障害程度区分認定等事業費補助金は、障害者自立支援制度の基盤の安定化等を目的として、都道府県又は市町村(特別区を含む。)に対して、障害者自立支援法(平成17年法律第123号)の施行に係る普及啓発・広報、支給決定等に係るシステム開発・改修等に要する費用について、その一部を国が補助するものである。
本院が、23都道府県の137市区町村において会計実地検査を行ったところ、次のような事態が見受けられた。
部局等 | 補助事業者 (事業主体) |
年度 | 補助対象事業費 | 左に対する国庫補助金交付額 | 不当と認める補助対象事業費 | 不当と認める国庫補助金交付額 | 摘要 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(272) | 高知県 | 幡多(はた)郡黒潮町 | 18 | 2,000 | 1,000 | 2,000 | 1,000 | 補助金の交付を重複して受けていたもの |
黒潮町は、平成18年度に実施した障害者自立支援法に係る身体障害者手帳管理等のシステム整備に係る経費について、厚生労働省に対して、障害程度区分認定等事業費補助金1,000,000円の交付申請を19年2月28日に行い、同額の交付を受けていた。
しかし、同町は、これに先立つ同月19日に、総務省に対して、上記のシステム整備に係る経費を18年度の市町村合併推進体制整備費補助金の補助対象事業費80,100,000円に含めて交付申請を行い、同額の同補助金の交付を受けていた。
したがって、障害程度区分認定等事業費補助金1,000,000円については、市町村合併推進体制整備費補助金と重複していて交付の要がなく、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同町において補助事業の適正な実施についての認識が欠けていたこと、高知県において適正な事務処理の執行についての指導が必ずしも十分でなかったことなどによると認められる。