の提案者)
7,263
54.2
25.8
28.4
1,555
69.7
22.1
47.6
B
2
法令、条約、閣議決定の取決め等に基づく
181
1.4
1.8
△0.4
20
0.9
1.1
△0.2
3
場所が限定されている施設・敷地の賃借、使用料
26
0.2
0.4
△0.2
1
0.0
0.0
4
官報、法律案、予算書又は決算書の印刷等
31
0.2
0.3
△0.1
5
水道、ガス料の長期継続契約、郵便料金、NHK受信料
39
0.3
0.2
0.1
6
供給元が一の場合の出版元等からの書籍の購入
224
1.7
2.1
△0.4
47
2.1
2.8
△0.7
7
特許権、実用新案権、著作権等を有している
223
1.7
2.8
△1.1
16
0.7
0.8
△0.1
8
美術品及び工芸品等の購入
6
0.0
0.1
△0.1
9
特定情報の提供者
218
1.6
1.8
△0.2
34
1.5
1.0
0.5
10
複数年度の使用を前提とした物件の賃借
960
7.2
5.0
2.2
8
0.4
0.0
0.4
11
情報システムの(当初の)開発者
411
3.1
6.5
△3.4
15
0.7
1.5
△0.8
12
特注の機械、設備の製造者
37
0.3
0.3
0.0
1
0.0
0.0
13
互換性・連動性を確保する必要がある
213
1.6
1.4
0.2
5
0.2
0.3
△0.1
14
複数年度の実施を前提とした事業
130
1.0
3.4
△2.4
21
0.9
1.7
△0.8
15
電気需給契約、電話料金
4
0.0
0.1
△0.1
0.1
△0.1
2,703
20.2
26.2
△6.0
168
7.5
9.3
△1.8
C
16
「12」以外の機械、設備の製造者
140
1.0
3.5
△2.5
0.1
△0.1
17
連絡体制(ネットワーク、組織)を有している
17
0.1
1.9
△1.8
14
0.6
3.0
△2.4
18
リース物件の所有者による保守等
1
0.0
0.3
△0.3
19
専門的又は高度な知識、知見、技術を有する
789
5.9
20.5
△14.6
262
11.7
43.7
△32.0
20
秘密性、安全性の保持
18
0.1
0.7
△0.6
3
0.1
0.3
△0.2
21
契約実績、経験を有する
625
4.7
8.4
△3.7
59
2.6
13.8
△11.2
22
公平性、中立性を有している
45
0.3
1.0
△0.7
12
0.5
2.1
△1.6
23
特殊な施設・設備を有する
5
0.0
0.6
△0.6
0.7
△0.7
24
「6」以外の書籍、新聞の購入
102
0.8
0.7
0.1
11
0.5
1.0
△0.5
1,742
13.0
37.5
△24.5
361
16.2
64.9
△48.7
25 その他
1,690
12.6
10.5
2.1
147
6.6
3.7
2.9
合計
13,398
100
100
 
2,231
100
100
 
(注)
 一つの契約について複数の具体的理由が公表されている場合は、原則として、異なるグループの理由についてはA、B、Cの順に優先し、同じグループの理由については、公表理由の中で最初に記載されているものを優先して分類している。

(3) 19年報告に掲記した公益法人を契約相手方とする契約(個別の事態)の見直し状況

ア 個別の事態の見直し状況

 第2-2-(3)の個別の事態601件のうち、公益法人を契約相手方とする契約133件(見直し後の件数138件)について、19年度末現在で当局が講じた見直し状況を府省等別に示すと図表3-8のとおりである。

〔2〕  企画随契
(単位:件)
府省等
個別の事態
見直し状況(平成19年度末現在)
措置済み
措置未済
当該年度限りなど
合計
競争契約に移行
企画随契に移行
公募を実施
20年度に措置予定
未定
 
(うち20年7月1日現在で措置済み)
内閣
1
(-)
1
1
内閣府
7
5
(-)
1
1
7
総務省
9
8
1
(-)
1
10
法務省
8
6
(-)
1
1
8
外務省
3
3
(-)
3
財務省
16
9
2
3
1
(-)
3
18
文部科学省
1
1
(-)
1
厚生労働省
21
20
(-)
1
21
農林水産省
12
6
1
(-)
5
12
経済産業省
10
4
7
(-)
1
12
国土交通省
39
18
3
(-)
2
16
39
環境省
1
(-)
1
防衛省
3
2
(-)
1
3
国会
1
1
(-)
1
裁判所
(-)
会計検査院
1
(-)
1
1
合計
133
83
13
3
2
(-)
7
30
138
99
9
注(1)
 個別の事態の見直しの結果、複数の契約に分割したり、統合したりなどしているものがあるため、「個別の事態」と「見直し状況(平成19年度末現在)」の「合計」の件数は一致しない。
注(2)
 「競争契約」には、見直し後に競争入札を行った結果、不落・不調随契となったものを含めている。

 個別の事態133件の見直し状況をみると、「措置済み」が99件(うち「競争契約に移行」83件、「企画随契に移行」13件、「公募を実施」3件)ある一方、「措置未済」も9件残っている。

イ 個別の事態について見直し後における競争性等の状況

(ア) 見直し後における応札者数、落札率等

 上記のとおり、19年報告における個別の事態133件については、その多くが競争契約等に移行していることから、19年度末までに競争契約又は企画随契に移行したもの91件(見直し後の件数はそれぞれ82件及び13件、計95件(不落・不調随契を除く。))について、応札(応募)者の数、落札率等の状況はどのように変化しているかについてみたところ、図表3-9のとおりとなっている。

図表3-9 個別の事態に係る競争契約等に移行後における平均落札率等の状況(公益法人分)
〔1〕 競争契約に移行後における平均落札率等の状況
(単位:件、%)
区分
競争契約に移行前の状況
競争契約に移行後の状況
全体(A)
1者応札(B)
((B)/(A))
2者以上応札(C)
((C)/(A))
(B)のうち
契約相手方が同じもの(D)
[(D)/(B)]
契約相手方が異なるもの(E)
[(E)/(B)]
件数
80
82
40
(48.8)
42
(51.2)
32
[80.0]
8
[20.0]
平均落札率
95.8
80.5
92.8
73.0
93.3
91.2
〔2〕 企画随契に移行後における平均落札率等の状況
(単位:件、%)
区分
企画随契に移行前の状況
企画随契に移行後の状況
全体(A)
1者応募(B)
((B)/(A))
2者以上応募(C)
((C)/(A))
(B)のうち
契約相手方が同じもの(D)
[(D)/(B)]
契約相手方が異なるもの(E)
[(E)/(B)]
件数
11
13
4
(30.8)
9
(69.2)
3
[75.0]
1
[25.0]
平均落札率
99.5
99.9
99.7
99.9
99.7
(注)
 個別の事態の見直しの結果、複数の契約に分割したり、統合したりなどしているものがあることや、見直し後に競争入札を行ったが不落・不調随契となったものは移行後の分析対象から除いていることから、「競争契約に移行前の状況」又は「企画随契に移行前の状況」の件数は、それぞれ「競争契約に移行後の状況」又は「企画随契に移行後の状況」の「全体(A)」の件数とは一致しない。

 これによると、競争契約の場合は、1者応札のものが40件で半数近くあるが、このうち、80%を占める32件においては、随意契約当時と同じ契約相手方となっていた。
 また、競争契約に移行したものの平均落札率については、移行前の95.8%から移行後は80.5%へ15.3ポイント低下しているが、1者応札の場合、その平均落札率は移行前より若干低い92.8%となっており、依然として実質的な競争性を確保しにくい状況となっている。

(イ) 競争性の確保に関して検討の必要があったと認められた事例

 個別の事態133件の中から、競争契約等に移行後の契約が1者応札(応募)となっているものについて検査したところ、競争性の確保に関して検討の必要があったと認められた事例が次のとおり3件見受けられた。
入札や応募の条件が制限的なものとなっているもの
 入札や応募の参加者に求める業務実績の要件や業務従事者の資格要件を必要以上に限定しているため、参加者の範囲が制限される可能性があると認められた事例は、次のとおりである。

<事例>

[契約実績を限定して審査項目としているもの]

公〔1〕  消防庁は、平成17、18両年度に、地下タンク、配管等に係る埋設環境調査検討業務について、同一者が継続して事業を実施することが不可欠であることなどを理由に、特定の公益法人と随意契約(契約金額:17年度10,329千円、18年度33,638千円)を行っていた。これについて、同庁では、19年度に企画競争に移行することとし、参加者を募集したところ、従来の契約相手方だけの1者応募となったため、同法人と契約(契約金額29,403千円)を行った。
 しかし、上記の参加者の募集に当たっては、危険物施設の地下タンク等の腐食劣化に係る調査研究実績を審査項目に含めることを応募要領において示しているが、求める調査研究実績が限定されていることから、より多くの者の参加が可能となるよう、この審査事項の緩和について検討すべきであったと認められる。

[業務実績の要件について地域や発注者を限定しているもの]

公〔2〕  国土交通省近畿地方整備局は、平成17、18両年度に、広報誌の作成(購入)業務について、同誌の発行元である特定の公益法人と随意契約(契約金額:17年度43,200千円、18年度34,020千円)を行っていた。これについて、同局は、19年度に企画競争に移行することとし、参加者を募集したところ、従来の契約相手方だけの1者応募となったため、同法人と随意契約(契約金額45,360千円)を行った。
 しかし、上記の企画競争に当たっては、同局管内の国の機関が発行した広報誌を作成した実績を有することを参加資格として求めているが、同局管内や国の機関に限定する必要はないと考えられることから、より多くの者の参加が可能となるよう、この要件を緩和すべきであったと認められる。

[業務従事者の資格要件を限定しているもの]

公〔3〕  水産庁は、平成17年度に、船員職員に対する健康診断業務について、船員法等により指定された医療機関であり、船員の健康診断について実績を有することなどを理由に、特定の公益法人と随意契約(契約金額3,050千円)を行っていた。これについて、同庁では、18年度に一般競争契約に移行することとし、入札を行ったところ、従来の契約相手方だけの1者応札となり、同法人と契約(契約金額3,102千円)を行った。
 しかし、上記の入札に当たっては、船員法等により指定された医師により実施することが可能であることなどを参加要件としているが、国の船に乗船する国家公務員の健康診断については、船員法等により指定された医師である必要がないことから、これを要件とする必要はなかったと認められる。

(4) 「随意契約見直し計画」に基づいて適正化を進めることとされている公益法人を契約相手方とする契約の見直し状況

ア 公益法人を契約相手方とする随意契約点検の対象となった契約の見直し状況

 17年度に内部部局が公益法人を契約相手方として締結した契約で随意契約点検の対象となった3,564件のうち、18年度又は19年度(12月まで)に締結された契約と対応することが各府省等から提出された調書から把握できた1,421件(見直し後の件数は1,428件)について、19年12月までに各府省等が講じた見直し措置の状況を府省等別にみると図表3-10のとおりである。

図表3-10 点検対象となった随意契約の見直し状況(平成19年12月末現在)(公益法人分)
(単位:件、%)
府省等
点検対象となった随意契約
左のうち対応関係が把握できたもの
見直し状況(平成19年12月末現在)
競争契約
(a)
企画随契
(b)
公募を経た随意契約
(c)
(a)+(b)+(c)
引き続き随意契約
合計
 
うち随契によらざるを得ないもの
内閣
17
12
1
4
1
6
5
4
11
内閣府
227
98
21
15
1
37
50
14
87
総務省
159
82
54
6
2
62
23
5
85
法務省
15
11
4
1
5
7
5
12
外務省
103
63
5
4
7
16
50
16
66
財務省
67
45
16
4
3
23
24
9
47
文部科学省
600
129
22
24
6
52
80
36
132
厚生労働省
202
116
3
46
4
53
87
31
140
農林水産省
259
150
12
101
1
114
37
3
151
経済産業省
447
208
98
50
2
150
58
7
208
国土交通省
1,029
290
52
72
53
177
104
26
281
環境省
405
204
71
57
5
133
61
27
194
防衛省
15
3
2
2
1
1
3
国会
10
6
1
1
5
4
6
裁判所
6
3
3
2
3
会計検査院
3
1
2
2
2
合計
3,564
1,421
364
(25.5)
384
(26.9)
85
(6.0)
833
(58.3)
595
(41.7)
190
(13.3)
1,428
(100)
注(1)
 随意契約点検の対象となった平成17年度契約に対応する18年度又は19年度(12月まで)契約の中には、複数の契約に分割したり、統合したりなどしているものがあるため、「左のうち対応関係が把握できたもの」と「見直し状況(平成19年12月末現在)」の「合計」の件数は一致しない。
注(2)
 「競争契約」には、見直し後に競争入札を行った結果、不落・不調随契となったものを含めている。
注(3)
 「公募を経た随意契約」については、平成18年度における実施状況を把握していないため、19年度において実施したもののみを計上している。
注(4)
 「引き続き随意契約」とは、見直し後、公募を実施しないで、引き続き企画競争を経ない随意契約を行っているもの及び引き続き企画随契を行っているものである。
注(5)
 「うち随契によらざるを得ないもの」とは、随意契約点検の結果、各府省等が引き続き随意契約によらざるを得ないとしているものである。

 これによると、19年12月までに競争契約等に移行したものが833件(58.3%)(競争契約に移行364件、企画随契に移行384件、公募を経た随意契約に移行85件)ある一方、引き続き随意契約を行っているものも595件(41.7%)(うち随意契約点検の結果、各府省等が引き続き随意契約によらざるを得ないとしているもの190件)ある。

イ 競争性、透明性の確保に関して検討の必要があったと認められた事例

 各府省等の随意契約点検の対象となった契約のうち、契約相手方が公益法人で、競争契約等に移行後、1者応札(応募)となっているものを抽出し、入札手続等について検査するとともに、企画随契に移行し複数者の応募があったものについても抽出し、企画競争の実施方法等について検査した。その結果、競争性、透明性の確保に関して検討の必要があったと認められたものが21件見受けられた。そのうち主なものを示すと、次のとおりである。

a 入札や応募の条件が制限的なものとなっているもの

 入札や応募の参加者に求める業務実績の要件を必要以上に限定するなどしているため、参加者の範囲が制限される可能性があると認められた事例は、次のとおりである。

<事例>

[業務従事者の要件について国等における行政事務経験を求めているもの]

公〔4〕  国土交通省近畿地方整備局は、平成17、18両年度に、入札参加資格の資格審査業務について、行政事務の豊富な経験がある人材を有していることを理由に、特定の公益法人と随意契約(契約金額:17年度10,269千円、18年度12,075千円)を行っていた。これについて、同局は、19年度に一般競争契約に移行することとし、入札を行ったところ、従来の契約相手方だけの1者応札となり、同法人と契約(契約金額12,075千円)を行った。
 しかし、上記の入札に当たっては、13年度以降において、国の機関又は府県の発注における公共工事に関する競争参加資格審査補助業務の契約実績を有することなどを参加資格として求めているが、業務内容は申請の受付、データ入力等の事務処理を行うものであり、仕様書に業務内容等を詳細に記述するなどすれば、このように参加資格を限定する必要はないと考えられることから、より多くの者の参加が可能となるよう、この要件の必要性について検討すべきであったと認められる。

[自己資本比率を参加要件としているもの]

公〔5〕  国土交通本省は、平成17年度に、道路投資の評価に関する基礎的検討業務について、道路計画の策定等について精通していることなどを理由に、特定の公益法人と随意契約(契約金額21,000千円)を行っていた。これについて、同省は、18年度にほかに履行可能な者がいないかの確認を行う公募を行うこととし、公募したところ、応募者がいなかったため、従来の契約相手方と随意契約(契約金額42,840千円)を行った。
 しかし、上記の公募に当たっては、業務執行体制に関する要件として自己資本比率が40%以上であることを参加要件として求めているが、自己資本比率と本件業務とを関連づける必要性について検討の余地があったと認められる。

b 仕様書等の記載内容に配慮の余地があったもの

 仕様書等の記載内容に従来の契約相手方しか判断できない内容の部分があることから、参加者の範囲が制限される可能性があると認められた事例は、次のとおりである。

<事例>

公〔6〕  内閣本府は、平成17、18両年度に、国際青年育成交流事業に係る外国青年の受入等の業務について、国際交流活動等の経験を有する有識者の幅広い協力を得ることができることなどを理由に、特定の公益法人と随意契約(契約金額:17年度229,241千円、18年度52,480千円)を行っていた。これについて、同府は、19年度に企画競争に移行することとし、参加者を募集したところ、従来の契約相手方だけの1者応募となったため、同法人と随意契約(契約金額53,895千円)を行った。
 しかし、上記の募集に当たって業者に配付した仕様書等をみると、委託する業務のみが記載されているが、本件契約の業務内容は国と契約相手方が共同して行う業務であることから、従来の契約相手方以外の者でも業務内容についての理解がより容易となるよう、国が行う業務の範囲についても併せて記載するなど、仕様書等の記載内容について配慮の余地があったと認められる。

c 分割可能な業務が契約内容に含まれているもの

 契約内容に分割可能な業務を含めているため、参加者の範囲が制限される可能性があると認められた事例は、次のとおりである。

<事例>

公〔7〕  防衛省は、平成17、18両年度に、庁舎内の中央監視の対象となる電気、機械設備等の運転、監視業務等について、守秘義務の遵守について優れていることなどを理由に、特定の公益法人と随意契約(契約金額:17年度658,350千円、18年度625,800千円)を行っていた。これについて、同省は、19年度に一般競争契約に移行することとし、入札を行ったところ、従来の契約相手方だけの1者応札となり、同法人と契約(契約金額630,000千円)を行った。
 しかし、本件契約の業務内容をみると、環境保全測定業務等一部の業務については、分割することが可能と認められることから、より多くの者の参加が可能となるよう、契約対象とする業務の範囲について、検討の余地があったと認められる。

d 公募において契約予定相手方名を表示しているもの

 公募は、従来の契約相手方のほかに履行可能な者がいないかの確認のために行われるが、公募において契約予定相手方名を表示しているため、参加者の範囲が制限される可能性があると認められた事例は、次のとおりである。

<事例>

公〔8〕  国土交通本省は、平成17年度に、あい路の打開方策に係る検討調査業務について、地域整備の事業化に係る豊富な見識及び高い調査能力を有することなどを理由に、特定の公益法人と随意契約(契約金額49,199千円)を行っていた。これについて、同省は、18年度にほかに履行可能な者がいないかの確認を行う公募を行うこととし、公募したところ、応募者がいなかったため、従来の契約相手方と随意契約(契約金額25,800千円)を行った。
 しかし、上記の公募に当たっては、その公告において契約予定相手方名として従来の契約相手方名を記載しているが、これにより公募への参加が制限された可能性があるため、特定の業者名を契約予定相手方名として表示せずに公告すべきであったと認められる。

e 競争契約への移行について検討すべきであったもの

 企画随契に移行しているが、業務内容等からみて競争契約への移行を検討すべきであると認められた事例は、次のとおりである。

<事例>

公〔9〕  国土交通本省は、平成17、18両年度に、国土形成計画の策定、推進のための国民への情報提供等に関する調査業務について、国土計画に関する情報提供等について経験、実績を有することなどを理由に、特定の公益法人と随意契約(契約金額:17年度14,175千円、18年度13,566千円)を行っていた。これについて、同省は、19年度に企画競争に移行することとし、参加者を募集したところ、従来の契約相手方だけの1者応募となったため、同法人と随意契約(契約金額14,017千円)を行った。
 しかし、契約内容となる業務は、主としてウェブサイトの運営であることから業務内容を仕様書に具体的に記述し、競争入札を行うべきであったと認められる。

f 企画競争の実施方法において透明性が十分でないもの

 企画競争の実施に当たって、審査の方法、審査を実施する者の構成等において透明性の確保が図られていないと認められた事例は、次のとおりである。

<事例>

[審査の方法等について検討の余地があったもの]

公〔10〕  経済産業本省は、平成17年度に、インターネットにおける特定商取引法の遵守状況のモニタリング業務について、専門的知識を有することなどを理由に、特定の公益法人と随意契約(契約金額118,478千円)を行っていた。
 18年度において、上記の業務の内容や業務遂行能力が最も優れた者を選定する企画競争を実施したところ、従来の契約相手方を含む2者から応募があり、審査の結果、従来の契約相手方を選定し、同法人と契約(契約金額155,160千円)を行った。
 しかし、本件契約について、企画競争の実施方法をみると、審査項目を設定及び公開しているものの、採点を行わずに契約相手方を選定したり、審査の過程等を記載した書類を保存していなかったりしていて、審査の公正性及び透明性に欠けていたと認められる。

公〔11〕  資源エネルギー庁は、平成17年度に、石油産業体制等に関する調査研究業務について、専門的な知見、ノウハウ等を有することを理由に、特定の公益法人と随意契約(契約金額265,684千円)を行っていた。
 18年度において、上記の業務の内容や業務遂行能力が最も優れた者を選定する企画競争を、委託事業等における総合評価落札方式による一般競争入札マニュアル(18年7月作成)を準用する前に実施したところ、従来の契約相手方を含む2者から応募があり、審査の結果、従来の契約相手方を選定し、同者と契約(契約金額244,110千円)を行った。
 しかし、本件契約について、企画競争の実施方法をみると、審査項目を設定及び公開しているものの、採点を行わずに事業実施部局(担当課)の職員3名のみの合議により選定していて、審査の公正性及び透明性の確保において検討の余地があったものと認められる。

(5) 公益法人による再委託の状況

 契約相手方に対して、契約の全部又は一部を更に第三者に再委託(下請を含む。以下同じ。)することを無条件に認めると、当該契約相手方を選定した発注者の意図に沿わない結果となったり、契約履行の責任の所在が不明確になって適正な履行の確保ができなくなったりするおそれがある。このため、一般的には、再委託は発注者の承認を必要とすることとされており、一括再委託は禁止されている。
 そこで、対象随意契約のうち、契約相手方が公益法人で予定価格が300万円を超えるもの(以下「再委託対象契約」という。)についての再委託の状況をみると、次のとおりとなっている。

ア 再委託に関する契約条項の状況

 19年度(12月まで)の再委託対象契約6,509件に係る契約書、仕様書等の条項(以下「契約条項」という。)において、再委託についてどのように定めているかをみると、図表3-11のとおりである。
 これによると、一定の条件を付して認めている「条件付認容」は、件数で全体の87.3%を占め、前年度同期と比較すると、1.0ポイント上昇している。しかし、「定めなし」はなお9.4%見受けられ、契約履行上の責任の所在や適正な履行の確保の点で問題は依然として解消しておらず、再委託に当たっては少なくとも承認を必要とする旨の契約条項を設けることが必要である。
(18年度全体の状況は、巻末別表15 参照)

図表3-11 契約条項の状況とその変化

図表3-11契約条項の状況とその変化

イ 再委託の実施状況

 再委託対象契約のうち、国の支払及び再委託に係る支払が共に完了していて、両方の支払金額の対応関係が明確な18年度分について実際の再委託の実施状況をみると、図表3-12のとおり、再委託が行われている契約(元契約)の割合は、件数で19.4%、支払金額で35.7%であり、所管公益法人もほぼ同様となっている。しかし、発注者である国が再委託の有無を把握していないものも、件数で1.5%ではあるが見受けられる。
 これを19年報告における17年度の再委託対象契約に係る再委託の実施状況と比較すると、件数割合で、「再委託は行われていない」は88.9%から79.1%と9.8ポイント低下しているのに対して、「再委託が行われている」は9.3%から19.4%と10.1ポイント増加している。これは主として国土交通省における増加によるもので、同省において再委託の実施状況をより厳格に把握することにした影響と考えられる。

図表3-12 再委託の実施状況とその変化(平成18年度)
 
上段:件数、支払金額(単位:件、百万円)
下段:割合(単位:%)
契約相手方等\区分
再委託が行われている
再委託は行われていない
再委託の有無を把握していない
合計
件数
支払金額
件数
支払金額
件数
支払金額
件数
支払金額
平成18年度
公益法人
1,718
117,569
7,020
202,064
137
9,282
8,875
328,916
(19.4)
(35.7)
(79.1)
(61.4)
(1.5)
(2.8)
(100)
(100)
 
うち所管公益法人
1,241
87,474
5,137
158,577
76
4,981
6,454
251,032
(19.2)
(34.8)
(79.6)
(63.2)
(1.2)
(2.0)
(100)
(100)
〈参考〉
17年度
公益法人
980
82,466
9,389
263,284
195
11,516
10,564
357,267
(9.3)
(23.1)
(88.9)
(73.7)
(1.8)
(3.2)
(100)
(100)
 
うち所管公益法人
674
63,248
7,310
216,139
124
8,521
8,108
287,909
(8.3)
(22.0)
(90.2)
(75.1)
(1.5)
(3.0)
(100)
(100)

 次に、18年度の元契約のうち再委託支払金額が判明している1,718件について、再委託率(国の支払金額に占める再委託支払金額の割合をいう。以下同じ。)の状況をみると、図表3-13のとおり、再委託率が50%以上となっている契約の割合は件数で8.3%、支払金額で12.9%となっており、このうち再委託率が90%以上となっているものは件数で1.6%、支払金額で4.6%となっている。
 これを19年報告における17年度の元契約のうち再委託支払金額が判明している980件に係る再委託率の状況と比較すると、再委託率が50%以上となっている契約の割合が、件数で12.0ポイント、支払金額で31.5ポイント減少し、再委託率が90%以上となっているものは、それぞれ1.9ポイント、13.0ポイント減少している。その結果、件数割合、支払金額割合のいずれでみても、全般的に再委託率は低下する方向に移行している。

図表3-13 再委託率の状況とその変化(平成18年度)
〔1〕 再委託率の分布状況
(単位:件、百万円、%)
再委託率\区分
件数
件数割合
支払金額
支払金額割合
 
(増△減率)
 
平成17年度
 
(増△減率)
 
17年度
 
90%以上
27
(△20.6)
1.6
3.5
5,457
(△62.3)
4.6
17.6
80%以上90%未満
20
(△28.6)
1.2
2.9
2,250
(△55.8)
1.9
6.2
70%以上80%未満
27
(△27.0)
1.6
3.8
2,247
(△63.0)
1.9
7.4
60%以上70%未満
26
(△31.6)
1.5
3.9
2,065
(△47.3)
1.8
4.8
50%以上60%未満
42
(△32.3)
2.4
6.3
3,133
(△55.3)
2.7
8.5
50%以上
142
(△28.6)
8.3
20.3
15,154
(△58.6)
12.9
44.4
 
40%以上50%未満
257
(8.4)
15.0
24.2
15,914
(29.6)
13.5
14.9
30%以上40%未満
239
(50.3)
13.9
16.2
14,669
(63.1)
12.5
10.9
20%以上30%未満
339
(124.5)
19.7
15.4
20,048
(83.7)
17.1
13.2
10%以上20%未満
358
(228.4)
20.8
11.1
24,900
(345.1)
21.2
6.8
10%未満
383
(206.4)
22.3
12.8
26,880
(231.6)
22.9
9.8
50%未満
1,576
(101.8)
91.7
79.7
102,414
(123.2)
87.1
55.6
合計
1,718
(75.3)
100
100
117,569
(42.6)
100
100

〔2〕 再委託率の分布図
積み上げ折れ線グラフ
(a)件数

100

(b)支払金額

(b)支払金額

 また、委託先が再委託を必要とする理由を18年度の内部部局締結分についてみると、国からの委託業務のうち、資料等の収集、整理といった本体事業以外の業務では、専門業者に任せた方が効率的、効果的であること、全体的な取りまとめや総合調整以外の業務も専門的技術・知見を有する業者に任せた方が効率的、効果的であることなどによるためとしている。

ウ 再委託が行われていた随意契約の競争契約への移行状況

 19年報告において「再委託が行われている」とした17年度の再委託対象契約は980件あるが、この中には内部部局が締結した契約で各府省等の随意契約点検の対象となったものが、434件ある。このうち18年度又は19年度(12月まで)に締結された契約との対応関係が把握できた208件(見直し後の件数201件)について、19年12月までに各府省等が講じた見直しの措置の状況をみると、図表3-14のとおりである。
 これによると、競争契約等に移行したものが143件(71.1%)(競争契約に移行63件、企画随契に移行76件、公募を経た随意契約に移行4件)ある一方、引き続き随意契約を行っているものも58件(28.9%)(うち随意契約点検の結果、各府省等が引き続き随意契約によらざるを得ないとしているもの14件)ある。

図表3-14 平成17年度の再委託対象契約の見直し状況(平成19年12月末現在)
(単位:件、%)
府省等
点検対象となった随意契約
左のうち対応関係が把握できたもの
見直し状況(平成19年12月末現在)
競争契約
(a)
企画随契
(b)
公募を経た随意契約
(c)
(a)+(b)+(c)
引き続き随意契約
合計
 
うち随契によらざるを得ないもの
内閣
6
5
4
4
1
5
内閣府
3
2
1
1
1
2
総務省
11
4
3
3
1
4
法務省
外務省
2
2
1
1
1
2
財務省
文部科学省
24
14
2
1
3
11
4
14
厚生労働省
13
7
5
1
6
1
7
農林水産省
35
25
23
23
2
25
経済産業省
192
94
41
24
65
23
2
88
国土交通省
65
13
4
1
5
8
3
13
環境省
82
42
14
18
32
9
5
41
防衛省
国会
1
裁判所
会計検査院
合計
434
208
63
(31.3)
76
(37.8)
4
(2.0)
143
(71.1)
58
(28.9)
14
(7.0)
201
(100)
注(1)
 随意契約点検の対象となった平成17年度契約に対応する18年度又は19年度(12月まで)契約の中には、複数の契約に分割したり、統合したりなどしているものがあるため、「左のうち対応関係が把握できたもの」と「見直し状況(平成19年12月末現在)」の「合計」の件数は一致しない。
注(2)
 「競争契約」には、見直し後に競争入札を行った結果、不落・不調随契となったものを含めている。
注(3)
 「公募を経た随意契約」については、平成18年度における実施状況を把握していないため、19年度において実施したもののみを計上している。
注(4)
 「引き続き随意契約」とは、見直し後、公募を実施しないで、引き続き企画競争を経ない随意契約を行っているもの及び引き続き企画随契を行っているものである。
注(5)
 「うち随契によらざるを得ないもの」とは、随意契約点検の結果、各府省等が引き続き随意契約によらざるを得ないとしているものである。

 上記の契約について検査したところ、企画随契に移行したものの中に、従来と同じ公益法人が契約相手方となり、当該公益法人が再委託していて、契約相手方の選定に関して検討の必要があったと認められた事例が、次のとおり見受けられた。

<事例>

[企画随契に移行したものの、従来と同じ者が契約相手方となり、引き続き重要な業務を再委託しているもの]

公〔12〕  水産庁は、平成17年度に、発泡スチロール製漁業資材のリサイクル手法確立のための実証実験、調査業務等について、蓄積してきたデータや技術及びノウハウを有することを理由に、特定の公益法人と随意契約(契約金額17,257千円)を行っていた。そして、契約内容のうち実証実験業務について再委託が行われていた。これについて、同庁は、18年度に企画競争に移行することとし、参加者を募集したところ、従来の契約相手方だけの1者応募となったため、同法人と随意契約(契約金額9,002千円)を行った。  しかし、上記の企画競争に当たっては、必要な組織及び人員を有していることを審査項目としているが、契約相手方である公益法人には本件事業の主たる担当者が1名しかおらず、本件契約の重要な業務である実証実験業務については17年度と同じ業者に再委託(再委託金額4,000千円)していることから、契約相手方の選定について検討の必要があったと認められる。

 また、企画競争等を経ない随意契約から競争契約等に移行したものの中には、従来の随意契約において公益法人から再委託を受けていた業者が、競争契約等の契約相手方となったものがある。これらについては、移行後の契約を前提に考えると、従来の随意契約は公益法人を唯一の契約相手方であるとして随意契約を行っていた理由と再委託を行っていたこととの整合性に疑義があったと思料される。