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  • 平成20年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第9 厚生労働省|
  • 不当事項|
  • 補助金|
  • 補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの

保健事業費等負担金(健康診査費分)が過大に交付されているもの


(13) 保健事業費等負担金(健康診査費分)が過大に交付されているもの

10件 不当と認める国庫補助金 101,077,995円

 保健事業費等負担金(健康診査費分)(以下「負担金」という。)は、老人保健法(昭和57年法律第80号)に基づき、壮年期からの健康についての認識と自覚の高揚を図ることを目的に、市町村(特別区を含む。以下同じ。)が、その区域内に居住地を有する40歳以上の者に対して行う基本健康診査や歯周疾患検診等の健康診査及び指導の実施に要する経費の一部を、国が負担するものである。
 負担金の交付額は、交付要綱等に基づき、次のとおり算定することとなっている。
〔1〕  診査の種類ごとに定められている基準単価(基本健康診査については、更に集団検診、医療機関一括方式、医療機関個別方式等の実施方法ごとに定められている。)から、受診者等から徴収する額について診査の種類ごとに定められている費用徴収基準額(基本健康診査については、更に実施方法ごとに定められている。以下「徴収基準額」という。)を控除した額に、それぞれの受診人員数を乗じて得た額の合計額を基準額とする。そして、徴収基準額は、70歳以上の者、生活保護法(昭和25年法律第144号)による被保護世帯及び市町村民税非課税世帯に属する者については算定を行わないものとされている。また、実際の費用徴収額(以下「徴収額」という。)が徴収基準額を上回る場合には、徴収基準額ではなく徴収額を基準単価から控除して基準額を算出する。
〔2〕  〔1〕 により算出された基準額、補助対象経費の実支出額及び総事業費から寄付金その他の収入額を控除した額を比較して最も少ない額に3分の1を乗じて得た額を交付額とする。
 そして、健康診査は、医療保険各法の保険者が行う成人病検診等の健康診査に相当するサービスを受けた者は対象としないこと、同一人について年1回行うこととされている。
 本院は、24都道府県の187市町村において、平成15年度から19年度までに交付された負担金について会計実地検査を行った。その結果、7府県の10事業主体において、40歳未満の受診人員数等を負担金の算定対象に含めたり、2回目以降の基本健康診査の受診人員数、又は国民健康保険事業において実施された人間ドックで健康診査に相当するサービスを受けた後に基本健康診査を受けた人員数を負担金の算定対象に含めたり、基準額を算出する際に基準単価から徴収基準額又は徴収額を控除していなかったりなどして、負担金の交付額の算定を誤ったため、負担金交付額計6,017,976,811円のうち計101,077,995円が過大に交付されていて、不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、事業主体において交付要綱等を十分に理解していなかったこと、厚生労働省又は県において事業主体から提出された事業実績報告書の審査、確認が十分でなかったことなどによると認められる。
 これを府県別・事業主体別に示すと次のとおりである。

府県名 補助事業者(事業主体) 年度 国庫負担対象事業費 左に対する国庫負担金交付額 不当と認める国庫負担対象事業費 不当と認める国庫負担金交付額 摘要
千円 千円 千円 千円
(302) 山形県 東根市 17 32,152 10,717 4,899 1,633 徴収額を基準単価から控除していなかったもの
(303) 福島県 いわき市 17、18 400,004 133,334 7,115 2,371 40歳未満の受診人員数等を含めていたもの
(304) 埼玉県 さいたま市 16、17、19 3,233,146 1,077,715 9,764 3,254 2回目以降の受診人員数等を含めていたもの
(305) 川口市 18、19 1,024,638 341,546 8,790 2,930
(306) 大阪府 大阪市 15〜19 4,676,092 1,558,697 69,591 23,197 2回目以降の受診人員数を含めていたものなど
(307) 堺市 15〜18 2,160,183 720,061 45,081 15,027 2回目以降の受診人員数等を含めていたもの
(308) 奈良県 奈良市 17〜19 1,676,278 558,759 7,342 2,447 人間ドック受診後の受診人員数を含めていたものなど
(309) 福岡県 福岡市 15〜18 2,131,514 710,504 54,141 18,047 2回目以降の受診人員数等を含めていたもの
(310) 北九州市 15〜18 2,044,865 681,621 72,591 24,197
(311) 沖縄県 那覇市 15〜19 675,054 225,018 23,914 7,971 徴収基準額を基準単価から控除していなかったものなど
(302)—(311)の計 18,053,930 6,017,976 303,233 101,077