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  • 国会からの検査要請事項に関する報告(検査要請)|
  • 会計検査院法第30条の3の規定に基づく報告書|
  • 平成20年10月

我が国政府開発援助における無償資金協力及び技術協力において被援助国が実施する施設の建設や資機材の調達等の契約に関する会計検査の結果について


第2 検査の結果

1 技術協力の実施状況

(1) 13府省庁による技術協力

13府省庁が15年度から19年度までに実施した技術協力の概要を整理して示すと、巻末別表1のとおりとなっている。
 13府省庁による技術協力において、資機材を含む物品を調達していた契約はあったが、これらはいずれも我が国国内において使用に供されているものであり、被援助国が実施する施設の建設や資機材の調達等の契約や13府省庁が実施する海外での施設の建設や海外向けの資機材の調達等の契約は見受けられなかった。

(2) JICAによる技術協力

 JICAが15年度から19年度までに実施した技術協力の主な事業実績は、表4のとおりとなっている。

表4 JICAの主な事業実績
年度 平成15年度 16年度 17年度 18年度 19年度
技術協力経費実績 1416億円 1506億円 1539億円 1512億円 1461億円
技術研修員受入数(新規) 16,277人 20,089人 24,504人 30,334人 22,247人
専門家派遣数(新規) 2,946人 4,340人 3,488人 4,541人 5,948人
技術協力プロジェクト件数 299件 370件 578件 715件 748件
 「国際協力機構年報」による。

 JICAは、前記三つの手段を組み合わせて一つのプロジェクトとして実施する技術協力プロジェクト等において、海外での施設の建設や海外向けの資機材の調達等を実施する契約を締結していた。

(3) 各府省が所管する公益法人による技術協力

 各府省が所管する公益法人は、国から補助金、委託費を受けて、技術協力として各府省の所管に係る技術を移転するための調査研究等を実施しており、これらの公益法人に対する15年度から19年度までの補助金、委託費の交付状況を13府省庁別に整理して示すと巻末別表1のとおりになる。
 このうち、海外での施設の建設や海外向けの資機材の調達等の契約を締結している公益法人は農林水産省が所管する財団法人海外漁業協力財団のみであり、同財団は水産庁から毎年度補助金の交付を受けて、補助事業として技術協力を実施している。(参照)