私立学校施設整備費補助金(防災機能強化施設整備事業)は、私立の高等学校等における防災機能の強化を図ることを目的として、校舎等の耐震補強等を行う学校法人に対し、当該事業に要する経費の一部を国が補助するものである。
この補助金の交付額は、校舎等の耐震補強工事等に係る経費を補助対象経費として、これに補助率3分の1以内を乗じて算定することとなっている。
本院が、12都府県の23学校法人において会計実地検査を行ったところ、2都県の2学校法人において、補助対象経費に補助対象外の工事費を含めるなどしていたため、国庫補助金4,158,000円が過大に交付されていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、学校法人において補助対象経費の算定方法等についての理解が十分でなかったこと、都県において実績報告書等に対する審査が十分でなかったことなどによると認められる。
これを、都県別に示すと次のとおりである。
部局等 | 事業主体 | 補助事業等 | 年度 | 補助対象経費 | 左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める補助対象経費 | 不当と認める国庫補助金等 | 摘要 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(38) | 東京都 | 東京都学校法人白百合学園 | 白百合学園中学高等学校校舎防災機能強化施設整備 | 17 | 223,765 | 74,587 | 4,646 | 1,548 | 補助の対象外 |
学校法人白百合学園は、上記の事業として平成17年度に実施した耐震補強工事等に係る経費を対象として、補助対象経費を223,765,000円(国庫補助金74,587,000円)としていた。
しかし、同法人は、補助の対象である耐震補強工事とは全く関連がない黒板の交換等の内装改修に係る工事費を補助対象経費に含めていた。
したがって、適正な工事費により補助対象経費を算定すると219,119,061円(国庫補助金73,039,000円)となり、国庫補助金1,548,000円が過大に交付されていた。
(39) | 熊本県 | 学校法人九州ルーテル学院 | ルーテル学院高等学校校舎防災機能強化施設整備 | 17 | 199,337 | 66,445 | 7,832 | 2,610 | 補助の対象外 |
学校法人九州ルーテル学院は、上記の事業として平成17年度に実施した耐震補強工事等に係る経費を対象として、補助対象経費を199,337,565円(国庫補助金66,445,000円)としていた。
しかし、同法人は、補助の対象である耐震補強工事とは全く関連がない屋根改修、外壁改修等に係る工事費を補助対象経費に含めるなどしていた。
したがって、適正な工事費により補助対象経費を算定すると191,505,114円(国庫補助金63,835,000円)となり、国庫補助金2,610,000円が過大に交付されていた。
(38)(39)の計 | 423,103 | 141,032 | 12,478 | 4,158 |