会計名及び科目 | 一般会計 | (組織)林野庁 | (項)林業振興費 |
部局等 | 林野庁 | ||
契約名 | 保安林整備事業(平成14年度〜19年度) | ||
契約の概要 | 民有保安林の適正かつ円滑な整備・管理を行うため保安林の指定・解除調査事務等を行うもの | ||
契約の相手方 | 岐阜県 | ||
契約 | 平成14年6月ほか 随意契約 | ||
支払額 | 70,660,000円
(平成14年度〜19年度)
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過大になっている支払額 | 5,451,005円
(平成14年度〜19年度)
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林野庁は、民有保安林の適正かつ円滑な整備・管理を行うことを目的として、保安林整備管理事業実施要領(昭和53年53林野治第1883号林野庁長官通知)に基づき、保安林の指定・解除調査事務等の保安林整備事業を岐阜県に委託して行わせており(以下、委託した事業を「委託事業」という。)、平成14年度から19年度までの委託費の支払額は計70,660,000円となっている。
委託契約書によると、事業計画書等に記載された内容の委託事業が終了して、同県から実績報告書の提出を受けたときは、林野庁は、遅滞なく委託事業が契約の内容に適合するものであるかどうかの検査を行い、適合すると認めたときは、委託事業に要した経費の実 支出額と契約で定められた委託費の限度額(以下「支払限度額」という。)のいずれか低い額を委託費の額として確定することとされている。
そして、林野庁は、14年度から19年度までの各年度において、同県から支払限度額と同額で委託事業を実施したとする実績報告書の提出を受け、これに基づき委託費を支払っている。
本院は、林野庁及び同県において、合規性等の観点から、委託費の額が委託事業の目的に従った適切なものとなっているかなどに着眼して、委託事業について実績報告書等の書類により会計実地検査を行った。
検査したところ、次のような事態が見受けられた。
同県は、同県林政部治山課や農林事務所(旧農山村整備事務所)で雇用した臨時職員のうち、14年度から19年度までの間に計163人の臨時職員が委託事業に従事したとして、委託事業に係る賃金の実支出額を計40,956,000円とする実績報告書を提出していた。
しかし、上記163人の臨時職員の勤務状況を確認したところ、実際に委託事業に従事していたのは132人のみで、残りの31人は委託事業を所管していない部署に配属されてい たり、委託事業の対象となっていない保安林標識設置の用務で雇用されていたりしていて、委託事業に従事していなかった。
したがって、実際に委託事業に従事した132人の賃金の実支出額計35,504,995円に基づき14年度から19年度までの間における適正な委託費の額を計算すると計65,208,995円となり、前記の支払額計70,660,000円との差額計5,451,005円が過大に支払われていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同県において、委託事業の適正な実施に対する認識が十分でなかったこと、また、林野庁において、実績報告書の内容の検査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。