上記についての会計検査院の指摘に基づき、厚生労働省は、国民健康保険における退職被扶養者の適用を的確に行うよう、19年9月に都道府県に対して通知を発した。その後、20年3月に国民健康保険法施行規則を改正するなどして、次のような処置を講じた。
ア 市町村の保有する被保険者の収入等に関する情報を活用するなどして退職被扶養該当者に対し、退職被扶養者に係る届出を省略した適用を行うことができるよう制度を整備した。
イ 退職被扶養者に係る届出勧奨の具体的方法を定めるとともに、都道府県に市町村における届出勧奨の実施状況を把握させ、取組が十分でない市町村に対しては、その的確な実施を図るために助言させることとした。
会計検査院は、今回会計実地検査を行った28都道府県を含むすべての都道府県において、厚生労働省が講じた処置に基づき退職被扶養者の適用が的確に実施されているか、引き続き、検査していくこととする。