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  • 平成20年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第3 内閣府|
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  • 不当事項|
  • 役務

G8司法・内務大臣会議開催に伴う会議準備関係業務等の業務委託契約において、ウェブサイトの運用・管理に要する経費等の積算を誤ったため、契約額が割高となっているもの


(10) G8司法・内務大臣会議開催に伴う会議準備関係業務等の業務委託契約において、ウェブサイトの運用・管理に要する経費等の積算を誤ったため、契約額が割高となっているもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)警察庁 (項)警察庁共通費
部局等 警察庁
契約名 平成20年G8司法・内務大臣会議開催に伴う業務委託
契約の概要 G8司法・内務大臣会議の開催に当たり、会議準備関係業務、コンサ ルティング業務等を委託するもの
契約の相手方 株式会社コングレ
契約 平成20年4月 随意契約
契約額
101,680,191円
(当初契約額104,807,662円)

割高になっている契約額
4,800,000円
 

上記のうち警察庁に係る額
2,400,000円
 

1 委託契約の概要

 警察庁及び法務省(以下「二省庁」という。)は、平成20年6月にG8各国の司法及び内務担当大臣等が出席し、国際組織犯罪対策、国際テロ対策等の共通の関心事項について議論するG8司法・内務大臣会議(以下「会議」という。)の開催を共同して準備し運営している。
 会議の開催に当たり、二省庁は国際会議の運営ノウハウを有していないことから、大規模な国際会議の運営ノウハウを豊富に有する業者に業務を委託することとした。そして、二省庁間の協議の結果、業務委託に係る業者の選定、予定価格の作成等については、警察庁が行うこととし、また、経費の負担等については、二省庁の支出負担行為担当官が協定書を取り交わして、経費の負担割合は、それぞれ5割とすること、契約に係る監督及び検査は二省庁が行うこと、また支払は、契約の相手方からの請求により、それぞれが直接支払うことなどを取り決めている。
 警察庁は、これを受けて、契約の相手方を公募型プロポーザル方式により株式会社コングレ(以下「会社」という。)に決定し、本件委託契約に係る予定価格を作成して審査及び確認を行った後、法務省に支出負担行為に必要となる書類を送付している。そして、二省庁は、20年4月に随意契約により以下の業務等を内容とする業務委託契約を締結し、契約額101,680,191円で実施した。
〔1〕  会議準備関係業務として、ウェブサイトの運用・管理、会議資料の翻訳、会議に必要な制作物及び資機材の手配等を行うこと
〔2〕  コンサルティング業務として、会議の準備及び運営が円滑かつ適切に進められるよう、発注者に対して適時適切な支援及び助言を行うとともに、所要の連絡、調整等を行うこと
 警察庁は、本件委託契約に係る予定価格の積算に当たり、会社から上記の業務を構成する項目の明細が記載された見積書を徴取し、当該見積書の項目ごとの価格に所定の率を乗じて査定するなどしていた。
 そして、契約額の支払については、前記の負担割合に基づいて、警察庁は50,840,096円を、法務省は50,840,095円をそれぞれ会社に支払っている。

2 検査の結果

 本院は、本件委託契約を対象として、経済性等の観点から予定価格の積算が適切に行われているかなどに着眼して、二省庁において会計実地検査を行った。そして、契約書、仕様書、予定価格積算内訳書等の書類により検査したところ、次のとおり適切でない事態が見受けられた。
 すなわち、会議準備関係業務のウェブサイトの運用・管理に係る項目の経費については、見積価格1,150,000円に所定の率(0.81)を乗じて931,500円と算出すべきであるのに、誤って10倍の率(8.1)を乗じたため、9,315,000円と算出するなどしていた。
 したがって、本件委託契約の予定価格を所定の率等により修正計算すると、他の項目において積算過小となっていた経費等を考慮するなどしても96,824,700円となり、本件契約額101,680,191円はこれに比べて約480万円(警察庁に係る分約240万円、法務省に係る分約240万円)が割高になっていて不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、警察庁において、本件委託契約の予定価格の積算における審査及び確認が十分でなかったこと、また、警察庁及び法務省において、本件委託契約の予定価格の積算内容について、相互に確認することとしていなかったことによると認められる。