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  • 平成20年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第9 厚生労働省|
  • 不当事項|
  • 補助金|
  • 補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの

老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業分)が過大に交付されているもの


(12) 老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業分)が過大に交付されているもの

1件 不当と認める国庫補助金 1,100,000円

 老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業分)は、老人保健福祉サービスの一層の充実や介護保険制度の基盤の安定化に資することを目的として、公益法人等が行う高齢者の自立支援及び元気高齢者づくりのための調査研究事業等の事業であって、その内容が先駆的かつ試行的事業と認められるものに対して交付されることとなっている。
 この補助金の交付額は「老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業分)交付要綱」(平成15年厚生労働省発老第0609001号)によると、厚生労働省が認めた基準額と補助対象経費に係る実支出額とを比較して少ない方の額を選定し、選定された額と当該事業ごとの総事業費から寄附金その他の収入額を控除した額とを比較して少ない方の額を合計した額とすることとなっている。
 また、補助対象経費は、事業を実施するために必要な諸謝金、消耗品費、旅費、備品購入費等の経費とされている。
 検査したところ、次のとおり不適正な経理処理を行っている事態が見受けられた。

補助事業者
(事業主体)
事業の共同実施者
(所属機関名)
年度 事業数 国庫補助金交付額 不当と認める国庫補助金額 摘要
千円 千円
(301) 財団法人日本公衆衛生協会 1研究者(聖マリアンナ医科大学) 15 1 50,000 1,100 不適正な経理処理

 財団法人日本公衆衛生協会は、平成15年度に実施した調査研究事業を対象として補助金50,000,000円の交付を受け、事業の一部を共同で実施した聖マリアンナ医科大学所属の研究者に配分した5,000,000円を含めた49,501,130円で本件事業を実施したとする事業実績報告書を厚生労働省に提出していた。
 しかし、上記の研究者は、配分を受けた5,000,000円のうち、1,100,000円については、業者に架空の取引を指示して研究で使用する消耗品を購入したとする虚偽の納品書、請求書等を作成させ本件補助金から架空の取引に係る購入代金を支払って、業者から補助対象とは認められない商品券を納入させていた。
 なお、上記の商品券1,100,000円分については使途が不明となっている。
 したがって、適正な補助対象経費に基づいて補助金の額を算定すると48,401,000円となり、事業実績報告書に基づく国庫補助金の所要額49,501,000円との差額1,100,000円が過大に交付されていて不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、研究者において、補助金の原資は税金であり、事実に基づく適正な会計経理を行うという基本的な認識が欠けていたこと、厚生労働省において、補助事業者に対して補助金の不正使用の防止について必要な措置の導入や指導を行っていたものの、その周知徹底が十分でなかったことなどによると認められる。